NSX-V 環境のクラスタは、[ホストの移行] ページに表示されます。クラスタは移行グループに配置され、各移行グループには 1 つの vSphere ホスト クラスタが含まれます。ホストの移行方法を制御する設定がいくつかあります。
- [設定] をクリックして、グローバル設定の [グループ間の一時停止] と [グループ間の移行順序] を変更します。
- 1 つのホスト グループ(クラスタ)を選択し、矢印を使用して移行順序を上または下に移動します。
- 1 つ以上のホスト グループ(クラスタ)を選択して [アクション] をクリックし、ホスト グループ設定の [グループ内での移行順序]、[移行状態]、[移行モード] を変更します。
グループ間の一時停止
複数のホスト グループを移行する場合は、[グループ間の一時停止] 設定を有効にして、グループ間の移行を一時停止できます。ホスト グループを移行した後、次のホスト グループを移行するには、[続行] をクリックする必要があります。この設定はデフォルトで無効になっています。次のクラスタに進む前に、各クラスタで実行されているアプリケーションの状態を確認する場合は、この機能を有効にできます。
次のホスト間で一時停止:
NSX-T 3.2.2 以降では、[次のホスト間で一時停止] 設定を有効にして、グループ内のホストの移行を一時停止できます。ホストを移行した後、次のホスト グループを移行するには、[続行] をクリックする必要があります。この機能を使用すると、続行する前に、移行されたホストを確認できます。この設定は、移行順序が [連続] の場合にのみ使用できます。この設定は、ホストの移行を開始する前、またはホストの移行が一時停止している場合に変更できます。ホストの移行中は設定を変更できません。この設定はデフォルトで無効になっています。この設定を変更するには、グループを選択します。 をクリックします。[連続] で、[次のホスト間で一時停止] トグルをクリックします。
移行順序のモード(連続または並行)
-
[グループ間の移行順序] は、すべてのホスト グループに適用されるグローバル設定です。
- [連続]:ホスト グループ(クラスタ)が 1 つずつ移行されます。
- [並行]:最大 5 個までのホスト グループが同時に移行されます。この 5 個のホスト グループが移行されると、次のホスト グループ(最大 5 個まで)が移行されます。
重要:
NSX-V 6.4.4、6.4.5、または 6.4.6 から移行するときに、環境で vSphere Distributed Switch 7.0 以降を使用している場合は、グループ間の移行順序に並行を選択しないでください。
NSX-V 6.4.8 以降から移行するときに、環境で vSphere Distributed Switch 7.0 以降を使用している場合は、グループ間の移行順序に並行を使用できます。
-
[グループ内の移行順序] は、ホスト グループ(クラスタ)固有の設定で、ホスト グループごとに個別に構成できます。
- [連続]:ホスト グループ(クラスタ)内のホストが 1 台ずつ移行されます。
- [並行]:ホスト グループ内で最大 5 台までのホストが同時に移行されます。これらのホストが移行されると、次のホスト(最大 5 台まで)が移行されます。
重要: クラスタで [メンテナンス] 移行モードを使用する予定がある場合は、クラスタのグループ内で並行移行の順序を選択しないでください。
デフォルトでは、両方の設定が [連続] に設定されています。これらの設定により、一度に移行されるホストの数が決まります。
グループ間の移行順序(クラスタ) | グループ内の移行順序(クラスタ) | 同時に移行されるホストの最大数 |
---|---|---|
連続 | 連続 | 1 1 つのホスト グループで 1 台のホスト |
連続 | 並行 | 5 1 つのホスト グループで 5 台のホスト |
並行 | 連続 | 5 5 つのホスト グループで 1 台のホスト |
並行 | 並行 | 25 5 つのホスト グループで 5 台のホスト |
ホストの移行に失敗した場合、進行中のホストの移行がすべて完了した後に、移行プロセスが一時停止します。グループ間の移行とグループ内の移行の両方で [並行] を選択している場合、失敗したホストの移行を再試行できるまでに時間がかかることがあります。
移行グループの順序
1 つのホスト グループ(クラスタ)を選択し、矢印を使用してグループ リスト内で上または下に移動できます。
1 台のホストで移行に失敗した場合、そのホスト グループをグループ リストの最後に移動できます。これにより、失敗したホストの問題を解決している間に、他のホスト グループの移行を続けることができます。
移行状態
ホスト グループ(クラスタ)は、次のいずれかの移行状態になります。
- [有効]
[ホストの移行] ページで [開始] をクリックすると、移行状態が [有効] のホスト グループが NSX-T に移行されます。
- [無効]
グループの移行状態を [無効] に設定することで、ホスト グループを一時的に移行から除外できます。[ホストの移行] 画面で [開始] をクリックすると、無効状態のグループのホストは NSX-T に移行されません。ただし、[終了] をクリックする前に、[無効] のホスト グループをすべて有効にして移行する必要があります。同じメンテナンス ウィンドウ中にすべてのホスト移行タスクを終了し、[終了] をクリックします。
[構成の解決] 手順で、移行対象外のホストが特定されます。[ホストの移行] 手順で、移行状態が [移行しない] に設定されます。たとえば、NSX-V がインストールされていないホストは移行対象になりません。
移行モード
[移行モード] は、ホスト グループ(クラスタ)固有の設定で、ホスト グループごとに個別に構成できます。[ ホストの移行] 手順で、[インプレース] モードを使用するか、[メンテナンス] モードを使用するかを選択します。
- 自動化
- 手動
メンテナンス移行モード(手動または自動)を選択する場合は、クラスタに追加する前に、すべての新しいホストをメンテナンス モードにする必要があります。
NSX-V 環境で vSphere Distributed Switch 7.0 以降を使用している場合、[インプレース]移行モードはサポートされません。
環境で分散ファイアウォールを使用している場合は、移行モードに [自動メンテナンス] を選択します。別の移行モードを選択した場合、分散ファイアウォールを使用する環境に次の制限が適用されます。
- 移行モードが [手動メンテナンス] の場合、すべての仮想マシンを NSX-T ホストに移動して NSX-T セグメントに接続し、最後の NSX-V ホストの移行が開始する前にパワーオン状態にする必要があります。最後の NSX-V ホストを移行するときに、ホスト上の仮想マシンをパワーオフしないでください。これらを vMotion で NSX-T ホストに移動します。
- 移行モードが [手動メンテナンス] の場合、仮想マシンが NSX-T ホストに移行してからファイアウォールで保護されるまで最大で 5 分ほどかかります。
-
移行モードが [インプレース] で、仮想マシンに適用されている分散ファイアウォール ルールがある場合、ホストとそのすべての仮想マシンが移行されるまで、これらのルールはホストにプッシュされません。ルールがホストにプッシュされるまで、次の状態になります。
- NSX-T のデフォルト ルールが
deny
の場合、仮想マシンにアクセスできません。 - NSX-T のデフォルト ルールが
accept
の場合、仮想マシンは適用先ルールで保護されません。
- NSX-T のデフォルト ルールが
-
移行モードが[インプレース]の場合
仮想マシンがホスト上で実行されているときに、NSX-T がインストールされ、NSX コンポーネントが移行されます。移行中、ホストはメンテナンス モードに切り替わりません。移行中に仮想マシンでネットワーク接続が短時間切断され、ネットワーク ストレージの I/O が停止します。
-
移行モードが[自動メンテナンス]の場合
メンテナンス モードに切り替わるタスクが自動的にキューに入ります。仮想マシンは、vMotion を使用して別のホストに移動されます。可用性とキャパシティに応じて、仮想マシンは NSX-V または NSX-T ホストに移行されます。ホストが退避されると、ホストはメンテナンス モードに切り替わり、NSX-T がインストールされ、NSX コンポーネントが移行されます。仮想マシンは、新しく構成された NSX-T ホストに移行されます。パワーオフ状態の仮想マシンは再構成されないことに注意してください。移行後、これらの仮想マシンをパワーオンする前に、仮想マシンの構成を手動で行う必要があります。
7.0 以降の VDS に参加する NSX-V ホストを移行する場合、移行ツールは VDS ごとに異なる VLAN トランスポート ゾーンを使用または作成します。各 VDS の VLAN DVPG は、VDS 独自の VLAN トランスポート ゾーン内の同じ VLAN を持つ VLAN セグメントに移行されます。同じ VLAN の VLAN セグメントは、ポリシー パスが異なるため、同じネットワークとは見なされません。DRS は、同じ VLAN の 2 つの VLAN セグメントを同じネットワークまたは互換性のあるネットワークと見なさないため、ホスト間で仮想マシンの vMotion を実行するときに、DRS は VDS の DVPG を別の VDS の VLAN トランスポート ゾーンの VLAN セグメントにマッピングしません。クラスタ内の 2 台のホストがそれぞれ異なる VDS に参加している場合、DRS は、1 台のホストの仮想マシンに vMotion を実行するときに、もう 1 台のホストをターゲット ホストとして選択しません。
-
移行モードが[手動メンテナンス]の場合
メンテナンス モードに切り替わるタスクが自動的にキューに入ります。ホストをメンテナンス モードに切り替えるには、次のいずれかのタスクを実行します。- ホスト上のすべての仮想マシンをパワーオフする
- vMotion またはコールド移行を使用して、仮想マシンを別のホストに移動します。
ホストがメンテナンス モードになると、ホストに NSX-T がインストールされ、NSX コンポーネントが移行されます。ホストが移行されたら、パワーオフ状態の仮想マシンと移動した仮想マシンのネットワーク接続を NSX-V 論理スイッチから NSX-T セグメントに変更する必要があります。
NSX-V 環境で、ESXi ホストの vmk0 管理インターフェイスが、アップリンクのない VSS (vSphere 標準スイッチ) ポートグループに接続され、ポートグループが VDS ポートグループにブリッジされ、VDS バージョンが 6.5、6.6、または 6.7 の場合、[メンテナンス] モードで移行する必要があります。[インプレース] モードを使用すると、移行は失敗します。