大量の仮想マシンを保護するには、デフォルトの Site Recovery Manager 設定に変更を加えて使用環境に最適なリカバリ時間を設定するか、またはタイムアウトを回避します。

vSphere Web Client または Site Recovery Manager クライアント プラグインの [詳細設定] メニューにある一部のオプションを変更します。その他の設定を変更するには、Site Recovery Manager Servervmware-dr.xml 構成ファイルを編集します。オプションが存在する場合は、必ずクライアント メニューを使用して設定を変更してください。設定を変更する場合は、保護サイトとリカバリ サイトの両方の Site Recovery Manager Server インスタンスとvCenter Server インスタンスで同じ変更を行う必要があります。

設定を変更するには、大規模な Site Recovery Manager 環境を実行するように設定を変更する を参照してください。

表 1. パワーオンまたはパワーオフの同時操作の数を変更する設定
オプション 説明
[srmMaxBootShutdownOps] 任意のクラスタでの同時パワーオン処理の最大数を指定します。ゲスト シャットダウン(強制パワーオフではありません)はこの値にしたがって調整されます。ゲスト シャットダウンは、プライマリ サイト シャットダウン(計画済みフェイルオーバー)と IP カスタマイズ ワークフローの実行中に発生します。vSphere Web Client または vSphere Client のクラスタごとにこのオプションを変更するには、クラスタを右クリックして [設定] を選択します。[vSphere DRS] をクリックしてから [編集] > [詳細オプション] をクリックします。オプションを入力して、vmware-dr.xml ファイルに設定可能な [defaultMaxBootAndShutdownOpsPerCluster] 値をオーバーライドします。vmware-dr.xml ファイルでグローバル値 [defaultMaxBootAndShutdownOpsPerCluster] を設定してから、vSphere Web Client または vSphere Client の個々のクラスタに異なる [srmMaxBootShutdownOps] 値を設定できます。デフォルトでは、調整がオフになっています。
[defaultMaxBootAndShutdownOpsPerCluster] Site Recovery Manager が保護するすべてのクラスタに、同時パワーオン処理の最大数を指定します。ゲスト シャットダウン(強制パワーオフではありません)はこの値にしたがって調整されます。ゲスト シャットダウンは、プライマリ サイト シャットダウン(計画済みフェイルオーバー)と IP カスタマイズ ワークフローの実行中に発生します。この設定は、vmware-dr.xml ファイルで変更します。vSphere Web Client で設定可能な [srmMaxBootShutdownOps] 値は、[defaultMaxBootAndShutdownOpsPerCluster] 値をオーバーライドします。vmware-dr.xml ファイルでグローバル値 [defaultMaxBootAndShutdownOpsPerCluster] を設定してから、vSphere Web Client の個々のクラスタに異なる [srmMaxBootShutdownOps] 値を設定できます。デフォルトでは、調整がオフになっています。
[defaultMaxBootAndShutdownOpsPerHost] 任意のスタンドアロン ホストでの同時パワーオン処理の最大数を指定します。このオプションは、vmware-dr.xml ファイルでのみ設定できます。デフォルトでは、調整がオフになっています。
表 2. タイムアウト期間を変更する設定値
オプション 説明
[vrReplication.synchronizationTimeout] Site Recovery Manager はタイムアウトを強制して、テストまたはフェイルオーバー時に vSphere Replication によってレプリケートされた仮想マシンのオンラインまたはオフライン同期を完了します。同期処理が所定時間内に終了しないと(たとえば、ネットワーク速度が遅かったり、大きな仮想マシンであったりするため)、Site Recovery Manager はテストまたはフェイルオーバー時に障害を報告します。Site Recovery ユーザー インターフェイスでこのオプションを変更します。Site Recovery の [ホーム] タブで、サイト ペアを選択し、[詳細表示] をクリックします。左側のペインで [構成] > [詳細設定] > [vSphere Replication] の順に選択します。デフォルト値は 7200 で、使用している同期タイムアウトの間隔(14400 秒)に対応します。
[vrReplication.reverseReplicationTimeout] 再保護操作時のリバース レプリケーションのタイムアウト期間。Site Recovery ユーザー インターフェイスでこのオプションを変更します。Site Recovery の [ホーム] タブで、サイト ペアを選択し、[詳細表示] をクリックします。左側のペインで [構成] > [詳細設定] > [vSphere Replication] の順に選択します。デフォルト値は 7200 で、使用している同期タイムアウトの間隔(14400 秒)に対応します。
[storage.commandTimeout] ABR 関連のワークフローで SRA コマンドを実行するときのタイムアウトです。LUN やスナップショットを取得する場合など、場合によっては、一部のアレイでの応答にデフォルト時間より長くかかることがあります。Site Recovery ユーザー インターフェイスでこのオプションを変更します。Site Recovery の [ホーム] タブで、サイト ペアを選択し、[詳細表示] をクリックします。左側のペインで [構成] > [詳細設定] > [ストレージ] の順に選択します。デフォルト値は 300 秒です。