NSX-V ロード バランサを NSX-T Advanced Load Balancer (ALB) に移行できます。

ALB に移行するには、NSX Manager から [システム] > [移行] 画面に移動し、[NSX for vSphere の移行][ユーザー定義のトポロジ] および [構成の移行] を選択します。これは、NSX-V ロード バランサを ALB に移行する唯一の方法です。他のすべての移行モードでは、NSX-V ロード バランサが NSX-T ロード バランサに移行されます。単一サイトの展開のみがサポートされています。

移行前のタスク

移行の前に、次のタスクを実行して、 NSX-T で ALB を設定します。
  • NSX Manager ユーザー インターフェイスから Avi Controller を展開します([システム] > [アプライアンス] に移動)。詳細については、『NSX-T Data Center インストール ガイド』のNSX Advanced Load Balancer アプライアンス クラスタのインストールのトピックを参照してください。
  • Avi Controller の構成:
    • ライセンス モードを設定し、クロス起動ユーザー インターフェイスを使用して Avi Controller に必要な Avi ライセンスをアップロードします。
    • NSX-T で、対応するトランスポート ゾーンのクラウド構成を行います。
    • サービス エンジン (SE) の管理ネットワークがコントローラ IP に接続されていることを確認します。
    • ポート 22、443、8443、および 123 が SE からコントローラにアクセスできることを確認します。

サポートされているトポロジ

VLAN またはオーバーレイに展開されたロード バランサを移行できます。次の展開タイプがサポートされています。

オーバーレイ:
  • 透過モードを使用しないインライン ロード バランサ
  • 単一の論理インターフェイス (LIF) を備えたワンアーム ロード バランサ
  • 2 つの LIF にまたがるワンアーム ロード バランサ
  • ワンアーム ロード バランサを備えたインライン ロード バランサ
VLAN:
  • ワンアーム ロード バランサ
  • 透過モードを使用しないインライン ロード バランサ
  • ネストされたインライン ロード バランサ

次の図は、移行前(左側)と後(右側)のトポロジを示しています。図で、C はクライアント仮想マシン、S はサーバ仮想マシン、E は Edge Services Gateway です。

オーバーレイ トポロジ:

トポロジ 1:左側:透過モードを使用しない NSX-V インライン LB。右側:NSX-T シングルアーム ALB。ALB トポロジ 1

トポロジ 2:左側:NSX-V シングルアーム LB。右側:NSX-T シングルアーム ALB。ALB トポロジ 2

トポロジ 3:左側:NSX-V。2 つの LIF (1、2) 間の 2 つのシングルアーム LB から 1 つの LIF (1)。右側:異なる LIF 間での NSX-T シングルアーム ALB(1、2)。ALB トポロジ 3

トポロジ 4:左側:シングルアーム LB を備えた NSX-V インライン LB。右側:シングルアーム LB を備えた NSX-T インライン ALB。ALB トポロジ 4

VLAN トポロジ:

トポロジ 5:左側:NSX-V シングルアーム LB。右側:NSX-T シングルアーム ALB。ALB トポロジ 5

トポロジ 6:左側:透過モードの NSX-V インライン LB。右側:透過モードの NSX-T インライン ALB。ALB トポロジ 6

トポロジ 7:左側:NSX-V インライン ネットワーク LB。右側:ネストされた NSX-T インライン ALB。ALB トポロジ 7

ALB マッピング ファイル

移行では、Edge Services Gateway (ESG) を SE グループにマッピングする方法を指定する JSON 形式のマッピング ファイルを準備できます。マッピング ファイルの指定はオプションです。指定しない場合は、必要な情報の入力を求められます。オーバーレイ トポロジのマッピング ファイルの例を次に示します。
{
  "alb": {
    "service_engine_group_per_esg": false,
    "esgs": [
      {
        "name": "edge-4",
        "interfaces": [
          {
            "name": "mgmt",
            "tier1_id": "London_Tier1Gateway1"
          },
          {
            "name": "vnic1",
            "placement_network_subnet": "172.16.1.10/16",
            "service_engine_group": "Test-SE-group"
          }
        ]
      }
    ]
  }
}

マッピング ファイルで次のフィールドを指定できます。

フィールド 説明
alb 最上位レベルのタイトル
service_engine_group_per_esg
  • 指定しない場合、SE グループの処理に必要であれば、ベーシック ライセンスを使用してデフォルトの SE グループのクローンが作成されます。エンタープライズ ライセンスでは、すべての ESG がデフォルトの SE グループにマッピングされます。
  • false に設定されている場合、そのインターフェイスに属する仮想サービスに使用される service_engine_group を指定する必要があります。
  • true に設定すると、すべての ESG に対して SE グループが作成されます。
esgs 環境内の ESG のリスト。
name ESG の名前。
default_tier1_id 設定されている場合、ESG のすべてのオーバーレイ インターフェイスがこの Tie-1 ゲートウェイにマッピングされます。
interfaces ESG のインターフェイスのリスト。
interfaces.name インターフェイスの名前。
interfaces.tier1_id
  • インターフェイスに接続されているすべての仮想サービスは、この Tier-1 ゲートウェイにマッピングされます。
  • この設定はオーバーレイ仮想サービス用です。
  • この設定は、default_tier1_id 値をオーバーライドします。
interfaces.placement_network_subnet
  • Avi Controller のクラウド ネットワークで構成されるサブネットを指定します。
  • この設定は VLAN 仮想サービス用です。
interfaces.service_engine_group
  • インターフェイスに接続されている仮想サービスの SE グループを指定します。
  • この設定は、他の SE グループ設定よりも優先されます。

フィードバックを生成する一般的な問題

移行ウィザードは環境を確認し、移行を続行する前に解決する必要がある問題についてフィードバックを提供します。次の表に、問題と実行できるアクションを示します。

問題 アクション
構成がない 構成を更新 Avi Controller にクラウド構成がない
サポートされていないオブジェクト スキップ MSSQL モニター
サポートされていない構成 部分的に移行 透過モードはスキップされますが、仮想サービスは移行されます。
マッピング ファイルに情報がない 入力を提供 Tier-1 またはセグメント マッピングがない
孤立したオブジェクト スキップ プールが仮想サービスで参照されていない
レイヤー 2 の依存関係 スキップ 対応するセグメントが移行されていない場合、仮想サービスはスキップされる

移行ウィザードには、移行を妨げない条件に関する情報メッセージも表示されます。たとえば、環境にベーシック ライセンスがある場合、エンタープライズ ライセンスを推奨するメッセージが表示されます。

Tier-1/セグメント マッピング

オーバーレイ トポロジの場合:
  • シングルアーム ロード バランサのみがサポートされます。
  • マッピング ファイルの "esgs" セクションでマッピングを指定します。
  • すべての仮想サービスとそのプールは、マッピング ファイルで指定された Tier-1 に移行されます。
VLAN トポロジの場合:
  • シングル ロード バランサとインライン ロード バランサの両方がサポートされます。
  • 仮想サービスの VLAN セグメントは、対応する仮想サービスの移行されたインターフェイスから取得されます。
  • プールの場合、移行ウィザードは VLAN セグメント マッピングに関するフィードバックを提供します。

サービス エンジン (SE) グループ マッピング

デフォルトのマッピング:
  • ベーシック ライセンス
    • アクティブ/スタンバイ モードでのみサポートされます。
    • 10 番目の vNIC インターフェイスごとに、新しい SE グループのクローンが作成されます。
    • SE グループあたりの仮想サービス数が構成された制限を超えると、新しい SE グループのクローンが作成されます。
  • Advanced ライセンス
    • デフォルトの SE グループへのマッピング
マッピング ファイルで、次のように指定してデフォルトをオーバーライドできます。
  • パラメータ "service_engine_group_per_esg"true または false に設定します。
  • "service_engine_group_per_esg" パラメータをオーバーライドする特定の ESG マッピングを指定します。
次の点に注意してください。
  • 同じ VIP を共有するすべての仮想サービスは、同じ SE グループにマッピングされます。
  • 共有仮想サービスの数が SE グループあたりの仮想サービス数よりも多い場合は、問題を解決するためのフィードバックが生成されます。