NSX バージョン 3.2 以降がインストールされ、すべての展開の前提条件を満たしたら、NSX Application Platform の展開に進むことができます。

前提条件

フォーム ファクタのシステム要件を含む、展開の前提条件をすべて満たす必要があります。詳細については、NSX Application Platform 展開の前提条件トピックを参照してください。

注意:

NSX Intelligence 1.2.x トラフィック フロー データを移行した場合は、評価フォーム ファクタを使用して NSX Application Platform を展開しないでください。評価フォーム ファクタを使用すると、以前の NSX Intelligence 1.2.x インストールからトラフィック フロー データを移行することなく NSX Application Platform が強制的に展開され、以前のインストールに関する情報が失われます。

手順 1:展開の準備

NSX Application Platform を展開するには、Helm リポジトリと Docker レジストリの情報を入力します。

手順

  1. ブラウザから、エンタープライズ管理者の権限で NSX Manager (https://<nsx-manager-ip-address>) にログインします。
  2. [構成] セクションで [システム] > [NSX Application Platform] の順に移動します。
  3. [NSX Application Platform の展開] をクリックします。
  4. [Helm リポジトリ] の URL と [Docker レジストリ] のパスを確認します。

    [Helm リポジトリ] テキスト ボックスのデフォルト値は oci://projects.registry.vmware.com/nsx_application_platform/helm-charts です。この値は、VMware でホストされるパブリック リポジトリで、システムはここからパッケージ化された NSX Application Platform Helm チャートを取得します。

    [Docker レジストリ] パスの値は projects.registry.vmware.com/nsx_application_platform/clustering です。この値は VMware でホストされるパブリック レジストリの場所で、システムはここから NSX Application Platform docker イメージを取得します。

    これらの VMware のパブリック ホストにある NSX Application Platform レジストリとリポジトリの場所を使用すると、展開プロセスが簡素化されます。この展開プロセスでは送信接続のみが使用され、ユーザーのデータは保持されません。

    推奨の展開プロセスを使用できず、VMware のパブリック ホストの場所にアクセスできない場合は、インフラストラクチャ管理者と協力して、NSX Application Platform Helm チャートと Docker イメージを会社のプライベートな Helm リポジトリおよび Docker レジストリの場所にアップロードします。この両方のプライベート ホストの場所は、Kubernetes クラスタと、NSX Application Platform の展開で使用している NSX Manager アプライアンスからアクセスできる必要があります。NSX Application Platform Docker イメージと Helm チャートのプライベート コンテナ レジストリへのアップロード を参照してください。

    プライベート Helm リポジトリと Docker レジストリの場所を使用している場合は、次の手順を実行します。

    1. [Helm リポジトリ] テキスト ボックスにプライベート レジストリの URL を入力します。
      • OCI 互換の Helm プライベート リポジトリの場合は、oci://<your-private-registry-server-fqdn>/<your-private-registry-name>/helm-charts の形式を使用します。
      • ChartMuseum 互換の Helm プライベート リポジトリの場合は、https://<your-private-registry-server-fqdn>/chartrepo/<your-private-registry-name> の形式を使用します。

    2. [Docker リポジトリ] テキスト ボックスにプライベート レジストリの場所を入力します。<your-private-registry-server-fqdn>/<your-private-registry-name>/clustering の形式を使用します。
      このパス値の先頭には https または oci を付けません。
  5. [URL の保存] をクリックします。

    NSX Application Platform の詳細が Helm チャートと Docker レジストリの場所から収集されるため、この手順が完了するまでに時間がかかる場合があります。

  6. [プラットフォームのターゲット バージョン] テキスト ボックスで、展開に適した NSX Application Platform バージョンが選択されていることを確認します。

    システムでは、バージョンのリストを Helm リポジトリから取得します。

  7. [次へ] をクリックします。

手順 2:構成の詳細の入力

NSX Application Platform を展開するには、インフラストラクチャ管理者が作成したスーパーバイザーまたはアップストリーム Kubernetes クラスタ上の TKG クラスタ リソースに関する構成情報を入力する必要があります。

インフラストラクチャ管理者から取得した kubeconfig ファイルが必要です。このファイルには、スーパーバイザーまたはアップストリーム Kubernetes 上の TKG クラスタ環境の構成情報が含まれており、アクセス情報があります。

手順

  1. [ファイルのアップロード] テキスト ボックスで [選択] をクリックし、インフラストラクチャ管理者が提供した kubeconfig ファイルの場所に移動します。
  2. [アップロード] をクリックします。

    システムで Kubernetes 構成ファイルの内容を検証するため、この手順が完了するまでには時間がかかる場合があります。

  3. (オプション) サーバ バージョンとクライアント バージョンに互換性がありません。エラーを解決するには、最新バージョンの Kubernetes Tools をアップロードしてください」というエラー メッセージが表示された場合は、互換性のあるバージョンの Kubernetes ツール バンドルをアップロードします。

    VMware 製品ダウンロード ポータルで提供されている Kubernetes Tools バンドルは、ご利用の NSX のバージョンで使用できます。Kubernetes Tools バンドルをダウンロードする場合、デフォルト名は、kubernetes-tools-buildversion.tar.gz です。kubernetes-tools-1.20.11-00_3.5.4-1.tar.gz のようになります。ファイルをダウンロードする際は、ファイルの名前変更をしないでください。ファイルは VMware プライベート キーで署名されています。

    1. [ローカル ファイルのアップロード][リモート ファイルのアップロード] を選択します。
    2. [ローカル ファイルのアップロード] を選択した場合は、[選択] をクリックして Kubernetes ツール ファイルの場所に移動します。
    3. [リモート ファイルのアップロード] を選択した場合は、互換性のある Kubernetes ツール ファイルが取得できる URL を入力します。たとえば、ダウンロードした kubernetes-tools-buildversion.tar.gz ファイルの URL を入力します。
    4. [アップロード] をクリックします。
  4. [クラスタ タイプ] の情報が正しいことを確認します。

    この情報は、Kubernetes 環境のタイプを参照します。現在サポートされているタイプは、Standard のみです。

  5. [ストレージ クラス] の情報が正しいことを確認します。

    ストレージ クラスの値は Kubernetes 構成ファイルから取得され、ドロップダウン メニューで選択できるようになります。

  6. NSX 3.2.0 展開では [サービス名] テキスト ボックスに有効な完全修飾ドメイン名 (FQDN) 値を入力します。NSX 3.2.1 以降の展開では [インターフェイス サービス名] テキスト ボックスに入力します。

    [サービス名] または [インターフェイス サービス名] の値は、NSX Application Platform に接続するための HTTPS エンドポイントとして使用されます。詳細については、NSX Application Platform 展開の前提条件トピックの「サービス名 (FQDN)」セクションを参照してください。

  7. NSX 3.2.1 以降の展開の場合は、[メッセージング サービス名] テキスト ボックスに有効な FQDN 値を入力します。

    [メッセージング サービス名] 値は、NSX データ ソースから効率的にデータを受信するために使用される HTTPS エンドポイントです。

  8. 必要に応じた [フォーム ファクタ] を選択します。詳細については、NSX Application Platform のシステム要件を確認してください。
  9. (オプション)[評価版] フォーム ファクタを選択した場合は、展開を非本番環境用途でのみ使用することを確認します。
    1. [評価版] ダイアログ ボックスに表示される情報を読んでおきます。
    2. [確認] チェック ボックスを選択して、NSX Application Platform 展開を POC(事前検証)および非本番環境用途でのみ使用することを確認します。
    3. [選択] をクリックします。
  10. [構成] タブに戻り、[次へ] をクリックします。

手順 3:プラットフォームの事前チェック

システムで NSX Application Platform の展開を進める前に、取得してある構成情報をチェックする必要があります。

手順

  1. [プラットフォームの事前チェック] タブで、[事前チェックを実行] をクリックします。
    事前チェックが実行されるたびに、その進行状況が表示されます。
  2. 何らかのエラーが [詳細] 列に表示されている場合は、エラーについてのリンクをクリックします。詳細を取得し、報告されているエラーを解決するために必要な修正を行います。詳細については、NSX Application Platform の問題のトラブルシューティングを参照してください。
  3. [次へ] をクリックします。

手順 4:確認と展開

NSX Application Platform の展開ウィザードからは、システムで取得した構成の詳細を確認して編集することができます。

手順

  1. [確認と展開] タブで、[プラットフォーム]、[構成]、[事前チェック] などのセクションに表示される情報を確認します。必要な変更に対応するセクションの [編集] リンクをクリックします。

    [編集] をクリックすると、タブへ戻り、情報を更新できるようになります。

  2. すべての情報が正しい場合は、[展開] をクリックします。

    システムでは引き続き展開の最終手順を行い、進行についての情報をユーザー インターフェイスに表示します。手順が完了するまでには時間がかかることがあります。

    注意: システムで NSX Intelligence 1.2.x のトラフィック フロー データを移行した後に、 NSX Application Platform の展開で NSX Metrics の有効化が失敗した場合は、 [キャンセル] を押さないでください。押してしまうと、データ移行情報を含むパーシステント ストレージが削除され、 NSX Intelligence 1.2.x のインストールに関する情報が失われます。別のブラウザ タブまたは新しいブラウザ ウィンドウを使用して NSX Metrics の問題を解決してから、元の NSX Application Platform 展開ウィンドウに戻って [再試行] をクリックします。 NSX Metrics での問題のトラブルシューティングの詳細については、 NSX Application Platform の問題のトラブルシューティングを参照してください。

結果

システムで NSX Application Platform を正常に展開し、ユーザー インターフェイスではアラームやクラスタ情報といったプラットフォームの詳細が更新されます。次の図で、展開が正常に完了した後のユーザー インターフェイスがどのように見えるかを例示します。
展開が正常に完了した後の NSX Application Platform ユーザー インターフェイス。プラットフォーム構成の詳細と使用可能な NSX 機能が表示されています。

次のタスク

NSX Application Platform でホスト可能であり、現在使用しているフォーム ファクタと NSX ライセンスで利用可能な NSX 機能を有効化できるようになっています。詳細についてはNSX Application Platform で使用可能な NSX 機能を参照してください。