vCenter Server がある場合、手動で構成しなくてもすべての NSX-T Data Center ホストで、トランスポート ノードのインストールと作成を自動化できます。

このタスクは、個々の ESXi ノードをトランスポート ノードとして準備する場合にのみ行います。クラスタ内のすべてのホストがトランスポート ノードとして準備されるようにクラスタを準備する場合は、クラスタにトランスポート ノード プロファイルを適用します。トランスポート ノード プロファイルの追加 を参照してください。

前提条件

  • vCenter Server 内のすべてのホストがパワーオンされていることを確認します。
  • システム要件を満たしていることを確認します。システム要件を参照してください。
  • NSX Manager クラスタのすべてのノードで、リバース プロキシ サービスが稼動中になっている必要があります。

    確認するには、get service http を実行します。サービスが停止している場合は、各 NSX Manager ノードで restart service http を実行して、サービスを再起動します。サービスが停止している場合は、VMware サポートにお問い合わせください。

  • トランスポート ゾーンが使用可能であることを確認します。トランスポート ゾーンの作成 を参照してください。
  • トランスポート ノード プロファイルが構成されていることを確認します。トランスポート ノード プロファイルの追加 を参照してください。
  • (ロックダウン モードのホスト)vSphere ロックダウン モードの例外リストに期限切れのユーザー アカウントが含まれている場合、vSphereNSX-T Data Center をインストールできません。インストールを開始する前に、期限切れのユーザー アカウントをすべて削除してください。ロックダウン モードでアクセス権限を持つアカウントの詳細については、『vSphere セキュリティ ガイド』で「ロックダウン モードでのアクセス権を持つアカウントの指定」を参照してください。
  • クラスタで VMwarevSphere® Lifecycle Manager 有効になっている場合、次の制限が適用されます。
    • クラスタの一部である個々のホストをトランスポート ノードとして準備することはできません。スタンドアローンで準備されたホストをクラスタに含めることはできますが、このようなトランスポート ノードをクラスタに移動しないようにする必要があります。管理者がホストを修正すると、NSX-T VIB がトランスポート ノードから削除されるためです。『vSphereLifecycle Manager ガイド』を参照してください。
    • トランスポート ノード プロファイルをクラスタに適用して、クラスタ ホストをトランスポート ノードとして準備することはできません。

手順

  1. ブラウザから、NSX Manager (https://<nsx-manager-ip-address>) に管理者権限でログインします。
  2. [システム] > [ファブリック] > [ノード] > [ホスト トランスポート ノード] を選択します。
  3. [管理対象] ドロップダウン メニューから既存の vCenter Server を選択します。
    この画面には、選択した vCenter Server で使用可能な vSphere クラスタまたは ESXi ホストが表示されます。 ESXi ホストを表示するには、クラスタの展開が必要になることがあります。
  4. リストから 1 台のホストを選択し、[NSX の構成] をクリックします。
    [NSX の構成] ダイアログ ボックスが開きます。
    1. [ホストの詳細] パネルでホスト名を確認します。必要に応じて、説明を追加できます。
    2. [次へ] をクリックして、[NSX の構成] パネルに移動します。
    3. 使用可能なトランスポート ゾーンを選択し、[>] ボタンをクリックして、トランスポート ノード プロファイルにトランスポート ゾーンを含めます。
  5. [ホストの詳細] パネルでホスト名を確認し、[次へ] をクリックします。
    必要に応じて、説明を追加できます。
  6. [NSX の構成] パネルで、[ノード スイッチの作成] を展開します。
  7. [タイプ] フィールドで、トランスポート ノードを準備するホスト スイッチ タイプとして [N-VDS] または [VDS] を選択します。
  8. ワークロードの要件に応じて、[モード] フィールドで適切なモードを選択します。
    • [標準] モードはサポートされているすべてのホストに適用されます。これは、通常のワークロードで使用されます。
    • [拡張データパス] はネットワーク スタック モードで、トランスポート ゾーンに属することができる、 ESXi ホスト バージョン 6.7 以降のタイプのトランスポート ノードのみに適用されます。比較的高いスループットとパフォーマンスを必要とする通信事業のワークロードに使用されます。
  9. ホスト スイッチ タイプとして [N-VDS] を選択して、スイッチの詳細を入力します。次の手順に進み、ホスト スイッチとして [VDS] を選択します。
    オプション 説明
    名前

    N-VDS スイッチの名前を入力します。

    トランスポート ゾーン

    関連付けられているホスト スイッチで認識されているトランスポート ゾーンが表示されます。トランスポート ノード プロファイル内にある N-VDS で認識されていないトランスポート ゾーンは、追加できません。

    NIOC プロファイル ドロップダウン メニューから NIOC プロファイルを選択します。

    トラフィック リソース用にプロファイル内で指定した帯域幅の割り当てが適用されます。

    アップリンク プロファイル ドロップダウン メニューから既存のアップリンク プロファイルを選択するか、アップリンクのカスタム プロファイルを作成します。

    デフォルトのアップリンク プロファイルも使用できます。

    LLDP プロファイル デフォルトでは、NSX-T は LLDP ネイバーから LLDP パケットの受信のみを行います。

    ただし、LLDP パケットを LLDP ネイバーに送信し、LLDP ネイバーから LLDP パケットを受信するように NSX-T を設定できます。

    IP の割り当て [DHCP を使用][IP アドレス プールを使用]、または [静的 IP アドレスのリストを使用] を選択して、IP アドレスをトランスポート ノードの仮想トンネル エンドポイント (VTEP) に割り当てます。

    [静的 IP アドレスのリストを使用] を選択した場合は、IP アドレス、ゲートウェイ、およびサブネット マスクのコンマ区切りのリストを指定する必要があります。トランスポート ノードのすべての VTEP が同じサブネット内に配置されている必要があります。そうでない場合は、双方向フロー (BFD) セッションが確立されません。

    IP アドレス プール IP の割り当てに [IP アドレス プールを使用] を選択した場合は、IP アドレス プール名を指定します。
    物理 NIC

    トランスポート ノードに物理 NIC を追加します。デフォルトのアップリンクを使用することも、ドロップ ダウン メニューから既存のアップリンクを割り当てることもできます。

    [物理 NIC の追加] をクリックして、トランスポート ノードに追加の物理 NIC を構成します。

    注: このフィールドで追加した物理 NIC の移行は、 [物理 NIC のみの移行][インストール用のネットワーク マッピング]、および [アンインストール用のネットワーク マッピング] の構成方法によって決まります。
    • vSphere 標準スイッチまたは vSphere Distributed Switch を使用するなどの手段によって使用済みの物理 NIC を移行し、関連付けられた VMkernel マッピングを移行しないようにするには、[物理 NIC のみの移行] が有効になっていることを確認します。すでに使用されている場合、トランスポート ノードは [部分的成功] 状態になり、ファブリック ノードの LCP 接続の確立に失敗します。
    • 使用済みの物理 NIC を、関連付けられた VMkernel ネットワーク マッピングとともに移行するには、[物理 NIC のみの移行] を無効にして、VMkernel ネットワーク マッピングを構成します。

    • 空いている物理 NIC を移行するには、[物理 NIC のみの移行] を有効にします。

    物理 NIC のみの移行

    このフィールドを設定する前に、次の点を考慮してください。

    • 定義されている物理 NIC が使用済み NIC であるか、使用されていない NIC であるかを確認します。
    • ホストの VMkernel インターフェイスを物理 NIC とともに移行する必要があるかどうかを判断します。

    フィールドを次のように設定します。

    • VSS スイッチまたは VDS スイッチから N-VDS スイッチに物理 NIC のみを移行する場合は、[物理 NIC のみの移行] を有効にします。

    • 使用済みの物理 NIC と関連付けられた VMkernel インターフェイス マッピングを移行する場合は、[物理 NIC のみの移行] を無効にします。VMkernel インターフェイスの移行マッピングが指定されている場合は、使用されていない、または使用可能な物理 NIC が N-VDS スイッチに接続されます。

    複数のホスト スイッチを使用しているホストで、次の操作を実行します。
    • すべてのホスト スイッチで物理 NIC のみを移行する場合は、物理 NIC を 1 回の操作で移行できます。
    • VMkernel インターフェイスを移行するホスト スイッチと、物理 NIC のみを移行するホスト スイッチが混在している場合は、次の操作を実行します。
      1. 最初の操作で、物理 NIC のみを移行します。
      2. 次の操作で、VMkernel インターフェイスを移行します。[物理 NIC のみの移行] が無効になっていることを確認します。

    物理 NIC のみの移行と VMkernel インターフェイスの移行は、複数のホストで同時にサポートされません。

    注: 管理ネットワークの NIC を移行するには、関連付けられた VMkernel ネットワークのマッピングを構成し、 [物理 NIC のみの移行] を無効のままにします。管理 NIC のみを移行する場合、ホストの接続は切断されます。

    詳細については、VMkernel の N-VDS スイッチへの移行を参照してください。

    インストール用のネットワーク マッピング

    インストール中に VMkernel を N-VDS スイッチに移行するには、VMkernel を既存の論理スイッチにマッピングします。NSX Manager により、VMkernel が N-VDS 上のマッピングされた論理スイッチに移行されます。

    注意: 管理 NIC が接続されていた VLAN と同じ VLAN に論理スイッチが接続されていて、そこに管理 NIC および管理 VMkernel インターフェイスが移行されることを確認します。vmnic <n> および VMkernel <n> が異なる VLAN に移行された場合は、ホストとの接続が切断されます。
    注意: 固定された物理 NIC の場合は、物理 NIC から VMkernel インターフェイスへのホスト スイッチのマッピングが、トランスポート ノード プロファイルで指定されている構成と一致することを確認します。検証手順の一環として、 NSX-T Data Center はマッピングを検証します。検証が成功すると、VMkernel インターフェイスが正常に N-VDS スイッチに移行したことになります。VMkernel インターフェイスを N-VDS スイッチに移行すると、 NSX-T Data Center にホスト スイッチのマッピング構成が保存されなくなるため、アンインストール用のネットワーク マッピングも構成する必要があります。このマッピングが構成されていない場合は、VSS スイッチまたは VDS スイッチに移行し直した後に、vSAN などのサービスとの接続が切断されることがあります。

    詳細については、VMkernel の N-VDS スイッチへの移行を参照してください。

    アンインストール用のネットワーク マッピング

    アンインストール中に、N-VDS スイッチに接続された VMkernel の移行を元に戻すには、VSS または VDS のポート グループに VMkernel をマッピングして、VMkernel を移行し直す VSS または VDS 上のポート グループを NSX Manager が認識できるようにします。VDS スイッチの場合は、ポート グループのタイプが短期であることを確認します。

    アンインストール中に、vSphere Distributed Switch (VDS) に作成された NSX-T ポート グループに接続されている VMkernel の移行を元に戻すには、VSS または VDS のポート グループに VMkernel をマッピングして、VMkernel を移行し直す VSS または VDS 上のポート グループを NSX Manager が認識できるようにします。VDS スイッチの場合は、ポート グループのタイプが短期であることを確認します。

    注意: 固定された物理 NIC の場合は、物理 NIC から VMkernel インターフェイスへのトランスポート ノード プロファイルのマッピングが、ホスト スイッチで指定されている構成と一致することを確認します。VMkernel インターフェイスを N-VDS スイッチに移行すると、 NSX-T Data Center にホスト スイッチのマッピング構成が保存されなくなるため、アンインストール用のネットワーク マッピングを構成する必要があります。このマッピングが構成されていない場合は、VSS スイッチまたは VDS スイッチに移行し直した後に、vSAN などのサービスとの接続が切断されることがあります。

    詳細については、VMkernel の N-VDS スイッチへの移行を参照してください。

  10. ホスト スイッチ タイプとして [VDS] を選択して、スイッチの詳細を入力します。
    オプション 説明
    名前

    (vSphere クラスタによって管理されるホスト)ホスト スイッチを管理する vCenter Server を選択します。

    vCenter Server で作成された VDS を選択します。

    トランスポート ゾーン

    関連付けられているホスト スイッチで認識されているトランスポート ゾーンが表示されます。ホスト スイッチで認識されていないトランスポート ゾーンは追加できません。

    アップリンク プロファイル ドロップダウン メニューから既存のアップリンク プロファイルを選択するか、アップリンクのカスタム プロファイルを作成します。
    注: NSX-T Data Center アップリンク プロファイルと VDS スイッチに入力されている MTU 値が少なくとも 1600 に設定されていることを確認します。VDS スイッチの vCenter Server の MTU 値がアップリンク プロファイルに入力された MTU 値よりも低い場合、 NSX-T Data Center にエラーが表示され、 vCenter Server に適切な MTU 値を入力するように求められます。

    デフォルトのアップリンク プロファイルも使用できます。

    注: アップリンク プロファイルで定義されたリンク集約グループを VDS アップリンクにマッピングすることはできません。
    IP の割り当て [DHCP を使用][IP アドレス プールを使用]、または [静的 IP アドレスのリストを使用] を選択して、IP アドレスをトランスポート ノードの仮想トンネル エンドポイント (VTEP) に割り当てます。

    [静的 IP アドレスのリストを使用] を選択した場合は、IP アドレス、ゲートウェイ、およびサブネット マスクのコンマ区切りのリストを指定する必要があります。トランスポート ノードのすべての VTEP が同じサブネット内に配置されている必要があります。そうでない場合は、双方向フロー (BFD) セッションが確立されません。

    IP アドレス プール IP の割り当てに [IP アドレス プールを使用] を選択した場合は、IP アドレス プール名を指定します。
    チーミング ポリシー スイッチ マッピング

    NSX-T アップリンク プロファイルで定義されているアップリンクを VDS スイッチのアップリンクにマッピングします。または、VDS スイッチに構成されている LAG に NSX-T アップリンクをマッピングすることもできます。

    VDS スイッチのアップリンクを構成または表示するには、vCenter ServervSphere Distributed Switch の順に移動します。[アクション]、[設定]、[設定の編集] の順にクリックします。

    注: VDS スイッチの場合、アップリンク/LAG、NIOC プロファイル、LLDP プロファイルは vSphere ESXi ホストでのみ定義できます。これらの構成は NSX Manager で使用できません。また、ホスト スイッチが VDS スイッチの場合、インストールおよびアンインストールに使用するネットワーク マッピングを NSX Manager で構成することはできません。VDS スイッチの VMkernel アダプタを管理するには、 vCenter Server に移動し、VMkernel アダプタを分散仮想ポート グループまたは NSX ポート グループに接続します。
  11. 複数のトランスポート ゾーンを選択した場合は、[スイッチの追加] を再度クリックして、他のトランスポート ゾーンのスイッチを構成します。
  12. [終了] をクリックして、構成を完了します。
  13. (オプション) ESXi の接続状況を確認します。
    # esxcli network ip connection list | grep 1235
    tcp   0   0  192.168.210.53:20514  192.168.110.34:1234   [ESTABLISHED]  1000144459  newreno  nsx-proxy
    
  14. [ホスト トランスポート ノード] 画面で、クラスタ内のホストの NSX Manager 接続状態が「稼動中」、NSX-T Data Center の構成状態が「成功」であることを確認します。構成プロセスでは、各トランスポート ノードにインストール プロセスの進行状況がパーセンテージで表示されます。どのステージでもインストールに失敗した場合は、失敗したステージで使用可能な [解決] リンクをクリックすることで、プロセスを再開できます。
    トランスポート ゾーンがクラスタ内のホストに適用されていることも確認できます。
    注: トランスポート ノード プロファイルですでに準備されているクラスタのホストを再構成すると、ノードの状態が 設定が一致しません になります。
  15. (オプション) ホストの NSX-T Data Center VIB を削除します。
    1. 1 台以上のホストを選択して、[アクション] > [NSX の削除] の順にクリックします。
    アンインストールには最大で 3 分ほどかかります。 NSX-T Data Center をアンインストールすると、ホストのトランスポート ノードの構成が削除され、ホストはトランスポート ゾーンおよび N-VDS スイッチから接続解除されます。インストール プロセスと同様に、各トランスポート ノードで完了したアンインストール プロセスの割合を確認できます。どのステージでもアンインストールに失敗した場合は、失敗したステージで使用可能な [解決] リンクをクリックすることで、プロセスを再開できます。
  16. (オプション) トランスポート ゾーンからトランスポート ノードを削除します。
    1. 1 つのトランスポート ノードを選択して、[アクション] > [トランスポート ゾーンから削除] の順にクリックします。

次のタスク

ホストがトランスポート ノードの場合、 NSX Manager のユーザー インターフェイスまたは API を使用して、トランスポート ゾーン、論理スイッチ、論理ルーター、その他のネットワーク コンポーネントをいつでも作成できます。 NSX Edge ノードとホストを管理プレーンに追加するときに、 NSX-T Data Center の論理エンティティと構成状態が自動的に NSX Edge ノードとホストにプッシュされます。 NSX Manager ユーザー インターフェイスまたは API を使用して、トランスポート ゾーン、論理スイッチ、論理ルーター、その他のネットワーク コンポーネントをいつでも作成できます。ホストがトランスポート ノードの場合、これらのエンティティがホストで認識されます。

論理スイッチを作成して、論理ポートを割り当てます。『NSX-T Data Center 管理ガイド』の「高度なスイッチング」セクションを参照してください。