パケットのパスを調べるには、トレースフローを使用します。トレースフローはパケットのトランスポート ノードレベルのパスをトレースします。トレース パケットはセグメント オーバーレイを横断しますが、セグメントに接続されたインターフェイスでは確認できません。すなわちパケットは、実際にはテスト パケットで意図された受信者に配信されません。

VLAN でバッキングされたセグメントの場合、PUT /api/v1/infra/ops-global-config API を呼び出してインバンド ネットワーク テレメトリ (INT) を有効にします。

要求の例:

URL:

PUT https:/{{nsx-manager-ip}}/policy/api/v1/infra/ops-global-config

本文

{
 "display_name": "ops-global-config",
 "in_band_network_telementry": {
 "dscp_value": 57,
 "indicator_type": "DSCP_VALUE"
 },
"path": "/infra/ops-global-config",
"relative_path": "ops-global-config",
 "_revision": 0
}

トレースフロー要求がすでに進行中の場合は、INT を構成できません。インバンド ネットワーク テレメトリ API の詳細については、『NSX API ガイド』を参照してください。VLAN トレースフローは TCP/UDP および ICMP パケットのみをサポートします。

Edge ノードでは、VLAN トレーシングはサポートされません。Edge ノードにトレース パケットを挿入しようとすると、API 検証エラーが発生します。VLAN トレースフローの場合、挿入されたトレース パケットが Edge ノードを移動すると、結果のトレースは不完全になり、ESX ノードの観測のみが表示されます。

4.0 以降では、パケットが処理されたときに IPsec VPN 固有の観測を表示できます。

注: NSX トレースフローは、 HCX 拡張ネットワークでは機能しません。

手順

  1. 管理者権限で NSX Manager にログインします。
  2. [プランとトラブルシューティング] > [トラフィック分析] > [トレースフロー] > [開始] の順に選択します。
  3. IPv4 または IPv6 のアドレスを選択します。
  4. トラフィック タイプを選択します。

    IPv4 アドレスの場合、トラフィック タイプの選択肢はユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャストです。IPv6 アドレスの場合、トラフィック タイプの選択肢はユニキャストまたはマルチキャストです。

    注:VMware Cloud (VMC) 環境では、マルチキャストとブロードキャストはサポートされません。

  5. (オプション) プロトコルを選択し、関連情報を入力します。

    プロトコル

    パラメータ

    DHCP

    DHCP OP コードを [起動要求] または [起動応答] の中から選択します。

    DHCPv6

    DHCP メッセージ タイプを [要請][アドバタイズ][要求]、または [返信] の中から選択します。

    注:

    このオプションは、IP アドレスに IPv6 が選択されている場合にのみ使用できます。

    DNS

    アドレスを指定して、メッセージ タイプを [クエリ] または [応答] の中から選択します。

    ICMP

    ICMP ID およびシーケンスを指定します。

    ICMPv6

    ICMP ID およびシーケンスを指定します。

    注:

    このオプションは、IP アドレスに IPv6 が選択されている場合にのみ使用できます。

    TCP

    送信元ポート、宛先ポート、および TCP フラグを指定します。

    UDP

    送信元ポートおよび宛先ポートを指定します。

    ARP

    ARP OP コード([ARP 要求] または [ARP 応答])を選択します。

    NDP

    ユニキャスト トラフィックの場合は、[宛先 IP] アドレスを指定します。

    マルチキャスト トラフィックの場合は、[宛先 IP][宛先の MAC アドレス] を指定します。

    注:

    このオプションは、IP アドレスに IPv6 が選択されている場合にのみ使用できます。

    TCP プロトコルの場合は、次の点に注意してください。

    • デフォルトのフラグは SYN です。

    • SYN は、RST や FIN と組み合わせることはできません。

    • SYN が選択されていない場合は、ACK または RST を選択する必要があります。

    • ACK は、FIN、PSH、URG と組み合わせることはできません。

  6. トラフィック タイプに従って送信元と宛先情報を指定します。
    注:

    異なる VLAN セグメント間の VLAN トレースの場合は、次のいずれかのオプションを使用して、適切な MAC アドレスを設定します。

    • NSX Manager ユーザー インターフェイスで、ターゲット タイプとして [IP – Mac] を選択し、[レイヤー 2] を選択します。パケットをターゲット VLAN ネットワークに転送できる物理ゲートウェイの宛先 IP アドレスと MAC アドレスを入力します。

    • API を使用してトレースフローを実行する場合は、routedfalse に設定し、パケットをターゲット VLAN ネットワークに転送できる物理ゲートウェイの MAC アドレスを使用します。トレースフロー API の詳細については、『NSX API ガイド』を参照してください。

    トラフィック タイプ

    送信元

    宛先

    ユニキャスト

    仮想マシンまたは論理ポートを選択します。仮想マシンの場合:

    • ドロップダウン リストから仮想マシンを選択します。

    • 仮想インターフェイスを選択します。

    • VMware Tools が仮想マシンにインストールされている場合、または仮想マシンが OpenStack プラグインを使用して展開されている(アドレス バインドが使用される)場合は、IP アドレスと MAC アドレスが表示されます。仮想マシンに複数の IP アドレスが設定されている場合は、ドロップダウン リストから 1 つを選択します。

    • IP アドレスと MAC アドレスが表示されない場合は、テキスト ボックスに IP アドレスと MAC アドレスを入力します。

    論理ポートの場合:

    • 接続の種類を [VIF][DHCP][Edge アップリンク]、または [Edge 中央集中型サービス] の中から選択します。

    • ポートを選択します。

    仮想マシン、論理ポート、または IP アドレス/MAC アドレスを選択します。仮想マシンの場合:

    • ドロップダウン リストから仮想マシンを選択します。

    • 仮想インターフェイスを選択します。

    • VMware Tools が仮想マシンにインストールされている場合、または仮想マシンが OpenStack プラグインを使用して展開されている(アドレス バインドが使用される)場合は、IP アドレスと MAC アドレスが表示されます。仮想マシンに複数の IP アドレスが設定されている場合は、ドロップダウン リストから 1 つを選択します。

    • IP アドレスと MAC アドレスが表示されない場合は、テキスト ボックスに IP アドレスと MAC アドレスを入力します。

    論理ポートの場合:

    • 接続の種類を [VIF][DHCP][Edge アップリンク]、または [Edge 中央集中型サービス] の中から選択します。

    • ポートを選択します。

    IP アドレス/MAC アドレスの場合:

    • トレース タイプ(レイヤー 2 またはレイヤー 3)を選択します。レイヤー 2 の場合は、IP アドレスと MAC アドレスを入力します。レイヤー 3 の場合は、IP アドレスを入力します。

    マルチキャスト

    上と同じ。

    IP アドレスを入力します。224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 までのマルチキャスト アドレスである必要があります。

    ブロードキャスト

    上と同じ。

    サブネット プレフィックス長を入力します。

  7. (オプション) [詳細設定] をクリックして、詳細オプションを表示します。

    左の列で、希望の値を入力するか、次のフィールドに入力します。

    オプション

    説明

    フレーム サイズ

    デフォルトは 128 です。

    TTL

    デフォルトは 64 です。

    タイムアウト (ミリ秒)

    デフォルトは 10000 です。

    Ethertype

    デフォルトは 2048 です。

    ペイロード タイプ

    [Base64][16 進数][プレーン テキスト][バイナリ]、または [10 進数] を選択します。

    ペイロード データ

    選択したタイプに基づいてフォーマットされたペイロードです。

  8. [トレース] をクリックします。

    出力には、トポロジのグラフィック マップと、観測されたパケットの一覧を含むテーブルが表示されます。リストの最初には、観測タイプが Injected のパケットが表示され、挿入ポイントに挿入されたパケットが表示されます。

    表示される観測記録に、フィルタとして [すべて][配信済み][ドロップ]を適用することができます。ドロップされた観測記録がある場合は、デフォルトで [ドロップ] フィルタが適用されます。それ以外の場合は、[すべて] フィルタが適用されます。

    グラフィカル マップには、バックプレーンとルーター リンクが表示されます。ブリッジ情報は表示されません。