ホストのアップグレード手順をカスタマイズすることができます。アップグレードで特定のホストを無効にしたり、アップグレード プロセスの各段階でアップグレードを一時停止したりできます。

デフォルトでは、既存のすべてのスタンドアローン ESXi ホスト、 ESXi の管理対象 vCenter Server ホスト、KVM ホスト、ベアメタル サーバが個別のホスト アップグレード ユニット グループにグループ化されます。

ホストをアップグレードする前に、ホストを並行モードでアップデートするのか、連続モードでアップデートするのかを選択できます。同時アップグレードの上限は、ホスト アップグレード ユニット グループ数が 5、グループあたりのホスト数が 5 です。

注: 同じ vCenter Server クラスタに属しているホストを含むホスト アップグレード ユニット グループは、連続してアップグレードできます。

アップグレードの前に、ホストのアップグレード手順をカスタマイズできます。ホスト アップグレード ユニット グループを編集して、すぐにアップグレードするホスト アップグレード ユニット グループと、後でアップグレードするホスト アップグレード ユニット グループにホストを振り分けて移動することができます。頻繁に使用するホストがある場合は、ホスト アップグレード ユニット グループ内のホストのアップグレード手順の順序を変更して、そのホストが最初にアップグレードされるようにするとともに、使用頻度の一番低いホストが最後にアップグレードされるようにすることができます。

注: ベアメタル サーバは、KVM ホストをアップグレードする場合と同じ手順でアップグレードできます。

前提条件

  • 無効になっている DRS クラスタの ESXi ホストまたはスタンドアローンの ESXi ホストがメンテナンス モードになっていることを確認します。

    完全に有効になっている DRS クラスタの ESXi ホストがメンテナンス モードになっていない場合、Upgrade Coordinator がホストにメンテナンス モードへの切り替えを要求します。アップグレード時に、vSphere DRS は仮想マシンを同じクラスタ内の別のホストに移行し、ホストをメンテナンス モードに切り換えます。

  • ESXi ホストにインプレース アップグレードを行う場合は、テナント仮想マシンをパワーオフする必要はありません。
  • KVM ホストにインプレース アップグレードを行う場合は、仮想マシンをパワーオフする必要はありません。メンテナンス モードでアップグレードする場合は、仮想マシンをパワーオフします。
  • トランスポート ゾーンまたはトランスポート ノードの N-VDS 名にスペースが含まれていないことを確認します。

    スペースが含まれている場合は、N-VDS 名にスペースを含めずにトランスポート ゾーンを作成します。古いトランスポート ゾーンに関連付けられたすべてのコンポーネントを再構成して新しいトランスポート ゾーンを使用し、古いトランスポート ゾーンを削除する必要があります。

  • インプレース アップグレード モードを使用する前に、vSAN 環境が正常な状態であることを確認します。

vSphere リソース管理』の「ホストをメンテナンス モードに切り替える」を参照してください。

手順

  1. ホスト アップグレード プランの詳細を入力します。
    全体的なアップグレード順序を構成し、先にアップグレードするホスト アップグレード ユニット グループを指定できます。
    オプション 説明
    連続

    すべてのホスト アップグレード ユニット グループを連続してアップグレードします。

    このメニュー項目はデフォルトで選択され、アップグレード順序全体に適用されます。この選択は、ホスト コンポーネントを段階的にアップグレードする場合に便利です。

    たとえば、全体的なアップグレードが連続モードに設定され、ホスト アップグレード ユニット グループのアップグレードが並行モードに設定されている場合、ホスト アップグレード ユニット グループは 1 つずつアップグレードされます。グループ内のホストは同時に更新されます。

    並行

    すべてのホスト アップグレード ユニット グループを同時にアップグレードします。

    最大で 5 台のホストを同時にアップグレードできます。

    アップグレード ユニットがアップグレードに失敗した場合

    ホストのアップグレードに失敗した場合に、アップグレード プロセスを一時停止します。

    これにより、ホスト アップグレード ユニット グループのエラーを修正してからアップグレードを再開できます。

    各グループのアップグレード完了後

    ホスト アップグレード ユニット グループのアップグレードが完了するたびにアップグレード プロセスを一時停止します。

  2. (オプション) ホスト アップグレード ユニット グループのアップグレード順序を変更します。
    全体のアップグレードに連続した順序を構成すると、ホスト アップグレード ユニット グループのアップグレードが完了してから次のホスト アップグレード ユニット グループのアップグレードに進みます。ホスト アップグレード ユニット グループのアップグレードの順序を変更して、先にアップグレードするホスト アップグレード ユニット グループを指定できます。
    1. ホスト アップグレード ユニット グループを選択し、[アクション] タブをクリックします。
    2. ドロップダウン メニューから [順序の変更] を選択します。
    3. ドロップダウン メニューから [前] または [後] を選択します。
  3. (オプション) アップグレード対象からホスト アップグレード ユニット グループを削除します。
    1. ホスト アップグレード ユニット グループを選択し、[アクション] タブをクリックします。
    2. ドロップダウン メニューから [状態の変更] を選択します。
    3. [無効] を選択して、ホスト アップグレード ユニット グループを削除します。
  4. (オプション) ホスト アップグレード ユニット グループのアップグレード手順を変更します。
    デフォルトでは、アップグレード順序は並行に設定されています。
    1. ホスト アップグレード ユニット グループを選択し、[アクション] タブをクリックします。
    2. ドロップダウン メニューから [アップグレード順序の変更] を選択します。
    3. アップグレード手順を変更するには、[連続] を選択します。
  5. (オプション) ホスト アップグレード ユニット グループのアップグレード モードを変更します。
    • [メンテナンス] モードを選択します。

      スタンドアローンの ESXi ホストまたは無効になっている DRS クラスタの ESXi ホストの場合、ホストをメンテナンス モードにします。

      KVM ホストの場合は、仮想マシンをパワーオフします。

      完全に有効になっている DRS クラスタの ESXi ホストがメンテナンス モードになっていない場合、Upgrade Coordinator がホストにメンテナンス モードへの切り替えを要求します。アップグレード時に、vSphere DRS は仮想マシンを同じクラスタ内の別のホストに移行し、ホストをメンテナンス モードに切り換えます。

    • アップグレード前にホストがパワーオフされて、メンテナンス モードになるのを回避するには、[インプレース] モードを選択します。

      スタンドアローンの ESXi ホストまたは無効になっている DRS クラスタの ESXi ホストの場合、ホストをメンテナンス モードに切り換える必要はありません。

      KVM ホストの場合は、仮想マシンをパワーオフする必要はありません。

      完全に有効になっている DRS クラスタを構成する ESXi ホストの場合、ホストをメンテナンス モードに切り換える必要はありません。

      注: アップグレード中に、ホストでは、ワークロード トラフィックでパケット ドロップが発生する可能性があります。
    • (オプション) API 呼び出し PUT https://<nsx-manager>/api/v1/upgrade/upgrade-unit-groups/<group-id> を使用して、Upgrade Coordinator を有効にし、 ESXi ホストを再起動します。

      rebootless_upgrade:true パラメータは、 ESXi ホストのアップグレード後にホストが再起動されていないことを示します。

      デフォルトでは、Upgrade Coordinator は ESXi ホストを再起動しません。このモードは、トラブルシューティングを行う際に使用されます。

    • (オプション) API 呼び出し PUT https://<nsx-manager>/api/v1/upgrade/upgrade-unit-groups/<group-id> を使用し、vSAN が構成された DRS クラスタの一部である vCenter Server 管理 ESXi ホストをアップグレードします。

      ensure_object_accessibility パラメータを使用するには、DRS クラスタに含まれている vCenter Server の管理対象 ESXi ホストがアップグレードのためにメンテナンス モードになっており、vSAN がデータのアクセシビリティを制御していることを前提とする必要があります。

      evacuate_all_data パラメータを使用するには、DRS クラスタに含まれる vCenter Server の管理対象 ESXi ホストが、アップグレードのためにメンテナンス モードになっている間に、DRS クラスタに含まれる別の管理対象 ESXi ホストに送信するすべてのデータを vSAN が取得する必要があります。

      no_action パラメータを使用するには、DRS クラスタに含まれている vCenter Server の管理対象 ESXi ホストがアップグレードのためにメンテナンス モードになっており、vSAN がアクションを実行しないことが必要になります。

      パラメータの詳細については、『NSX-T Data Center REST API ガイド』の「アップグレード ユニット グループの更新」を参照してください。

  6. NSX-T Data Center 3.1.1 以降では、vSphere Lifecycle Manager が有効になっているクラスタで、次のいずれかのオプションを選択します。
    • [NSX のみのアップグレード]NSX-T Data Center のみをアップグレードする場合は、このオプションを使用します。Upgrade Coordinator は、ホストの修正を含むアップグレード プロセス全体を実行します。
    • [vSphere Lifecycle Manager のステージ] ESXi ホストおよびその他のソリューションとともに NSX-T Data Center をアップグレードする場合は、このオプションを使用します。vSphere Lifecycle Manager を使用してホストを修正する必要があります。修正後は、Upgrade Coordinator からアップグレードをモニターできます。
  7. アップグレードのカスタム プランを破棄し、デフォルトの状態に戻すには、[リセット] をクリックします。
    注意: 前のアップグレード構成をリストアすることはできません。

    アップグレード中に新しいホスト トランスポート ノードを登録する場合は、[リセット] をクリックして、最近追加したホストの状態を確認し、アップグレード プロセスを続行する必要があります。

次のタスク

ホスト アップグレード ユニット グループを追加、編集、削除するのか、ホスト アップグレード ユニット グループをアップグレードするのかを決定します。ホスト アップグレード ユニット グループの管理またはホストのアップグレードを参照してください。