Migration Coordinator では、すべてを移行するエンドツーエンドの移行方法を採用しています。組織によっては、この方法が適切でない場合があります。
リフトアンドシフト移行では、既存の NSX Data Center for vSphere インフラストラクチャと並行して新しい NSX-T Data Center インフラストラクチャを導入します。管理クラスタや Edge クラスタなど、一部のコンポーネントは共有することができます。ただし、ワークロードを実行するコンピュート クラスタには、個別のハードウェア ( ESXi サーバ) を用意する必要があります。このアプローチでは、個々のテナントとワークロードの要件に基づいて移行を計画し、1 つずつ移行することができます。
たとえば、組織でサーバ ハードウェアの更新を計画しているとします。この更新サイクルで、最新の NSX-T Data Center プラットフォームへの切り替え行います。組織では、部分的な移行またはモジュールごとの移行を行い、NSX-T Data Center 環境で新しいネットワーク トポロジーを構成できる柔軟性を維持することを計画しています。
この場合、同じトポロジの別のハードウェアに新しい NSX-T Data Center 環境を展開することも、新しいトポロジを定義することもできます。新しい NSX-T 環境を展開し、構成している間、既存の NSX-v 環境は並行して実行されます。
その後、NSX-v 論理構成の特定の部分を段階的に移行できます。また、必要に応じて、宛先の NSX-T 環境でいくつかの構成を手動で作成することもできます。新しい NSX-T 環境に切り替える準備ができたら、レイヤー 2 ブリッジを使用して両方の環境間にネットワークを論理的に拡張し、ワークロードを NSX-T に移行できます。たとえば、一度に 1 つのネットワークをブリッジすることで、ワークロードを NSX-v から NSX-T に段階的に移行できます。すべてのワークロードが新しい NSX-T 環境に移行されたら、ブリッジを削除し、古いハードウェアを廃止できます。
部分的な移行を行うことで、NSX-T への移行を管理しやすい短いタイムフレームに分けて計画することができます。
例:部分移行
- 新しい NSX-T Data Center 環境を別のハードウェアに展開します。
NSX-v 環境と NSX-T Data Center 環境のコンピュート クラスタは、同じホスト上に共存できないため、別のものにする必要があります。管理クラスタと Edge クラスタは両方の環境で共有可能です。
- NSX-T ネットワーク トポロジーを作成し、必要なネットワーク サービスを構成します。
- NSX-v の論理スイッチを NSX-T のオーバーレイ セグメントに拡張するように NSX-T Edge ブリッジを構成します。
- Migration Coordinator を使用して、分散ファイアウォール構成を移行します。
- デフォルト ゲートウェイを NSX-T Data Center 環境に切り替えます。
- NSX-T Edge ブリッジと vSphere vMotion を使用して、ワークロード仮想マシンを NSX-T のオーバーレイ セグメントに移行します。
- NSX-T のワークロード仮想マシンにセキュリティ タグを移行します。