N-VDS をホスト スイッチとして使用している場合、vCenter Server で NSX-T は非透過ネットワークとして表示されます。N-VDS はトランスポート ノード上で 1 つ以上の物理インターフェイス(物理 NIC)を所有し、ポート構成が NSX-T Data Center から実行されます。ホスト スイッチを vSphere Distributed Switch (VDS) 7.0 に移行し、物理 NIC の使用状況を最適化できます。また、vCenter Server から NSX-T ホストのネットワークを管理できます。VDS スイッチで NSX-T を実行すると、セグメントは NSX 分散仮想ポート グループとして表示されます。NSX-T ネットワークのセグメントに対する変更は、vCenter Server で同期されます。NSX-T Data Center 3.0 では、N-VDS ベースの非表示のクラスタ環境で N-VDS から VDS に移行することはできません。また、移行で名前付きチーミング ポリシーはサポートされません。
- X = メジャー
- Y = マイナー
- Z = メンテナンス
- U = 更新
- P = パッチ
前提条件
VDS 7.0 への移行による影響を評価するには、VMware のサポートにお問い合わせください。
VDS 7.0 ホスト スイッチに移行するには、次の要件を満たす必要があります。
- vCenter Server 7.0 以降
- ESXi 7.0 以降
- 移行後、NSX-T は非透過ネットワークとして表示されなくなります。移行後の NSX-T ホストの表示を管理するため、スクリプトの更新が必要になる場合があります。
手順
- API 呼び出しを使用してホスト スイッチを移行するか、CLI から移行コマンドを実行します。NSX Manager ユーザー インターフェイスから移行を開始することもできます。
- 移行を実行するには、次の API 呼び出しを行います。
- ホストの移行準備ができていることを確認するには、次の API 呼び出しを行い、事前チェックを実行します。
POST https://<nsx-mgr>/api/v1/nvds-urt/precheck
NSX-T 3.1.1 以降では、ホスト スイッチを移行することもできます。ホスト スイッチでは、クラスタごとに個別の VDS が生成されます。この使用事例では、POST https://<nsx-mgr>/api/v1/nvds-urt/precheck
ではなく、次の API を呼び出す必要があります。POST https://<nsx-mgr>/api/v1/nvds-urt/precheck-by-cluster
両方の API 呼び出しの応答例:
{ "precheck_id": "166959af-7f4b-4d49-b294-907000eef889" }
- 構成に不整合がある場合は、それを解決して事前チェックを再度実行します。
- 事前チェックの状態を確認します。
POST https://<nsx-mgr>/api/v1/nvds-urt/status-summary/<precheck-id>
応答例:
{ "precheck_id": "166959af-7f4b-4d49-b294-907000eef889", "precheck_status": "PENDING_TOPOLOGY" }
- ステートレス ホストの場合は、ホストの 1 つをソース ホストとして指名し、移行を開始します。
- 推奨トポロジを取得するには、次の API 呼び出しを行います。
GET https://<nsx-mgr>/api/v1/nvds-urt/topology/<precheck-id>
応答例:
{ "topology": [ { "nvds_id": "21d4fd9b-7214-46b7-ab16-c4e7138f011f", "nvds_name": "nsxvswitch", "compute_manager_topology": [ { "compute_manager_id": "fa1421d9-54a7-418e-9e18-7d0ff0d2f771", "dvswitch": [ { "data_center_id": "datacenter-3", "vds_name": "VDS-nsxvswitch-datacenter-3", "vmknic": [ "vmk1" ], "transport_node_id": [ "4a6161af-7eec-4780-8faf-0e0610c33c2e", "5a78981a-03a6-40c0-8a77-28522bbf07a9", "f9c6314d-9b99-48aa-bfc8-1b3a582162bb" ] } ] } ] } ] }
- 推奨トポロジを使用して VDS を作成するには、次の API 呼び出しを行います。
POST https://<nsx-mgr>/api/v1/nvds-urt/topology?action=apply
N-VDS は新しい VDS にのみ置き換えることができます。既存の VDS は使用できません。
入力例:
{ "topology": [ { "nvds_id": "c8ff4053-502a-4636-8a38-4413c2a2d52f", "nvds_name": "nsxvswitch", "compute_manager_topology": [ { "compute_manager_id": "fa1421d9-54a7-418e-9e18-7d0ff0d2f771", "dvswitch": [ { "data_center_id": "datacenter-3", "vds_name": "test-dvs", "transport_node_id": [ "65592db5-adad-47a7-8502-1ab548c63c6d", "e57234ee-1d0d-425e-b6dd-7dbc5f6e6527", "70f55855-6f81-45a8-bd40-d8b60ae45b82" ] } ] } ] } ] }
- 移行の状態を追跡するには、次の API 呼び出しを行います。
POST https://<nsx-mgr>/api/v1/nvds-urt/status-summary/<precheck-id>
ホストが移行可能な状態になると、
precheck_status
はAPPLYING _TOPOLOGY
からUPGRADE_READY
に変わります。API パラメータの詳細については、『NSX-T Data Center API ガイド』を参照してください。
- vCenter Server で ESXi ホストをメンテナンス モードにします。
- N-VDS から VDS への移行を開始するには、次の API 呼び出しを行います。
POST https://<nsx-mgr>/api/v1/transport-nodes/<tn-id>?action=migrate_to_vds
ホストは非同期で移行されます。必要な一連のホストに API 呼び出しを実行することで、複数のトランスポート ノードを並行してアップグレードできます。移行プロセスでは、DRS などのサービスが想定どおり動作を継続します。
- 移行の状態を追跡するには、次の API 呼び出しを行います。
POST https://<nsx-mgr>/api/v1/nvds-urt/status-summary/<precheck-id>
移行が正常に完了すると、
host migration_state
がUPGRADE_IN_PROGRESS
からSUCCESS
に変わります。応答例:
{ "precheck_id": "c306e279-8b75-4160-919c-6c40030fb3d0", "precheck_status": "READY", "migration_state": [ { "host": "65592db5-adad-47a7-8502-1ab548c63c6d", "overall_state": "UPGRADE_READY" }, { "host": "e57234ee-1d0d-425e-b6dd-7dbc5f6e6527", "overall_state": "UPGRADE_READY" }, { "host": "70f55855-6f81-45a8-bd40-d8b60ae45b82", "overall_state": "SUCCESS" } ] }
障害が発生すると、
overall_state
がFAILED
に変わり、移行失敗の原因が示されます。migrate_to_vds
アクションを実行して、移行タスクを再度実行します。 - ステートレス ホストの場合:
- 移行済みのホストから新しいホスト プロファイルを抽出して、クラスタに適用します。
- クラスタ内の残りのホストを再起動します。
- ホストの移行準備ができていることを確認するには、次の API 呼び出しを行い、事前チェックを実行します。
- NSX Manager CLI から移行を実行します。
- ホストの移行準備ができていることを確認するには、次のコマンドを実行して事前チェックを実行します。
vds-migrate precheck
出力例:
Precheck Id: 0a26d126-7116-11e5-9d70-feff819cdc9f
- 構成に不整合がある場合は、それを解決して事前チェックを再度実行します。
- 推奨トポロジを取得するには、次のコマンドを実行します。
vds-migrate show-topology
出力例:
Precheck Id: 137d2a87-0544-4914-829d-d8b7e33b13f2 NVDS: nvds1(19cca902-9455-4316-92e2-65f4f5b4b138) Compute Manager Topology: [ { "compute_manager_id": "fd37ed6e-0eae-4d65-b29a-d40eee1d5d47", "dvswitch": [ { "transport_node_id": [ "4d011ade-a010-4eea-b45a-b2569c0bb9ad" ], "data_center_id": "datacenter-3", "vmknic": [], "vds_name": "VDS-nvds1-datacenter-3" } ] } ]
- 推奨トポロジを使用して VDS を作成するには、次のコマンドを実行します。
vds-migrate apply-topology
- vCenter Server にログインして、VDS が作成されていることを確認します。
- N-VDS から VDS への移行を開始するには、次のコマンドを実行します。
vds-migrate esxi-cluster-name <cluster-name>
出力例:
VDS Migration Done: 3 Transport-Nodes Migrate Successfully 0 Transport-Nodes Migrate Failed
トランスポート ノード ID を使用して移行を開始することもできます。
vds-migrate tn-list <file-path>
<file-path>
には、トランスポート ノード ID が含まれます。出力例:
nsx-manager-1> vds-migrate tn-list /opt/tnid VDS Migration Done: 3 Transport-Nodes Migrate Successfully 0 Transport-Nodes Migrate Failed
- ホストの移行準備ができていることを確認するには、次のコマンドを実行して事前チェックを実行します。
- NSX-T Data Center 3.1.1 以降では、NSX Manager を使用してホストで移行を準備してから、vSphere Update Manager を使用して、ホスト OS のアップグレードの一環として VDS に移行できます。
vSphere Update Manager を使用してホスト OS のアップグレードの一環としてホスト スイッチを移行するには、 vCenter Server 7.0.U2 が必要です。注: この移行をトリガするには、ESXi ホストを ESXi Update リリース間でアップグレードする必要があります。次はその例です。
- ESXi 7.0 から ESXi 7.0 U2 へのアップグレード:スイッチの移行をトリガできます。
- ESXi 7.0 U2 から ESXi 7.0 U2a へのアップグレード:アップグレードが同じ ESXi Update バージョン内であるため、スイッチの移行をトリガできません。
- ローカル admin ユーザーとして、NSX Manager (https://nsx-manager-ip-address/login.jsp?local=true) にログインします。
- の順に選択します。
- [開始する] をクリックして、ホストで N-VDS から VDS への移行を準備します。
- [事前チェック] をクリックして、ホストで移行の準備ができているかどうかを確認します。
- 構成に不整合がある場合は、それを解決して事前チェックを再度実行します。
- 推奨ネットワーク トポロジを確認します。
- [作成] をクリックし、vCenter Server で対応する VDS スイッチを作成して、選択したホストで移行を準備します。
- vCenter Server にログインし、vSphere Update Manager を使用して ESXi ホストをアップグレードします。ホスト OS のアップグレードが終了したら、スイッチの移行を完了します。
- [モニタリング] タブで、移行の進行状況をモニタリングします。
- 移行を実行するには、次の API 呼び出しを行います。
- 移行済みのホストのメンテナンス モードを終了します。vSphere Update Manager を使用して、ホストのアップグレードの一環としてホスト スイッチを移行する場合、この手順は必要ありません。