構成ファイルの Settings セクションには、アプリケーションのインストール ディレクトリのパラメータと ThinApp のプロジェクト出力ディレクトリが UNC 形式で含まれています。これには、変換プロセスの動作を制御するパラメータもいくつか含まれています。
ThinApp Converter では、アプリケーション インストーラを含んでいるネットワーク共有に対しては、読み取り権限のみを必要とします。ThinApp プロジェクトを含んでいるネットワーク共有に対しては、読み取り/書き込み権限が必要です。
入力および出力ディレクトリが同じファイル サーバ上にある場合は、同じユーザー アカウントを使用して接続する必要があります。
InputUncPath
アプリケーション インストーラのネットワーク共有の UNC パスを指定します。例:\\fileserver\sharename、または \\fileserver\sharename\dirname
InputMountUserName
そのネットワーク共有への接続に使用するユーザー名を指定します。UPN 形式は、[email protected] などのドメイン ユーザーを指定するときに使用できます。
InputMountPassword または InputMountPasswordBase64
ネットワーク共有に接続するためのパスワードを指定します。パスワードを指定するときには、次のオプションを使用できます。
- クリア テキストを入力できます。
- PasswordBase64 パラメータに base64 でエンコードされたパスワードを指定できます。
InputMountPasswordPrompt
パスワードの入力をユーザーに求めるプロンプトを表示するよう指定します。
ネットワーク共有のパスワードを構成ファイルに保存しない場合は、値を true として指定します。true に設定すると、構成ファイルでパスワードが指定されている場合でも、プロンプトが常に表示されます。
OutputUncPath
生成された ThinApp プロジェクトの場所へのネットワーク共有の UNC パスを指定します。
例:\\fileserver\sharename、または \\fileserver\sharename\dirname
OutputMountUserName
OutputUncPath ネットワーク共有への接続に使用するユーザー名を指定します。UPN 形式は、[email protected] などのドメイン ユーザーを指定するために使用できます。
OutputMountPassword または OutputMountPasswordBase64
ネットワーク共有に接続するためのパスワードを指定します。パスワードを指定するときには、次のオプションを使用できます。
- クリア テキストを入力できます。
- PasswordBase64 パラメータに base64 でエンコードされたパスワードを指定できます。
OutputMountPasswordPrompt
パスワードの入力をユーザーに求めるプロンプトを表示するよう指定します。
ネットワーク共有のパスワードを構成ファイルに保存しない場合は、値を true として指定します。true に設定すると、構成ファイルでパスワードが指定されている場合でも、プロンプトが常に表示されます。
ネットワーク共有の仕様
この例では、ネットワーク共有の仕様を示しています。アプリケーションのインストール ディレクトリのユーザーには読み取り権限のみがあります。入力と出力の両方のネットワーク共有では、プロンプトが表示され、ユーザーにパスワードの入力を要求します。
[Settings] InputUncPath=\\AppInstallerServer\AppInstallers\ThinAppMigration InputMountUserName=readonlyUser InputMountPassword=secret InputMountPasswordPrompt=true OutputUncPath=\\DeploymentServer\ThinAppProj OutputMountUserName=readwriteUser OutputMountPassword=secret OutputMountPasswordPrompt=true
アプリケーションのインストール プロセスを検出するための ThinApp Converter のロジック
アプリケーション インストーラのネットワーク共有の場合、ThinApp Converter は、指定された UNC パスの下にあるすべてのサブディレクトリを、それらのサブディレクトリも含めて再帰的に調べます。サブディレクトリごとに、次のロジックを使用して、アプリケーションのサイレント インストールで実行するコマンドを決めます。
- 構成ファイルの [AppSettings:AppName] セクションで InstallationCommand の値の検索を試みます。成功すると、ThinApp Converter はその値を使用します。
- install.cmd または install.bat という名前のファイルを検索しようとします。成功すると、ThinApp Converter はそのファイルを実行します。
- ThinApp Converter が 1 つの .cmd または .bat ファイルを検出すると、そのファイルが実行されます。
- ThinApp Converter が 1 つの .exe ファイルを検出すると、そのファイルが実行されます。
- ThinApp Converter が 1 つの .mst ファイルを検出すると、そのファイルが実行され、必要なサイレント インストール スイッチが追加されます。
- ThinApp Converter が 1 つの .msi ファイルを検出すると、そのファイルが実行され、必要なサイレント インストール スイッチが追加されます。
どのステップにおいても、ThinApp Converter が正しいインストール コマンドを見つけることができない場合は、サブディレクトリがスキップされます。ログ ファイルに警告が記録されます。
ユーザー認証情報間の競合を回避するには、ThinApp Converter を実行しているホストから、INI ファイルにあるファイル サーバ参照へのすべてのネットワーク接続を削除する必要があります。
PackageIniOverrideFile
グローバル Package.ini オーバーライド ファイルのファイル パスを指定します。
このオプションのパラメータを使用すると、ThinApp プロジェクトごとに生成される Package.ini に対するグローバル オーバーライド ファイルを指定できます。オーバーライド ファイル内の値は、各アプリケーションに対して生成される ThinApp プロジェクトの Package.ini にマージされます。
グローバル オーバーライドは、たとえば Package.ini の PermittedGroup など、グローバル ポリシー設定がある場合に便利です。
Package.ini オーバーライド ファイルは、標準の Windows INI ファイルのようにフォーマットされます。Package.ini ファイルに関連する INI パラメータと値を追加できます。
パスは、アプリケーション インストーラのネットワーク共有に対する相対パスです。アプリケーション インストーラと ThinApp プロジェクトのネットワーク共有を指定する例を使用して PackageIniOverrideFile=override.ini
を指定した場合、ThinApp Converter は \\AppInstallerServer\AppInstaller でファイルの検索を試行します。事前定義された変数を使用して、より明示的な値を指定できます。詳細については、事前定義済みの環境変数を参照してください。
アプリケーションごとに、Package.ini ファイルを指定できます。このプロセスは、[AppSettings:AppName] セクションの一部として記載されています。
ExclusionList
ThinApp によってアプリケーションのインストーラの検索時にスキップされる、アプリケーション ディレクトリのカンマ区切りまたはセミコロン区切りのリストを指定します。
このリストでは大文字と小文字は区別されません。
DOS スタイルのファイル名には、ワイルドカードを指定できます。たとえば、Microsoft*. ?
や *
がサポートされています。
ワイルドカードを使用した除外仕様
この例では、ワイルドカードを使用した除外仕様を示しています。
[Settings] ExclusionList=App?.old;FireFox1.0
ProjectPostProcessingCommand
プロジェクトの後処理コマンドへのファイル パスを指定します。
ファイル パスは、アプリケーション インストーラのネットワーク共有に対する相対パスです。アプリケーション インストーラと ThinApp プロジェクトのネットワーク共有の指定例を使用して ProjectPostProcessingCommand=addscript.bat,
を指定した場合、ThinApp Converter は \\AppInstallerServer\AppInstaller でファイルの検索を試行します。事前定義された変数を使用して、より明示的な値を指定できます。詳細については、事前定義済みの環境変数を参照してください。
StopOnError
エラーが発生した場合に、ThinApp Converter がアプリケーションの変換を停止するかどうか、または他のアプリケーションで続行するかどうかを指定します。デフォルト値は false
です。
BuildAfterCapture
ThinApp Converter が、キャプチャに続いてパッケージに ThinApp プロジェクトを構築するかどうかを指定します。
デフォルト値は true
です。
DetectIdle
アプリケーションのインストーラが停止状態であることが ThinApp Converter によって検出されるかどうかを指定します。これは、たとえば、不正なサイレント インストール スイッチが指定されているために、アプリケーションがゲスト仮想マシンでのユーザー入力を待機している場合が該当します。
デフォルト値は true
です。ThinApp Converter は、必ずしもインストーラがアイドル状態である状況のすべてを検出できるわけではありません。
InstallerTimeout
ThinApp Converter が終了する前にアプリケーション インストーラが完了するまで待機する時間を指定します。
デフォルトでは、この値は 7200
秒です。