このトピックでは、使用可能な Kubernetes バージョンを一覧表示し、デフォルト以外の Kubernetes バージョンを使用してワークロード クラスタを展開する方法について説明します。
スタンドアローン管理クラスタを使用する Tanzu Kubernetes Grid の各バージョンには、Kubernetes のデフォルト バージョンとデフォルト以外の 2 つのバージョンが用意されています。デフォルト以外のバージョンは、tanzu kubernetes-release get
を実行して一覧表示できます。
Tanzu Kubernetes Grid は、Tanzu Kubernetes リリース (TKr) オブジェクトを使用して Kubernetes バージョンを管理します。TKr は、TKr で定義されている Kubernetes バージョンと互換性のある OS イメージ、コア Kubernetes コンポーネント、およびブートストラップ パッケージを指定します。デフォルトまたはデフォルト以外の TKr を使用して tanzu cluster create
を実行すると、Tanzu Kubernetes Grid は TKr で指定されたコンポーネントとブートストラップ パッケージを使用してクラスタを作成します。また、クラスタ構成ファイルを読み取り、クラスタの作成時に使用する互換性のある OS イメージを決定します。
サポートされている Kubernetes バージョンの完全なリストについては、『VMware Tanzu Kubernetes Grid 2.2 リリース ノート』の「Tanzu Kubernetes Grid v2.2 でサポートされている Kubernetes バージョン」を参照してください。
使用可能なすべての Kubernetes リリースを現在の互換性とアップグレード ステータスとともに一覧表示するには、次のようにオプションのバージョン一致引数を指定して tanzu kubernetes-release get
を実行します。
tanzu kubernetes-release get
を実行します。v1.24.11
に一致するすべてのリリースを一覧表示するには、tanzu kubernetes-release get v1.23.10
を実行します。tanzu kubernetes-release get
NAME VERSION COMPATIBLE ACTIVE UPDATES AVAILABLE
v1.23.17---vmware.1-tkg.1 v1.23.17+vmware.1-tkg.1 True True
v1.24.11---vmware.1-tkg.1 v1.24.11+vmware.1-tkg.1 True True
v1.25.7---vmware.1-tkg.1 v1.25.7+vmware.1-tkg.1 True True
特定のワークロード クラスタで使用可能な TKr バージョンを検出するには、次のようにクラスタの完全な名前を指定して tanzu cluster available-upgrades get
を実行します。
tanzu cluster available-upgrades get my-cluster
TKr は有効または無効にできます。TKr を有効にするには:
tanzu kubernetes-release activate TKR-NAME
例:
tanzu kubernetes-release activate v1.22.11---vmware.1-tkg.1
TKr を無効にするには:
tanzu kubernetes-release deactivate TKR-NAME
例:
tanzu kubernetes-release deactivate v1.22.11---vmware.1-tkg.1
Tanzu Kubernetes Grid の各リリースには、Kubernetes のデフォルト バージョンが用意されています。Tanzu Kubernetes Grid v2.2 のデフォルト バージョンは Kubernetes v1.25.7 です。
アップストリームの Kubernetes がパッチまたは新しいバージョンをリリースすると、VMware はパブリック レジストリでそれらを公開し、Tanzu Kubernetes リリース コントローラはそれらを管理クラスタにインポートします。これにより、tanzu
CLI は新しいバージョンに基づいてクラスタを作成できます。
vSphere および Azure では、デフォルト以外のバージョンの Kubernetes を実行するクラスタを展開する前に、追加の手順を実行する必要があります。
vSphere:適切な基本イメージ テンプレート OVA ファイルを vSphere にインポートし、仮想マシン テンプレートに変換します。基本 OVA ファイルを vSphere にインポートする方法については、「基本イメージ テンプレートの vSphere へのインポート」を参照してください。
Azure:Azure CLI コマンドを実行して、基本 OS バージョンのライセンスを受け入れます。ライセンスを受け入れると、今後はこの手順をスキップできます。
tanzu kubernetes-release get
コマンドの出力に一覧表示されているターゲットの Kubernetes バージョンを、次のように Azure イメージ SKU に変換します。
v
を k8s-
に変更します。.
を dot
に変更します。+vmware.*
を -ubuntu-2004
に変更して、Azure 上のすべての Tanzu Kubernetes Grid 仮想マシンのデフォルト OS バージョンである Ubuntu v20.04 を指定します。k8s-1dot25dot7-ubuntu-2004
、k8s-1dot23dot16-ubuntu-2004
。az vm image terms accept
を実行します。例:
az vm image terms accept --publisher vmware-inc --offer tkg-capi-2022-06-24 --plan k8s-1dot25dot7-ubuntu-2004
Amazon Web Services (AWS):アクションは不要です。サポート対象の Kubernetes バージョンを含む Amazon Linux 2 Amazon Machine Images (AMI) は、サポートされているすべての AWS リージョンのすべての AWS ユーザーに対して、公開されており使用可能です。Tanzu Kubernetes Grid は、指定した Kubernetes バージョンに対して適切な AMI を自動的に使用します。
プランベースのクラスタを展開する場合は、環境変数 ALLOW_LEGACY_CLUSTER
を true
に設定します。
export ALLOW_LEGACY_CLUSTER=true
使用している Tanzu Kubernetes Grid バージョンに対するデフォルト以外のバージョンの Kubernetes を使用してワークロード クラスタを展開するには、--tkr
オプションで Tanzu Kubernetes リリースを指定します。たとえば、Kubernetes v1.23.17 クラスタを展開するには、次のコマンドを実行します。
tanzu cluster create my-1-23-17-cluster --tkr v1.23.17---vmware.1-tkg
ワークロード クラスタの作成方法の詳細については、「ワークロード クラスタの作成」を参照してください。
OS バージョン、Kubernetes バージョン、およびターゲット インフラストラクチャの一般的な組み合わせのために、スタンドアローン管理クラスタを使用する Tanzu Kubernetes Grid はデフォルトのマシン イメージを提供します。必要に応じて、カスタム マシン イメージと TKr をビルドできます。
これを行う理由は次のとおりです。
手順については、「マシン イメージのビルド」を参照してください。