ポート ミラーリングを使用して、デバッグやトラブルシューティングの目的でネットワーク トラフィックを分析できます。ポート ミラーリングを使用すると、セグメント ポート(またはセグメント全体)で確認されるすべてのネットワーク パケットまたは特定のパケットを別のセグメント ポートにコピーできます。

次のポート ミラー セッション タイプを作成できます。
  • ローカル SPAN
  • リモート SPAN
  • リモート L3 SPAN
  • 論理 SPAN

論理 SPAN は、オーバーレイ論理スイッチでのみサポートされます。VLAN 論理スイッチには対応していません。

大量のトラフィックがモニター仮想マシンにミラーリングされると、ドライバのリング バッファがいっぱいになり、パケットのドロップが発生する可能性があります。この問題を緩和するには、次のいずれかのアクションを実行します。

  • 受信バッファのリング サイズを増やします。
  • 仮想マシンにより多くの CPU リソースを割り当てます。
  • データ プレーン デベロップメント キット (DPDK) を使用してパケット処理のパフォーマンスを改善します。
注: モニター仮想マシンの MTU 設定が、パケットを処理するのに十分な大きさであることを確認します。カプセル化によってパケットのサイズが増えるため、パケットをカプセル化する場合は特に重要な作業です。十分な大きさでない場合、パケットがドロップされる可能性があります。これは VMXNET3 NIC を使用する ESXi 仮想マシンの場合は問題ではありませんが、その他のタイプの NIC を使用する場合は問題となる可能性があります。

NSX 4.2 以前では、ENS 高速パスにはリモート L3 SPAN のみがサポートされていました。ローカル SPAN またはリモート SPAN (RSPAN) セッションが作成された場合、本番パケットは pktHandle 低速パスを通過しました。NSX 4.2 以降では、ENS 高速パスにはローカル SPAN と RSPAN の両方がサポートされます。

この機能には次の制限があります。

  • ソースのミラー ポートを複数のミラー セッションで使用することはできません。
  • ローカル SPAN セッションの場合、ミラー セッションの送信元ポートと宛先ポートが同じホスト vSwitch 上にある必要があります。したがって、ソースまたはターゲット ポートを持つ仮想マシンを vMotion によって別のホストに移行すると、そのポート上のトラフィックはミラーリングすることができなくなります。
  • ローカル SPAN および RSPAN 宛先セッションの場合、ミラー宛先ポートの通常のトラフィックは許可されません。
  • ESXi 上でアップリンクのミラーリングを有効にすると、VDL2 によって Geneve プロトコルが使用され、本番環境の raw TCP パケットが UDP パケットにカプセル化されます。TSO (TCP Segmentation Offload) をサポートする物理 NIC は、パケットを変更し、パケットに MUST_TSO フラグを付けることができます。VMXNET3 または E1000 vNIC を使用するモニター仮想マシンでは、ドライバはパケットを通常の UDP パケットとして処理し、MUST_TSO フラグに対応していないため、パケットがドロップされます。
  • IPFIX はミラーリングされたパケットをサンプリングせず、トレースフローとライブ トラフィックの分析はミラーリングされたパケットをトレースしません。
  • RSPAN セッションを作成する場合は、RSPAN VLAN として使用するためにネットワーク全体でいくつかの VLAN を予約することをお勧めします。これらの VLAN にセグメント ポートを割り当てないでください。RSPAN VLAN は専用 VLAN にする必要があり、スイッチング VLAN またはトランスポート VLAN として使用することはできません。RSPAN VLAN をトランスポート、スイッチング、またはトランク VLAN として含めている場合、NSX 4.2 へのアップグレード中に、RSPAN 送信元セッションと宛先セッションでそれらの RSPAN VLAN を更新しようとするとエラーが発生します。
  • RSPAN 宛先セッション用に最大 16 個の RSPAN VLAN を作成できます。
  • 複数の RSPAN 宛先セッションに 1 つの VLAN をミラー ソースとして含めることはできません。
  • RSPAN 宛先は vNIC 入力方向トラフィックを監視しません。
  • RSPAN 宛先はミラー パケットの受信に使用するため、RSPAN 宛先ではなく RSPAN 送信元でミラー フィルタリングを実装する必要があります。NSX 4.2 にアップグレードする前に RSPAN 宛先のミラー フィルタリングを構成している場合は、ミラー フィルタリング構成を削除する必要があります。

前提条件

NSX Manager ユーザー インターフェイスで [マネージャ] モードが選択されていることを確認します。NSX Manager を参照してください。[ポリシー] モード ボタンと [マネージャ] モード ボタンが表示されない場合は、ユーザー インターフェイスの構成を参照してください。

手順

  1. 管理者権限で NSX Manager にログインします。
  2. [プランとトラブルシューティング] > [ポート ミラーリング] > [ポート ミラーリング セッション] を選択します。
  3. [追加] をクリックし、セッション タイプを選択します。
    使用可能なタイプは、 [ローカル SPAN][リモート SPAN][リモート L3 SPAN]、および [論理 SPAN] です。
  4. セッションの名前を入力します。必要に応じて説明も入力します。
  5. 追加のパラメータを指定します。
    セッション タイプ パラメータ
    ローカル SPAN
    • [トランスポート ノード]:トランスポート ノードを選択します。
    • [方向][双方向][入力方向]、または [出力方向] を選択します。
    • [パケット切り捨て長]:パケット廃棄の値を選択します。
    リモート SPAN
    • [セッション タイプ][RSPAN 送信元セッション] または [RSPAN 宛先セッション] を選択します。
    • [トランスポート ノード]:トランスポート ノードを選択します。
    • [方向][双方向][入力方向]、または [出力方向] を選択します。
    • [パケット切り捨て長]:パケット廃棄の値を選択します。
    • [VLAN ID のカプセル化]:カプセル化 VLAN ID を指定します。
    • [元の VLANの保持]:元の VLAN ID を保持するかどうかを選択します。
    リモート L3 SPAN
    • [カプセル化][GRE][ERSPAN 2]、または [ERSPAN 3] を選択します。
    • [GRE キー]:カプセル化が [GRE] の場合は、GRE キーを指定します。[ERSPAN ID]:カプセル化が [ERSPAN 2] または [ERSPAN 3] の場合は、ERSPAN ID を指定します。
    • [方向][双方向][入力方向]、または [出力方向] を選択します。
    • [パケット切り捨て長]:パケット廃棄の値を選択します。
    論理 SPAN
    • [論理スイッチ]:論理スイッチを選択します。
    • [方向][双方向][入力方向]、または [出力方向] を選択します。
    • [パケット切り捨て長]:パケット廃棄の値を選択します。
  6. [次へ] をクリックします。
  7. ソース情報を指定します。
    セッション タイプ パラメータ
    ローカル SPAN
    • VDS の選択
    • 物理インターフェイスを選択します。
    • カプセル化されたパケットを有効または無効にします。
    • 仮想マシンを選択します。
    • 仮想インターフェイスを選択します。
    リモート SPAN
    • 仮想マシンを選択します。
    • 仮想インターフェイスを選択します。
    リモート L3 SPAN
    • 仮想マシンを選択します。
    • 仮想インターフェイスを選択します。
    • 論理スイッチを選択します。
    論理 SPAN
    • 論理ポートを選択します。
  8. [次へ] をクリックします。
  9. ターゲットの情報を指定します。
    セッション タイプ パラメータ
    ローカル SPAN
    • 仮想マシンを選択します。
    • 仮想インターフェイスを選択します。
    リモート SPAN
    • VDS の選択
    • 物理インターフェイスを選択します。
    リモート L3 SPAN
    • IPv4 アドレスを指定します。
    論理 SPAN
    • 論理ポートを選択します。
  10. [保存] をクリックします。
    ポート ミラーリング セッションを保存した後では、ソースもターゲットも変更できません。