Edge ブリッジ プロファイルは、ブリッジをインスタンス化するためのテンプレートです。テンプレートでは、プライマリ Edge、プライマリと同じ Edge クラスタのバックアップ Edge(オプション)、フェイルオーバー モード、プリエンプティブまたは非プリエンプティブを定義します。
[Edge の選択]
優先設定では、プライマリ Edge をアクティブ ブリッジの実行に使用します。このブリッジは、オーバーレイ セグメントと VLAN 間のトラフィック転送を行います。通常、バックアップ Edge で実行されるスタンバイ ブリッジはトラフィックの転送を行いません。
同じブリッジ プロファイルから複数のブリッジをインスタンス化できます。そのため、ほとんどの場合、必要な Edge ブリッジ プロファイルの数は少数になります。たとえば、ブリッジに 2 つの Edge(edge1 と edge2)を使用する場合は、次のように 2 つの Edge ブリッジ プロファイルを作成します。
- edge1 をプライマリ、edge2 をバックアップとする Profile1
- edge2 をプライマリ、edge1 をバックアップとする Profile2
プライマリとして edge1 を使用する任意の数のブリッジを作成し、それらをプロファイル 1 に関連付けることができます(edge1 をバックアップとして使用するブリッジはプロファイル 2 に関連付けます)。2 つの Edge 間のブリッジ トラフィックをセグメント単位でロード シェアリングするには、この 2 つのプロファイルで十分です。「多くのブリッジを定義する少数のブリッジ プロファイル」の図は、2 つの Edge ブリッジ プロファイルを使用して、2 つの Edge 間で 8 つのセグメントをブリッジする例を示しています。
この図は、オーバーレイ セグメント S1 から VLAN 1、S2 から VLAN 2 というブリッジを表しています。セグメント S1 から S4 はブリッジ プロファイル 1 を使用しており、edge1 のブリッジがアクティブ、edge2 のブリッジがスタンバイになります。セグメント S5 から S8 はブリッジ プロファイル 2 を使用しており、edge2 のブリッジがアクティブ、edge1 のブリッジがスタンバイになります。この図は、セグメント単位でのブリッジ機能のロード シェアリングを示しています。
[フェイルオーバー モードの選択]
プリエンプティブ モードのメリットは、システムがブリッジ トラフィックを明確なパスに従って転送しようとする点です。「多くのブリッジを定義する少数のブリッジ プロファイル」の図の例でプリエンプティブ モードを使用した場合、両方の Edge が使用可能になるとすぐにブリッジ トラフィックがセグメント単位で分散されるため、より多くの帯域幅が提供されます。
Edge の可用性とブリッジ プロファイルで選択されたフェイルオーバー モードによっては、アクティブ ブリッジがバックアップ Edge で実行されている場合があります。
[フェイルオーバー モードの選択]
ブリッジ プロファイルの両方の Edge が使用可能な場合、通常、アクティブ ブリッジはプライマリ Edge で実行されます。アクティブ ブリッジまたはプライマリ Edge で障害が発生すると、バックアップ Edge のスタンバイ ブリッジがアクティブ ロールを引き継ぎ、オーバーレイ セグメントと VLAN 間のトラフィック転送を開始します。
アクティブ ブリッジを別の Edge に移動するブリッジの切り替えは、トラフィックの損失が発生する操作です。アクティブになったブリッジは、前のアクティブ ブリッジで学習された MAC アドレスを同期し、それらの MAC アドレスを送信元 MAC アドレスとして使用して RARP パケットのフラッディングを開始します。このメカニズムは、物理インフラストラクチャの MAC アドレス テーブルを更新するために必要です。
[プリエンプティブ モード]
たとえば、プライマリ Edge で障害が発生し、バックアップ Edge で実行されているブリッジがすでにアクティブになっている場合はどうなるでしょうか。プリエンプティブ モードでは、プライマリ Edge で障害がリカバリされると、ブリッジの切り替えがトリガされ、プライマリ Edge のブリッジが再度アクティブになります。
プリエンプティブ モードのデメリットは、プライマリ Edge のブリッジがリカバリして再度アクティブになったときに、中断したブリッジのコンバージェンスが発生する点です。
[非プリエンプティブ モード]
非プリエンプティブ モードでは、プライマリ Edge のブリッジが障害からリカバリされるときに、スタンバイ ブリッジとしてリカバリされます。このモードのメリットは、プライマリのリカバリ時に追加のトラフィック中断が発生しない点です。プリエンプティブ モードは、ロード シェアリングが行われるため、帯域幅の点では最適なオプションといえます。非プリエンプティブ モードのデメリットは、ブリッジ トラフィック フローが明確でなく、最適でない可能性がある点です。「多くのブリッジを定義する少数のブリッジ プロファイル」の図の例の場合、障害が発生した Edge がリカバリした後も、ブリッジ トラフィックは一意の Edge を通過し、ロード シェアリングは行われません。
ブリッジの切り替えは手動でトリガできます。スタンバイ ブリッジを現在ホストしている Edge の CLI からブリッジの切り替えを手動でトリガするには、set bridge <uuid> state active
と入力します。
このコマンドは、非プリエンプティブ モードでのみ使用します。プリエンプティブ モードで使用するとエラーが返されます。
このコマンドは、非プリエンプティブ モードでのみ使用します。プリエンプティブ モードで使用するとエラーが返されます。
ブリッジ コマンドの設定または取得の詳細については、『NSX-T Data Center Command-Line Interface リファレンス』を参照してください。
前提条件
- 2 台の NSX Edge トランスポート ノードを持つ NSX Edge クラスタがあることを確認します。
- マネージャ モードであることを確認します。
手順
次のタスク
VLAN または VLAN 範囲にオーバーレイ セグメントを拡張して、ブリッジでバッキングされたセグメントを作成します。