3.3.0 リリースでは、SD-WAN Orchestrator は、高解像度のフロー統計情報のみを保存して、可視化とトラブルシューティングの機能を提供します。3.3.2 リリース以降、SD-WAN Orchestrator は、すべての Edge のフロー統計情報を毎日ロールアップすることで、最大 1 年間のフロー統計情報の保持をサポートします。現在、1 日のフロー統計情報のロールアップは、オンプレミスのユーザーに対してのみサポートされています。
フロー統計情報の集計
現在、SD-WAN Orchestrator は、高解像度(5 分ごと)の形式のフロー統計情報から、すぐに使用可能な低解像度の形式(24 時間ごと)のフロー統計情報までを集計しています。次の表に、フロー統計情報のロールアップと保持のサポート情報をまとめています。
解像度 | 3.3.0 以前でのロールアップ | 3.3.0 以降でのロールアップ | 3.3.2 以降でのロールアップ |
---|---|---|---|
高 | 5 分 | 5 分 | 5 分 |
中 | 2 時間 | 廃止 | 非サポート |
Low | 8 時間 | 廃止 | 24 時間 |
解像度 | 3.3.0 以前での保持 | 3.3.0 以降での保持(オンプレミス) | 3.3.0 以降での保持(ホスト型) | 3.3.2 以降での保持(オンプレミス) | 3.3.2 以降での保持(ホスト型) |
---|---|---|---|---|---|
高 | 6 ~ 10 週間 | 14 日間(デフォルト)、31 日間(最大) | 14 日間 | 14 日間 | 14 日間 |
中 | 10 ~ 14 週間 | 廃止 | 廃止 | 廃止 | 廃止 |
Low | 最大 1 年間 | 廃止 | 廃止 | 最大 1 年間 | 廃止 |
よくある質問
-
3.3.2 にアップグレード以降のフロー統計情報の日次ロールアップを有効にする方法を教えてください。
フロー統計情報の日次ロールアップを有効にするには、
flowStats.daily.rollup.enabled
システム プロパティをtrue
に設定します。 -
1 日で 1 台の Edge あたりにロールアップされるフローの最大数はいくつですか。
デフォルトでは、1 日で 1 台の Edge あたりに最大で 100 万のフローがロールアップされます。これは、5 分間のプッシュあたり約 3500 フローに平均化されます。
flowStats.daily.rollup.flowLimit
システム プロパティを使用して、1 日で 1 台の Edge あたりにロールアップされるフローの数を変更できます。 -
ハブのフローはロールアップされますか。
デフォルトでは、ハブのフローのロールアップは無効にされています。
<edgeId>:<numFlows>
のキー値のペアを取得するflowStats.daily.rollup.edgeflowLimit
システム プロパティを使用して、ハブのフローを有効にできます。高解像度のハブのフローは、最大 15 日間までしか表示できません。 -
フロー統計情報の保持ポリシーは構成可能ですか。
ロールアップされた統計情報の保持ポリシーは、
retentionWeeks.flowStats.daily
システム プロパティを使用して SD-WAN Orchestrator 上で構成できます。ロールアップされたフロー統計情報の保持は、1 ~ 52 週間の期間で維持されるように構成できます。 -
ユーザー インターフェイスは、ロールアップを有効にしてから 15 日以上の期間にフロー統計情報をクエリできますか。
いいえ。より長期間保持するためにフロー統計情報をロールアップすることは、実際にこれらのフロー統計情報をクエリできることとは切り離されています。
session.options.maxFlowstatsRetentionDays
システム プロパティを使用して、フローをクエリする日数を設定できます。 -
この機能を有効にすると、データの観点から副次的な影響がありますか。
集計された結果に対して副次的な影響が見られることはありませんが、ロールアップされた一連の統計情報を表示することによって、SD-WAN Orchestrator ユーザー インターフェイスの時系列グラフの信頼性は低下します。
-
システム負荷の観点からは、どのような副次的な影響がありますか。
1 日のフロー統計情報をロールアップすることで、フル解像度のテーブルの結果を集計して個別に保存するため、結果の集計時に MySQL が必要とする追加処理によって、システム負荷(CPU/負荷平均)が増加します。
-
オンプレミス展開のストレージ要件に対してどのような影響がありますか。
1 日のフロー統計情報をロールアップすることで、高解像度のテーブルの結果を集計して個別に保存するため、VMware は、オンプレミスのユーザーが、ロールアップされた統計情報に対処するためのストレージ要件を計画する必要があると予測します。ロールアップされたフローは、平均で高解像度の統計情報に必要な領域の 1/8 を消費します。ただし、これは、Edge によって送信される 1 日のフローの一意性に大きく依存します。いずれにしても、ロールアップされたフローによるストレージ領域の消費量は、高解像度の統計情報よりもはるかに低くなります。より少ない容量のドライブから始めるユーザーの場合、VMware では、論理容量を使用し、Edge の増加に応じてストレージ容量を拡張できるようにすることが推奨されています。
保持期間の変更
高解像度のフロー統計情報の保持は、1 ~ 31 日間の期間で維持されるように構成できます。3.3.0 リリースでは、高解像度のフロー統計情報保持の構成粒度を、月単位から日単位に変更しました。オペレータは、システム プロパティを作成することで保持期間を変更できます。システム プロパティを作成して保持期間を変更するには、次の手順を実行します。
- SD-WAN Orchestrator ナビゲーション パネルで、[システム プロパティ (System Properties)] をクリックします。
- [システム プロパティ (System Properties)] 画面で、[新規システム プロパティ (New System Properties)] ボタンをクリックします。
- [新規システム プロパティ (New System Properties)] ダイアログ ボックスで、次のようにします。
- [名前 (Name)] テキスト フィールドに、「
retention.flowstats.days
」と入力します。 - [データ タイプ (Data Type)] ドロップダウン メニューで、[数値 (Number)] を選択します。
- [値 (Value)] テキスト フィールドに、日単位で保持期間を入力します。
- [名前 (Name)] テキスト フィールドに、「
- [保存 (Save)] をクリックします。