トランスポート ノード プロファイルは、VMware vCenter クラスタに含まれるホストのグループに適用される構成を定義するテンプレートです。スタンドアローン ホストの準備には適用されません。トランスポート ノード プロファイルを適用して、VMware vCenter クラスタ ホストをトランスポート ノードとして準備します。トランスポート ノード プロファイルは、トランスポート ゾーン、メンバー ホスト、スイッチの構成(アップリンク プロファイル、IP アドレスの割り当て、物理 NIC とアップリンク仮想インターフェイスのマッピングなど)を定義します。

注: トランスポート ノード プロファイルは、 VMware vCenter クラスタの ESXi ホスト メンバーにのみ適用されます。 NSX Edge トランスポート ノードには適用できません。

トランスポート ノード プロファイルが VMware vCenter クラスタに適用されると、トランスポート ノードの作成が開始します。NSX Manager はクラスタ内のホストを準備し、すべてのホストに NSX コンポーネントをインストールします。トランスポート ノード プロファイルで指定された構成に基づいて、ホストのトランスポート ノードが作成されます。

トランスポート ノード プロファイルを使用して準備されたクラスタでは、次の処理が行われます。

  • 準備されていないホストをトランスポート ノード プロファイルが適用されたクラスタに移動すると、NSX はそのトランスポート ノード プロファイルを使用して、ホストをトランスポート ノードとして自動的に準備します。
  • トランスポート ノードをクラスタから未準備のクラスタに移動するか、データセンターのスタンドアローン ホストにすると、ノードに適用されたトランスポート ノード構成が削除され、ホストから NSX VIB が削除されます。「vSphere Web Client からのアンインストールのトリガ」を参照してください。
トランスポート ノード プロファイルを削除するには、まず関連付けられているクラスタからプロファイルを接続解除する必要があります。既存のトランスポート ノードは影響を受けません。クラスタに追加された新しいホストは、トランスポート ノードに自動的に変換されなくなります。
トランスポート ノード プロファイルを作成する際は、次の点に注意してください。
  • 構成ごとに最大 4 台の VDS スイッチを追加できます(VLAN トランスポート ゾーン用に作成された拡張 VDS、オーバーレイ トランスポート ゾーン用に作成された標準 VDS、オーバーレイ トランスポート ゾーン用に作成された拡張 VDS)。
  • VLAN トランスポート ゾーン用に作成された標準の VDS スイッチの数に制限はありません。
  • 複数の標準オーバーレイ VDS スイッチと Edge 仮想マシンが同じホストで実行されている単一ホスト クラスタ トポロジの場合、NSX はトラフィックを分離して、1 番目の VDS を経由するトラフィックが 2 番目以降の VDS を経由するトラフィックから分離されるようにします。North-South トラフィックと外部ネットワークとの接続を許可するには、各 VDS 上の物理 NIC をホスト上の Edge 仮想マシンにマッピングする必要があります。1 番目のトランスポート ゾーンの仮想マシンから送信されるパケットは、外部ルーターまたは外部仮想マシンを経由して、2 番目のトランスポート ゾーン上の仮想マシンにルーティングする必要があります。
  • 各 VDS スイッチの名前は一意である必要があります。NSX では、重複するスイッチ名を使用できません。
  • トランスポート ノード構成またはトランスポート ノード プロファイル構成の各 VDS ホストに関連付けられる各トランスポート ゾーン ID は一意にする必要があります。

前提条件

手順

  1. ブラウザから、NSX Manager(https://<nsx-manager-ip-address> または https://<nsx-manager-fqdn>)に管理者権限でログインします。
  2. [システム] > [ファブリック] > [ホスト] > [トランスポート ノード プロファイル] > [トランスポート ノード プロファイルの追加] を選択します。
  3. トランスポート ノード プロファイルを識別する名前を入力します。

    必要に応じて、トランスポート ノード プロファイルについての説明を追加できます。

  4. ホスト スイッチの [設定] をクリックして、新しいスイッチの詳細を追加します。
  5. 続行する前に、クラスタのノードで構成するホスト スイッチのタイプを決定します。
  6. 次のフィールドを構成します。
    オプション 説明
    名前

    (vSphere クラスタによって管理されるホスト)ホスト スイッチを管理する VMware vCenter を選択します。

    VMware vCenter で作成され、ESXi ホストに接続されている VDS を選択します。

    トランスポート ゾーン

    [表示] セクションで、[オーバーレイ][VLAN] または [すべて] を選択して、ホスト スイッチに必要なトランスポート ゾーンのタイプを表示して選択します。

    これらのトランスポート ゾーンは、関連付けられたホスト スイッチによって認識されます。

    サポートされているトランスポート ゾーン構成:
    • ホスト スイッチごとに複数の VLAN トランスポート ゾーンを追加できます。
    • ホスト スイッチごとに 1 つのオーバーレイ トランスポート ゾーンのみを追加する必要があります。NSX Manager ユーザー インターフェイスでは、複数のオーバーレイ トランスポート ゾーンを追加できません。
    アップリンク プロファイル ドロップダウン メニューから既存のアップリンク プロファイルを選択するか、アップリンクのカスタム プロファイルを作成します。デフォルトのアップリンク プロファイルも使用できます。

    MTU 値を空のままにすると、NSX はグローバル デフォルト MTU 値 1700 を使用します。NSX アップリンク プロファイルに MTU 値を入力すると、その MTU 値がグローバル デフォルト MTU 値を上書きします。

    注: アップリンク プロファイルで定義されたリンク集約グループを VDS アップリンクにマッピングすることはできません。
    IP アドレス タイプ (TEP) [IPv4] または [IPv6] を選択して、トランスポート ノードのトンネル エンドポイント (TEP) の IP バージョンを指定します。
    IPv4 の割り当て

    TEP に IPv4 アドレスを割り当てる方法を選択します。次のオプションがあります。

    • [DHCP を使用]:IPv4 アドレスは DHCP サーバから割り当てられます。
    • [IPv4 プールを使用]:IP アドレス プールから IPv4 アドレスが割り当てられます。TEP に使用する IPv4 プール名を指定します。
    IPv6 の割り当て

    TEP に IPv6 アドレスを割り当てる方法を選択します。次のオプションがあります。

    • [DHCPv6 を使用]:IPv6 アドレスは DHCP サーバから割り当てられます。
    • [IPv6 プールを使用]:IP アドレス プールから IPv6 アドレスが割り当てられます。TEP に使用する IPv6 プール名を指定します。
    • [AutoConf を使用] を使用:IPv6 アドレスはルーター アドバタイズ (RA) から割り当てられます。

    高度な設定

    モード

    次のモード オプションから選択します。
    • [標準]:このモードは、すべてのトランスポート ノードに適用されます。トランスポート ノードのデータ プレーンは、アップリンク機能に従ってホスト スイッチ モードを自動的に選択します。
    • [拡張データパス - 標準]:このモードは、拡張データ パス モードのバリアントです。これは、ESXi ハイパーバイザー 7.0 以降のバージョンでのみ使用できます。適用可能性については、アカウントの担当者にお問い合わせください。
    • [拡張データパス - パフォーマンス]:ESXi ホスト トランスポート ノードの拡張データ パス スイッチ モードです。このモードにより、ネットワーク パフォーマンスの高速化が実現されます。ノードで VMXNET3 vNIC が有効になっているネットワーク カードを使用する必要があります。このモードは、ESXi v6.7 以降のバージョンでのみサポートされます(v6.7 U2 を推奨)。NSX Edge ノードと Public Cloud Gateway ではサポートされません。このモードでは、すべての NSX 機能を使用できるわけではありません。
    • [レガシー]:このモードは以前は「標準」と呼ばれ、NSX Manager ユーザー インターフェイスには表示されません。[レガシー] フィールドは NSX Manager ユーザー インターフェイスで読み取り専用になっているため、このモードは API を介してのみ選択できます。API を使用してこのモードを選択した場合にのみ、NSX Manager ユーザー インターフェイスの [レガシー] フィールドが「はい」に設定され、[モード] フィールドが「標準」に設定されます。このモードは、すべてのトランスポート ノードに適用されます。ホスト スイッチ モードが「レガシー」に設定されている場合、パケット ハンドラ スタックが有効になります。
      拡張データパス モード(「標準」および「パフォーマンス」)には、より高いレベルの NSX ライセンスが必要であることに注意してください。
      • 従来の NIC を使用した拡張データパス モード:NSX Advanced 以上。
      • SmartNIC を使用した拡張データパス - パフォーマンス モード:NSX Enterprise Plus 以上。
      次のホスト トランスポート ノードまたはトランスポート ノード プロファイル ポリシー API を実行して、ホスト スイッチ モードを「レガシー」に設定できます。
      • ホスト トランスポート ノードの作成または更新:
        PUT https://<NSX-Manager-IP-ADDRESS>/policy/api/v1/infra/sites/<site-id>/enforcement-points/<enforcementpoint-id>/host-transport-nodes/<host-transport-node-id>
      • ポリシー ホスト トランスポート ノード プロファイルの作成または更新:
        PUT https://<NSX-Manager-IP-ADDRESS>/policy/api/v1/infra/host-transport-node-profiles/<transport-node-profile-id>

    ノードを削除して新しいモードで再度追加する以前のバージョンの NSX とは異なり、システムからノードを削除せずにホスト ノードのモードを変更することもできます。

    NSX がサポートするモードの変更は次のとおりです。

    • 標準 -> 拡張データパス - 標準
    • 拡張データパス - 標準 -> 標準
    • 拡張データパス - パフォーマンス -> 拡張データパス - 標準

    NSX がサポートしていないモードの変更は次のとおりです。

    • 拡張データパス - パフォーマンス -> 標準
    • 拡張データパス - 標準 -> 拡張データパス - パフォーマンス
    • 標準 -> 拡張データパス - パフォーマンス

    次の API を使用して、ホスト スイッチのモードを変更できます。

    POST https://{{nsxmanager-ip}}/policy/api/v1/infra/sites/default/enforcement-points/default/host-transport-nodes/<transport-node-profile-id>

    CPU 構成
    [CPU 構成] フィールドは、モードが [拡張データパス] に設定されている場合にのみ構成できます。
    1. [設定] をクリックします。
    2. [CPU 構成] 画面で、[追加] をクリックします。
    3. [NUMA ノードのインデックス] および [NUMA ノードあたりの LCore 数] フィールドの値を入力します。
    4. 値を保存するには、[追加] および [保存] をクリックします。
    チーミング ポリシー アップリンク マッピング

    VDS のアップリンクを使用して NSX でアップリンクをマッピングする前に、VDS スイッチにアップリンクが構成されていることを確認します。VDS スイッチのアップリンクを構成または表示するには、VMware vCentervSphere Distributed Switch の順に移動します。[アクション]、[設定]、[設定の編集] の順にクリックします。

    選択した NSX アップリンク プロファイルで定義されているアップリンクを VDS アップリンクとマッピングします。マッピングに表示される NSX アップリンクの数は、アップリンク プロファイルの構成によって異なります。

    たとえば、upink-1(アクティブ)の行で、[物理 NIC] 列に移動して編集アイコンをクリックし、VDS アップリンクの名前を入力して、uplink-1(アクティブ)とのマッピングを完了します。同様に、他のアップリンクのマッピングを完了します。

    注: アップリンク/LAG、NIOC プロファイル、LLDP プロファイルは、 VMware vCenter で定義されています。これらの構成は NSX Manager で使用できません。VDS スイッチの VMkernel アダプタを管理するには、 VMware vCenter に移動し、VMkernel アダプタを分散仮想ポート グループまたは NSX ポート グループに接続します。
  7. 複数のトランスポート ゾーンを選択した場合は、これらを同じスイッチに追加できます。新しいスイッチを追加するには、もう一度 [スイッチを追加] をクリックして、他のトランスポート ゾーンに新しいスイッチを構成します。
    NSX スイッチは、単一のオーバーレイ トランスポート ゾーンと複数の VLAN トランスポート ゾーンに同時に接続できます。

  8. [追加] をクリックして、構成を完了します。

次のタスク

既存の vSphere クラスタにトランスポート ノード プロファイルを適用します。「TNP を使用した ESXi クラスタ ホストのトランスポート ノードとしての準備」を参照してください。