次の図は、NSX が新しい分散論理ルーターを作成するときのプロセスの概要を示しています。
新しい分散論理ルーターをデプロイするため、ユーザー インターフェイスのウィザードで [終了] ボタンを押すか、API 呼び出しが行われると、システムは次の手順で処理を実行します。
- NSX Manager が、新しい分散論理ルーターをデプロイするための API 呼び出し(直接呼び出し、または vSphere Web Client ユーザー インターフェイスのウィザードから呼び出し)を受信します。
- NSX Manager は、リンクされている vCenter Server を呼び出し、分散論理ルーター制御仮想マシン 1 台(高可用性が要求されている場合は 2 台)をデプロイします。
- 設定を受信するには、分散論理ルーター制御仮想マシンをパワーオンし、NSX Manager に再接続します。
- 高可用性を実現するため、分散論理ルーター制御仮想マシンを 2 台デプロイしている場合、NSX Manager は非アフィニティ ルールを設定し、2 台の分散論理ルーター制御仮想マシンが異なるホストで実行されるようにします。次に、DRS が 2 台を引き離すアクションを実行します。
- NSX Manager は、ホスト上に分散論理ルーター インスタンスを作成します。
- NSX Manager は、新しい分散論理ルーターに接続される論理スイッチを検出し、これらのスイッチが属するトランスポート ゾーンを決定します。
- 次に、このトランスポート ゾーンに設定されているクラスタ リストを検索し、これらのクラスタにある各ホストで新しい分散論理ルーターを作成します。
- この時点で、ホストは新しい分散論理ルーター ID のみを認識しており、その他の情報(LIF またはルート)を持っていません。
- NSX Manager は、コントローラ クラスタで新しい分散論理ルーター インスタンスを作成します。
- コントローラ クラスタは、コントローラ ノードのうち 1 台をこの分散論理ルーター インスタンスのマスターとして割り当てます。
- NSX Manager は、LIF を含む設定を分散論理ルーター制御仮想マシンに送信します。
- ESXi ホスト(分散論理ルーター制御仮想マシンを実行しているホストを含む)は、コントローラ クラスタから一部の情報を受け取り、新しい分散論理ルーター インスタンスを担当するコントローラ ノードを決定して、既存の接続がない場合はそのコントローラ ノードに接続します。
- 分散論理ルーター制御仮想マシンで LIF が作成されたら、NSX Manager はコントローラ クラスタで新しい分散論理ルーターの LIF を作成します。
- 分散論理ルーター制御仮想マシンは、新しい分散論理ルーター インスタンスのコントローラ ノードに接続し、コントローラ ノードにルートを送信します。
- 最初に分散論理ルーターは、LIF にプリフィックスを解決することによって、ルーティング テーブルをフォワーディング テーブルに変換します。
- 次に、分散論理ルーターは、変換したテーブルをコントローラ ノードに送信します。
- コントローラ ノードは、手順 5.a で確立した接続を介して、新しい分散論理ルーターが存在する他のホストに LIF とルートをプッシュします。