Workspace ONE Access から配布する ThinApp アプリケーションをキャプチャして保存する場合は、ThinApp パッケージとネットワーク共有リポジトリの特定の要件を満たす必要があります。また、統合に必要なすべてのコンポーネントがサポート対象のバージョンであることを確認します。
コンポーネントの要件
Workspace ONE Access と ThinApp の統合には、次のコンポーネントが必要です。
- Workspace ONE Access クラウド テナントまたは Workspace ONE Access 仮想アプライアンス バージョン 22.09 以降
- 仮想アプリケーション サービスの 1 つ以上のインスタンス、Workspace ONE Access Windows Connector のコンポーネント、バージョン 22.09 以降
- VMware ThinApp のインストール、バージョン 5.2.9 以降
- (エンド ユーザー向け)Windows 10 20H2 マシンにインストールされている Workspace ONE Access Desktop アプリケーション、バージョン 22.09 以降
ThinApp アプリケーションの要件
- Workspace ONE Access で管理できる ThinApp パッケージを作成または再パッケージ化するには、Workspace ONE Access がサポートするバージョンの ThinApp を使用する必要があります。Workspace ONE Access は ThinApp 5.2.9 以降をサポートします。サポートされているバージョンの最新情報については、VMware 製品の相互運用性マトリックスを参照してください。
- Workspace ONE Access で管理できる ThinApp パッケージを作成する必要があります。Workspace ONE Access と互換性のあるパッケージを作成するために使用する適切なパラメータについては、VMware ThinApp に関するドキュメントを参照してください。
既存の ThinApp パッケージでは、relink - h コマンドを使用してパッケージを Workspace ONE Access に対応させることができます。
- ThinApp パッケージは、Workspace ONE Access の要件を満たすネットワーク共有に保存する必要があります。
ネットワーク共有リポジトリでの要件
ThinApp パッケージはネットワーク共有(ThinApp パッケージ リポジトリとも呼ばれる)に存在する必要があります。Workspace ONE Access には、ネットワーク共有に関する次の要件があります。
- ネットワーク共有は、ThinApp パッケージへのアクセスに使用される Workspace ONE Access Desktop アプリケーションを実行している各システムから、UNC(汎用命名規則)パスを使用してアクセスできる必要があります。たとえば、
server
という名前のホスト上のappshare
という名前のネットワーク共有は、UNC パス \\server\appshare を使用してアクセスできます。 - ネットワーク共有フォルダの完全修飾ホスト名は、Workspace ONE Access Connector から解決できる必要があります。
- Workspace ONE Access は、サーバ メッセージ ブロック (SMB) ファイル共有のみをサポートします。
- Workspace ONE Access は、ネットワーク共有へのアカウントベースのアクセスのみをサポートします。
コネクタは、ネットワーク共有およびパッケージへのアクセスに共有ユーザー アカウントおよびパスワードを使用するよう構成する必要があります。共有ユーザー アカウントおよびパスワードは、ネットワーク共有フォルダへの UNC パスに対して読み取りアクセスが可能な任意の組み合わせです。
- ThinApp パッケージには、次のインストール モードを使用できます。
- ユーザーの Windows システムがドメインに参加していない場合、クライアントでは HTTP_DOWNLOAD インストール モードを使用して仮想アプリケーションを取得する必要があります。このインストール モードは、仮想アプリケーションに ThinApp ダウンロード モードを使用することに相当します。
コネクタは共有ユーザー アカウントを使用して、リポジトリからパッケージを取得します。
- ユーザーが Windows システムをドメインに参加させると、クライアントでは COPY_TO_LOCAL インストール モードまたは RUN_FROM_SHARE インストール モードのどちらかを使用して、ユーザーに使用資格が付与された ThinApp パッケージを実行することができます。クライアントの Windows システムへのログインに使用するアカウントは、パッケージをネットワーク共有から取得するために使用されるユーザー アカウントであり、このアカウントには、ネットワーク共有上での適切な権限が必要です。
- ユーザーの Windows システムがドメインに参加している場合と参加していない場合があるときには、COPY_TO_LOCAL モードを使用し AUTO_TRY_HTTP オプションを有効にしてクライアントをインストールできます。
この構成では、クライアントはまず COPY_TO_LOCAL モードを使用して、パッケージをダウンロードしようとします。このとき Windows システムがドメインに参加していない場合、パッケージをコピーしようとするその試みは失敗します。ただし、AUTO_TRY_HTTP オプションが有効な場合は、クライアントは直ちに HTTP を使用してパッケージをダウンロードしようと試みます。COPY_TO_LOCAL と AUTO_TRY_HTTP のこの組み合わせは、クライアントのインストーラ プログラムのグラフィカル バージョンを実行して Workspace ONE Access Desktop アプリケーションを Windows システムにインストールするときのデフォルトです。
重要: HTTP_DOWNLOAD モードでは、ThinApp 仮想アプリケーションのコレクションで設定したベース ダウンロード URL にユーザーの Windows マシンからアクセスできる必要があります。RUN_FROM_SHARE および COPY_TO_LOCAL モードでは、ユーザーの Windows マシンから ThinApp 共有にアクセスできる必要があります。
- ユーザーの Windows システムがドメインに参加していない場合、クライアントでは HTTP_DOWNLOAD インストール モードを使用して仮想アプリケーションを取得する必要があります。このインストール モードは、仮想アプリケーションに ThinApp ダウンロード モードを使用することに相当します。
また、ThinApp パッケージ リポジトリは次の条件を満たす必要があります。
- 設定に Active Directory ドメインに参加しているシステムが含まれる場合、不整合のある名前空間により、ThinApp パッケージをホストするネットワーク共有へのドメイン メンバー コンピュータからのアクセスが妨げられないことを確認します。不整合のある名前空間は、Active Directory ドメイン名が、そのドメイン内のマシンが使用する DNS 名前空間と異なる場合に発生します。
- ネットワーク共有のファイル権限と共有権限は、アプリケーションを実行する機能と読み取りアクセス権を、COPY_TO_LOCAL または RUN_FROM_SHARE オプションを使用して ThinApp アプリケーションを実行するユーザーに提供するように構成する必要があります。
たとえば、ThinApp アプリケーションをストリーミング モードで実行するユーザーの Active Directory ユーザー アカウントの場合、共有フォルダの権限を [読み取り] に、NTFS 権限を [読み取りと実行] に設定することで、アプリケーションを実行する機能と読み取りアクセス権をそれらのユーザーに提供できます。
[読み取りと実行] の NTFS 権限の設定は、ThinApp のストリーミング モードを使用した ThinApp アプリケーションの実行に必要です。これは、Workspace ONE Access Desktop アプリケーションの RUN_FROM_SHARE インストール モードに対応します。組織で NTFS 権限を [読み取り] に設定する必要がある場合、ユーザーは仮想アプリケーションに対して ThinApp ダウンロード モードを使用できます。ThinApp ダウンロード モードは、COPY_TO_LOCAL インストール モードまたは HTTP_DOWNLOAD インストール モードのどちらかを使用した Windows クライアントのインストールに対応します。どちらのインストール モードを使用しても、アプリケーションは Windows システムにダウンロードされ、ローカルで起動されます。
ネットワーク共有では、ThinApp パッケージは、名前空間の直下のサブディレクトリではなく、名前空間の下のディレクトリ内の個別のサブディレクトリに配置する必要があります。たとえば、\\server\appshare\thinapp1、\\server\appshare\thinapp2 などです。Workspace ONE Access が管理する ThinApp パッケージのためのネットワーク共有の作成を参照してください。