NSX Data Center for vSphere は、vSphere リソース割り当てを使用して、NSX Edge アプライアンスのリソースを予約します。NSX Edge の CPU とメモリ リソースを予約することで、アプライアンスの正常な動作に必要なリソースを確保できます。
リソースの予約方法には、[システム管理]、[カスタム]、[予約なし] の 3 つがあります。
システム管理
[システム管理] を選択すると、新しい NSX Edge アプライアンスの CPU とメモリ リソースがシステムによって予約されます。アプライアンス サイズのシステム要件を満たすリソースが予約され、調整設定 API を使用して指定される割合で調整されます。
NSX Edge インスタンスをインストール、アップグレードまたは再展開すると、関連付けられた NSX Edge アプライアンスが展開されます。アプライアンスのリソース予約が [システム管理] に設定されている場合、アプライアンスがパワーオンされた後にリソース プールに予約が適用されます。リソースが不足している場合は、予約に失敗しシステム イベントが生成されますが、アプライアンスの展開には成功します。アップグレードまたは再展開でアプライアンスが次に展開されるときに予約が試行されます。
リソース予約が [システム管理] の場合、アプライアンスのサイズを変更すると、新しいアプライアンス サイズのシステム要件に合わせてリソース予約が更新されます。
カスタム
[カスタム] を選択した場合は、NSX Edge アプライアンスのリソース予約を自分で決める必要があります。
NSX Edge をインストール、アップグレードまたは再展開すると、関連付けられた NSX Edge アプライアンスが展開されます。アプライアンスのリソース予約が [カスタム] に設定されている場合、アプライアンスがパワーオンされる前にリソース プールに予約が適用されます。リソースが不足している場合、アプライアンスはパワーオンに失敗し、アプライアンスの展開が失敗します。
既存の NSX Edge アプライアンスに [カスタム] 予約を適用できます。リソース プールに十分なリソースがない場合、設定の変更は失敗します。
リソース予約に [カスタム] を設定した場合、アプライアンスのリソース予約はシステムによって管理されません。アプライアンスのサイズを変更すると、アプライアンスのシステム要件は変更されますが、リソース予約は更新されません。新しいアプライアンス サイズのシステム要件を反映するように、リソース予約を変更する必要があります。
予約なし
[予約なし] を選択すると、NSX Edge アプライアンスにリソースは予約されません。リソースが不足しているホストにも NSX Edge アプライアンスを展開できますが、リソースの競合がある場合は、アプライアンスが正しく動作しない可能性があります。
NSX Edge アプライアンスのリソース予約の設定
リソースの予約は、NSX Edge アプライアンスの作成時に設定します。既存の NSX Edge アプライアンスの予約を更新することもできます。これらのタスクには、vSphere Web Client または API を使用できます。API の使用方法の詳細については、『NSX API ガイド』を参照してください。
操作 | vSphere Web Client | API |
---|---|---|
新しい NSX Edge を作成する | [追加] をクリックします。ウィザードに従って、NSX Edge を作成します。[デプロイの設定] ステップで、NSX Edge アプライアンスを追加できます。予約方法は、[リソース予約] ドロップダウン メニューから選択します。 | の順に移動してPOST /api/4.0/edges を使用する |
既存の NSX Edge を更新する | [リソース予約] に別の値を選択します。 | の順に移動し、アプライアンス仮想マシンを編集して、PUT /api/4.0/edges/{edgeId}/appliances を使用する |
cpuReservation > reservation
と
memoryReservation > reservation
パラメータを使用して、API を使用するように
NSX Edge アプライアンスのリソース予約を設定します。
リソース予約方法 | 予約パラメータの値 |
---|---|
[システム管理] | cpuReservation > reservation と memoryReservation > reservation の値を指定しないでください。 |
[カスタム] | cpuReservation > reservation と memoryReservation > reservation に必要な値を指定します。 |
[予約しない] | cpuReservation > reservation と memoryReservation > reservation を 0 に設定します。 |
NSX Edge アプライアンスのシステム要件は、アプライアンスのサイズ(Compact、Large、Quad Large、X-Large)によって異なります。これらの値は、デフォルトの [システム管理] のリソース予約で使用されます。
アプライアンスのサイズ | CPU 予約 | メモリの予約 |
---|---|---|
Compact | 1000 MHz | 512 MB |
Large | 2000 MHz | 1 GB |
Quad Large | 4000 MHz | 2 GB |
X-Large | 6000 MHz | 8 GB |
調整設定によるシステム管理のリソース予約の変更
リソースが不足している場合、[システム管理] のリソース予約を一時的に無効にするか、デフォルト値を小さくすることができます。予約の割合を変更するには、調整設定 API PUT /api/4.0/edgePublish/tuningConfiguration
の edgeVCpuReservationPercentage
と edgeMemoryReservationPercentage
パラメータに値を設定します。両方のパラメータのデフォルト値は 100
です。この変更は、新しい NSX Edge アプライアンスの展開に適用されますが、既存のアプライアンスに影響しません。指定した割合により、関連する NSX Edge アプライアンス サイズにデフォルトで予約される CPU とメモリが変更されます。リソース予約を無効にするには、値を 0 に設定します。詳細については、『NSX API ガイド』を参照してください。
リソース予約方法を [カスタム] または [予約しない] から [システム管理] に変更する
NSX 6.4.3 以前を使用している場合、NSX Edge アプライアンスの予約で [カスタム] または [予約しない] を選択した場合、予約を [システム管理] に切り替えることはできません。
NSX 6.4.4 以降では、API POST /api/4.0/edges/{edgeId}/appliances?action=applySystemResourceReservation
を使用すると、予約を [システム管理] に切り替えることができます。詳細については、『NSX API ガイド』を参照してください。
NSX 6.4.6 以降では、vSphere Web Client を使用して、NSX Edge アプライアンス仮想マシンを編集し、予約を [システム管理] に戻すことができます。