ホストの準備とは、NSX Manager が 1)vCenter Server クラスタのメンバーである ESXi ホストにカーネル モジュールをインストールし 2)制御プレーンおよび管理プレーンのファブリックを構築するプロセスです。VIB ファイルにパッケージ化された NSX Data Center for vSphere カーネル モジュールは、ハイパーバイザー カーネル内で実行され、分散ルーティング、分散ファイアウォール、VXLAN ブリッジ機能などのサービスを提供します。

ネットワーク仮想化に向けて環境を準備するには、必要に応じて、vCenter Server ごとにクラスタ単位でネットワーク インフラストラクチャ コンポーネントをインストールする必要があります。これにより、クラスタ内のすべてのホストに必要なソフトウェアがインストールされます。このクラスタに新しいホストが追加されると、新しく追加されたホストに必要なソフトウェアが自動的にインストールされます。

ESXi をステートレス モードで使用している、つまり ESXi の再起動時に以前の状態が維持されない場合、NSX Data Center for vSphere VIB を手動でダウンロードして、ホスト イメージに組み込む必要があります。NSX Data Center for vSphere VIB のダウンロード パスは、https://<NSX_MANAGER_IP>/bin/vdn/nwfabric.properties ページに記載されています。ダウンロード パスは、NSX Data Center for vSphere の各リリースで異なる場合があります。必ず https://<NSX_MANAGER_IP>/bin/vdn/nwfabric.properties ページを確認して、適切な VIB を取得してください。詳細については、https://kb.vmware.com/s/article/2092871 にある VMware のナレッジベースの記事「Deploying VMware NSX for vSphere 6.x through Auto Deploy」を参照してください。

前提条件

  • NSX Manager で vCenter Server を登録し、NSX Controller クラスタをデプロイします。

  • NSX Manager の IP アドレスで照会されたときに、DNS の逆引き参照で完全修飾ドメイン名が返されることを確認します。

  • ホストが vCenter Server の DNS 名を解決できることを確認します。
  • ホストが vCenter Server のポート 80 に接続できることを確認します。
  • vCenter Server と ESXi ホスト間でネットワーク時刻が同期されることを確認します。
  • NSX に参加する各ホスト クラスタで、クラスタ内のすべてのホストが共通の vSphere Distributed Switch (VDS) に接続していることを確認します。

    たとえば、Host1 と Host2 を含むクラスタがあるとします。Host1 は仮想スイッチの VDS1 と VDS2 に接続されています。Host2 は VDS1 と VDS3 に接続されています。NSX 用にクラスタを準備する際、NSX をクラスタ上の VDS1 にのみ関連付けることができます。クラスタに別のホスト (Host3) を追加する場合、Host3 を VDS1 に接続しないと無効な構成になります。Host3 は NSX 機能を使用することはできません。

  • お使いの環境に vSphere Update Manager (VUM) がある場合は、クラスタでネットワーク仮想化の準備をする前に、VUM を無効にしておく必要があります。VUM が有効かどうかを確認する方法と、必要に応じて VUM を無効にする方法については、http://kb.vmware.com/kb/2053782を参照してください。
  • ネットワークに vSphere 7.0 以降が存在する場合は、vCenter Server クラスタが ESXi ホストのライフサイクル管理に vSphere Lifecycle Manager (vLCM) イメージを使用していないことを確認します。vLCM イメージを使用する vCenter Server クラスタでは、ホストの準備を行うことができません。

    クラスタ内のホストの管理に vLCM イメージが使用されているかどうか確認するには、vSphere Client にログインし、[ホストおよびクラスタ] に移動します。ナビゲーション ペインでクラスタをクリックし、[アップデート] > [イメージ] の順に移動します。クラスタで vLCM イメージが使用されていない場合は、[SetUp Image] ボタンが表示されます。クラスタで vLCM イメージが使用されている場合は、ESXi バージョン、ベンダーのアドオン、イメージのコンプライアンスの詳細など、イメージの詳細が表示されます。

    ホストが追加されていない vCenter Server クラスタに NSX がインストールされている場合でも、vLCM イメージを使用する空のクラスタを設定できます。ただし、後でこのクラスタにホストを追加して NSX のホストを準備すると、ホストの準備に失敗します。この動作は既知の問題です。したがって、NSX がインストールされている空の vCenter Server クラスタで vLCM イメージを使用しないようにする必要があります。

  • バージョン 6.4.2 以降では、ixgbe ドライバを使用する物理 NIC を搭載したホストに NSX Data Center for vSphere をインストールすると、ixgbe ドライバで Receive Side Scaling (RSS) が自動的に有効になりません。NSX Data Center をインストールする前に、ホストで RSS を手動で有効にする必要があります。RSS は、ixgbe ドライバを使用する物理 NIC を搭載したホストでのみ有効にしてください。RSS を有効にする手順については、VMware ナレッジベースの記事 https://kb.vmware.com/s/article/2034676 を参照してください。この記事には、VXLAN パケット スループットを向上させる RSS の推奨設定が記載されています。
  • ホストの準備プロセスの前に、クラスタの [アクション (Actions)] リストで [解決 (Resolve)] オプションが表示されていないか、グレーアウトされていることを必ず確認してください。

  • クラスタ内のホストを再起動する必要がある場合に、[解決 (Resolve)] オプションが表示されることがあります。

    また、解決しなければならないエラーが発生したために、[解決 (Resolve)] オプションが表示されることもあります。エラーを表示するには、[準備ができていません (Not Ready)] リンクをクリックします。できれば、エラー状態を解除してください。クラスタのエラー状態を解除できない場合、1 つの解決策として、ホストを新規または別のクラスタに移動して、古いクラスタを削除します。

[解決 (Resolve)] オプションで問題が解決しない場合は、『NSX トラブルシューティング ガイド』を参照してください。[解決 (Resolve)] オプションで解決された問題の一覧については、『NSX のログ作成とシステム イベント』を参照してください。

手順

  1. vSphere Web Client にログインします。
  2. [ネットワークとセキュリティ (Networking & Security)] > [インストールとアップグレード (Installation and Upgrade)] > [ホストの準備 (Host Preparation)] の順に移動します。
  3. NSX Data Center for vSphere スイッチング、ルーティング、ファイアウォールを必要とするクラスタの場合は、クラスタを選択して、[アクション (Actions)] > [インストール (Install)] の順にクリックします。

    コンピューティング クラスタ(ペイロード クラスタとも呼ばれる)は、アプリケーション仮想マシン(Web、データベースなど)を含むクラスタです。コンピューティング クラスタで NSX Data Center for vSphere スイッチング、ルーティングまたはファイアウォールを使用する場合は、コンピューティング クラスタに NSX Data Center for vSphere をインストールする必要があります。

    「管理および Edge」共有クラスタでは、NSX ManagerNSX Controller 仮想マシンが 1 つのクラスタを Edge デバイス(分散論理ルーター (DLR)、Edge Services Gateway (ESG) など)と共有します。この場合、共有クラスタに NSX をインストールする必要があります。

    逆に、管理および Edge にそれぞれ専用の共有されないクラスタがある場合(本番環境で推奨)、管理クラスタではなく Edge クラスタに NSX をインストールします。

    注: インストールの進行中は、いずれのサービスまたはコンポーネントについてもデプロイ、アップグレード、またはアンインストールしないでください。
  4. [NSX のインストール (NSX Installation)] または [インストール ステータス (Installation Status)] 列に緑色のチェック マークが表示されるまで、インストールを監視します。
    列に [準備ができていません (Not Ready)] と表示されている場合は、 [アクション (Actions)] > [解決 (Resolve)] の順にクリックします。 [解決 (Resolve)] をクリックすると、ホストが再起動されることがあります。インストールがまだ成功しない場合は、 [準備ができていません (Not Ready)] をクリックします。すべてのエラーが表示されます。必要な操作を行い、再度 [解決 (Resolve)] をクリックします。
    インストールが完了すると、 [NSX のインストール (NSX Installation)] または [インストール ステータス (Installation Status)] 列に、インストールされた NSX のバージョンとビルドが表示され、 [ファイアウォール (Firewall)] 列に [有効 (Enabled)] と表示されます。いずれの列にも緑色のチェック マークが表示されます。 [NSX のインストール (NSX Installation)] または [インストール ステータス (Installation Status)] 列に [解決] の表示がある場合は、[解決] をクリックし、ブラウザ ウィンドウを更新します。
    注意: vSphere 7.0 以降が存在するネットワークでは、 NSX にホスト クラスタを準備した後に、vCenter Server クラスタで vLCM イメージを使用することはできません。vCenter Server クラスタで vLCM イメージを使用しようとすると、ホストにスタンドアローン VIB が存在することを通知する警告メッセージが vSphere Client に表示されます。

結果

VIB がインストールされ、準備されたクラスタ内のすべてのホストに VIB が登録されます。

確認するには、各ホストに SSH で接続し、esxcli software vib list コマンドを実行して関連する VIB を確認します。このコマンドでは、VIB のほかに、インストールされている VIB のバージョンも表示されます。

[root@host:~] esxcli software vib list | grep nsx
esx-nsxv      6.0.0-0.0.XXXXXXX    VMware  VMwareCertified   2018-01-16

準備されたクラスタにホストを追加したら、NSX Data Center for vSphere VIB が自動的にホストにインストールされます。

準備されていないクラスタにホストを移動すると、NSX Data Center for vSphere VIB が自動的にホストからアンインストールされます。