ThinApp は一部のアプリケーションを仮想アプリケーションに変換できないため、特定のアプリケーション機能をブロックする可能性があります。

ThinApp を使用して、アンチウイルス アプリケーション、スキャナおよびプリンタ ドライバ、ネットワーク共有上の DCOM サービスなどを含む、一部のアプリケーション タイプを仮想化することはできません。

次のアプリケーション タイプを展開するには、従来のインストール技術を使用する必要があります。

  • 展開のためのオペレーティング システムをネイティブにサポートしていないアプリケーション。

    オペレーティング システムがアプリケーションのネイティブ インストールをサポートしていない場合、ThinApp はそのアプリケーションの展開プラットフォームとして、そのオペレーティング システムをサポートしません。

  • カーネルモードのデバイス ドライバのインストールが必要なアプリケーション。

    ODBC ドライバ(ユーザーモードのドライバであるため)。

  • アンチウイルスおよびパーソナル ファイアウォール。
  • スキャナ ドライバおよびプリンタ ドライバ。
  • 一部の VPN クライアント。

デバイス ドライバを必要とするアプリケーション

デバイス ドライバを必要とするアプリケーションは、ThinApp でパッケージ化されている場合、動作しません。これらのデバイス ドライバは、元の形式でホスト コンピュータにインストールする必要があります。ThinApp は仮想化されたデバイス ドライバをサポートしていないため、ThinApp を使用してアンチウイルス、VPN クライアント、パーソナル ファイアウォール、ディスクとボリュームのマウント関連ユーティリティを仮想化することはできません。

Adobe Acrobat をキャプチャする場合は、PDF ファイルを変更して保存することはできますが、PDF プリンタ ドライバを使用して文書を PDF 形式に保存することはできません。

シェル統合アプリケーション

シェル統合を提供する一部のアプリケーションは、ThinApp パッケージ内にあるときは、機能が低下します。たとえば、Windows エクスプローラと統合された仮想アプリケーションは、特定のエントリを Windows エクスプローラのコンテキスト メニューに追加することができません。

ネットワーク上でアクセス可能な DCOM サービス

ThinApp では、COM サービスと DCOM サービスは分離されます。DCOM サービスをインストールするアプリケーションには、同じ ThinApp サンドボックスで実行されている他のキャプチャ済みアプリケーションによってのみ、ローカル コンピュータからアクセスできます。ThinApp は、同じコンピュータ上で仮想 DCOM と COM をサポートしますが、ネットワーク DCOM はサポートしません。

グローバル フックの動的リンク ライブラリを必要とするアプリケーション

一部のアプリケーションは、ホスト コンピュータ上のすべてのプロセスに DLL ファイルを追加するために、SetWindowsHookEx API 関数を使用します。DLL は、他のアプリケーションからのキーボードとマウスの入力をキャプチャするために、Windows メッセージを傍受します。ThinApp は、SetWindowsHookEx 関数を使用してグローバル フック DLL のインストールを試行するアプリケーションからの要求を無視します。ThinApp により、アプリケーションの機能が低下する可能性があります。

メッセージング アプリケーション プログラミング インターフェイスのサポート

ThinApp 5.1 以降では、次の Microsoft Windows プラットフォームでのメッセージング アプリケーション プログラミング インターフェイス (MAPI) 機能がサポートされます。
  • Windows 7
  • Windows 8 32 ビット
  • Windows 8 64 ビット
  • Windows 8.1 32 ビット
  • Windows 8.1 32 ビット

ThinApp でサポートされないアプリケーション タイプ

ThinApp は次のアプリケーション タイプを仮想化できません。

  • 16 ビットの DOS または Windows プラットフォームで実行される 16 ビット アプリケーション
  • 64 ビットの Windows プラットフォームで実行される 16 ビット アプリケーション
  • 16 ビットの DOS または Windows プラットフォームで実行される 32 ビット アプリケーション
  • 16 ビットの DOS または Windows プラットフォームで実行される 64 ビット アプリケーション
  • 32 ビットの Windows プラットフォームで実行される 64 ビット アプリケーション

AnyCPU フラグを使用してコンパイルされたアプリケーション

ThinApp は、32 ビットまたは 64 ビットの Windows プラットフォームで、AnyCPU フラグを使用してコンパイルされる実行可能ファイルを、32 ビット アプリケーションとして仮想化します。

アプリケーションが 64 ビット アプリケーションとしてのみ動作するように設計されている場合、ThinApp では、AnyCPU フラグを使用してコンパイルされた実行可能ファイルの仮想化が失敗する可能性があります。

次の例は、ThinApp の動作と、ThinApp の構築時に表示される警告メッセージを示しています。

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Warning – The following file(s) were compiled with anycpu flag: 
c:\ThinAppExample\%Desktop%\test\Example1.exe; 
c:\ThinAppExample\%drive_C%\test\Example2.exe; 
c:\ThinAppExample\%drive_C%\test\Example3.exe; 
Executables with anycpu packaged by VMware ThinApp may not work 
properly on a 64 bit OS. Please check the product documentation 
for further details.
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ThinAppExample は、ThinApp パッケージが含まれているシステム内のフォルダです。