IPv4 ネットワークで同じマルチキャスト データが受信者グループに送信されるように、Tier-0 ゲートウェイでマルチキャストを構成できます。同様の構成を Tier-1 ゲートウェイでも行うことができます。マルチキャスト環境では、グループのメンバーかどうかに関係なく、任意のホストがグループにデータを送信できます。ただし、グループに送信されたパケットを受信できるのは、そのグループのメンバーだけです。

マルチキャスト機能には次の機能と制限があります。
  • IGMPv2 での PIM スパース モード。
  • NSX-T にランデブー ポイント (RP) またはブートストラップ ルーター (BSR) 機能はありません。ただし、RP 情報は PIM ブートストラップ メッセージ (BSM) で学習されます。また、複数の静的 RP を構成することもできます。

    スタティック RP を構成した場合、すべてのマルチキャスト グループ (224/4) の RP として機能します。同じグループ範囲に対して、BSM から学習された候補 RP が候補をアドバタイズする場合、スタティック RP が優先されます。ただし、特定のグループまたはグループの範囲に対して候補 RP が候補をアドバタイズする場合は、これらの候補がグループの RP として優先されます。

  • すべてのマルチキャスト固有の IP アドレス(データ トラフィックの送信者、BSR、RP)に対する Reverse Path Forwarding (RPF) チェックでは、それぞれにルートが存在している必要があります。
  • RPF チェックでは、ネクスト ホップとして IP アドレスを持つマルチキャスト固有の IP アドレスへのルートが必要です。ネクスト ホップがインターフェイス インデックスになるデバイス ルート経由の到達可能性はサポートされていません。
  • Tier-0 と Tier-1 の両方のゲートウェイがサポートされます。Tier-1 ゲートウェイでマルチキャストを有効にするには、Edge クラスタが選択され、Tier-1 ゲートウェイが、マルチキャストが有効になっている Tier-0 ゲートウェイにリンクされている必要があります。
  • Tier-0 ゲートウェイ上のすべてのアップリンクがサポートされます。
  • 連続していないグループ範囲を持つ複数の静的 RP がサポートされます。
  • アップリンク インターフェイスの IGMP ローカル グループがサポートされます。
  • PIM Hello 間隔とホールド タイムがサポートされます。
  • アクティブ/コールド スタンバイのみがサポートされます。
  • NSX Edge クラスタは、アクティブ/アクティブまたはアクティブ/スタンバイ モードにできます。クラスタがアクティブ/アクティブ モードの場合、2 つのクラスタ メンバーがアクティブ/コールド スタンバイ モードでマルチキャストを実行します。各 Edge で CLI コマンド get mcast high-availability role を実行して、マルチキャストに参加している 2 つのノードを識別できます。また、アクティブ/アクティブ クラスタ内の NSX-T へのユニキャストは ECMP 経由になるため、NSX-T に Join/Prune メッセージを送信するには、ノースバウンド PIM ルーターが PIM ネイバーに一致する ECMP パスを選択する必要があります。これにより、PIM が実行されているアクティブな Edge が選択されます。
  • East-West 方向のマルチキャスト レプリケーション:レプリケーションの効率を最大にするため、最大 4 つまでの VTEP セグメント。
  • ESXi ホストと NSX Edge のみ(KVM はサポートされません)。
  • ダウンリンク セグメントに接続されたレイヤー 2 ブリッジはサポートされません。
  • マルチキャストで Edge ファイアウォール サービスはサポートされません。分散ファイアウォールがサポートされます。
  • マルチサイト(NSX フェデレーション)はサポートされません。
  • マルチ VRF はサポートされません。

マルチキャスト構成の前提条件

アンダーレイ ネットワークの構成:
  • ネットワーク管理者からマルチキャスト アドレス範囲を取得します。これは、Tier-0 ゲートウェイでマルチキャストを構成するときにマルチキャスト レプリケーション範囲の構成で使用します(マルチキャストの構成を参照)。
  • GENEVE に参加しているトランスポート ノードが接続しているレイヤー 2 スイッチで IGMP スヌーピングを有効にします。IGMP スヌーピングがレイヤー 2 で有効になっている場合は、マルチキャスト対応のネットワークと接続しているルーターまたはレイヤー 3 スイッチ上で IGMP クエリアを有効にする必要があります。

マルチキャストの構成手順

  1. IGMP プロファイルを作成します。IGMP プロファイルの作成 を参照してください。
  2. 必要であれば、PIM プロファイルを作成して、静的ランデブーポイント (RP) を構成します。PIM プロファイルの作成 を参照してください。
  3. マルチキャストをサポートするように Tier-0 ゲートウェイを構成します。Tier-0 ゲートウェイの追加およびマルチキャストの構成を参照してください。
  4. オプションで、マルチキャストをサポートするように Tier-1 ゲートウェイを構成します。Tier-1 ゲートウェイの追加 を参照してください。