DirectoryIsolationMode パラメータは、物理ファイル システムへのディレクトリの読み取りおよび書き込みアクセスのレベルを指定します。

キャプチャ プロセスでは、 Package.ini ファイルの DirectoryIsolationMode パラメータの初期値を設定します。このパラメータは、個々のディレクトリの ##Attributes.ini ファイルで別の隔離モードを指定した場合を除き、仮想アプリケーションによって作成されるファイルのデフォルトの隔離モードを制御します。C:\myfolder などの未指定のディレクトリはすべて、Package.ini ファイルから隔離モードを継承します。

ThinApp は、キャプチャ プロセスで MergedWriteCopy 隔離モードのオプションのみを提供します。セットアップ キャプチャ ウィザードの外部で完全隔離モードを使用して、仮想環境を保護することができます。

Merged 隔離モードでは、アプリケーションは仮想パッケージの外部で物理ファイル システムの要素の読み取りと変更を行うことができます。一部のアプリケーションは、ローカル システム イメージ内の DLL およびレジストリ情報の読み取りに依存しています。Merged モードを使用するメリットは、ユーザーが保存したドキュメントがサンドボックスではなく、ユーザーが想定している場所の物理システムに表示されることです。このモードの欠点は、システム イメージが乱雑になる可能性があることです。乱雑化の例としては、ライセンス プロセスの一部としてコンピュータのランダムな場所に書き込まれたシェアウェア アプリケーションの初回実行マーカーがあります。

WriteCopy 隔離モードでは、ThinApp は書き込み操作を傍受し、サンドボックスにリダイレクトすることができます。レガシー アプリケーションまたは信頼されていないアプリケーションに対して、WriteCopy 隔離モードを使用できます。このモードは、物理システムではなくサンドボックスに存在するユーザー データ ファイルを見つけることを困難にする可能性がありますが、ユーザーがローカル ファイル システムに影響を与えないようにするためにロックダウンされたデスクトップでは役立ちます。

Full 隔離モードでは、ThinApp は、仮想アプリケーション パッケージの外部のシステム要素に対する可視性をブロックします。このモードでは、ファイルまたはレジストリ キーに対する変更がサンドボックスに制限され、仮想アプリケーション パッケージの外部の環境との相互作用がないようになります。Full 隔離により、仮想アプリケーションと、物理システムにインストールされているアプリケーションとの間でのアプリケーションの競合を回避できます。このモードでは、システム DLL を検出およびロードする機能がブロックされるため、Package.ini ファイルで Full 隔離モードは使用しないでください。Full 隔離モードは、##Attributes.ini ファイルのオーバーライド メカニズムとして使用できます。

ThinApp は、ランタイムでのレジストリおよびファイル システムの隔離モードをサンドボックスにキャッシュします。プロジェクトの隔離モードを変更し、実行可能ファイルを再ビルドする場合、それらの変更内容を反映させるためにサンドボックスを削除することがあります。

パラメータは [Isolation] の見出しの下に配置する必要があります。

##Attributes.ini ファイル設定の変更の詳細については、『ThinApp ユーザー ガイド』を参照してください。

WriteCopy 隔離の使用

この例では、WriteCopy 隔離を使用して DirectoryIsolationMode パラメータを変更し、仮想アプリケーションによるローカル マシンのリソースの読み取りを可能にしますが、ホスト コンピュータへの書き込みはできないようにします。これは、snapshot.exe ユーティリティのデフォルト設定です。

[Isolation]
DirectoryIsolationMode=WriteCopy

マージ隔離の使用

この例では Merged 隔離モードを割り当てて、パッケージで指定されている場合を除き、仮想アプリケーションがリソースを読み取ることと、コンピュータ上の任意の場所に書き込むことができるようにします。Merged は、セットアップ キャプチャ ウィザードのデフォルト設定です。

[Isolation]
DirectoryIsolationMode=Merged