Workspace ONE Boxer でのカレンダーとメールボックスの委任

このトピックでは、iOS と Android の両方のプラットフォームに対応する Workspace ONE Boxer でのカレンダーとメールボックスの委任に関する情報を提供します。

カレンダーとメールボックスの委任の要件

Workspace ONE Boxerでカレンダーとメールボックスの委任機能を有効にするには、次の要件を満たしていることを確認します。

  • 必要な Exchange サーバのバージョンは次のとおりです。
    • カレンダーの委任 - Microsoft Exchange Server 2010 以降
    • メールボックスの委任 - Microsoft Exchange Server 2013 以降
  • 使用する認証タイプが Exchange Web Services (EWS) と Exchange ActiveSync (EAS) の両方で同じであることを確認します。
    カレンダーとメールボックスの委任では、次の認証タイプがサポートされています。
    • 先進認証
    • ベーシック認証
    • 証明書ベースの認証
  • Exchange Server で EWS が有効になっていることを確認します。
  • Secure Email Gateway (SEG) を使用している場合は、SEG 構成フォルダにある application.properties ファイルで EWS が有効になっていることを確認します。
    SEG で EWS を有効にする方法の詳細については、『Secure Email Gateway (SEG) V2』ドキュメントの「E メール通知サービスの SEG V2 EWS プロキシの構成 」トピックを参照してください。
  • 環境内で E メール通知サービス 2 (ENS2) が有効になっていない場合は、EWSUrl キーが Workspace ONE UEM コンソールの Workspace ONE Boxer のアプリケーション構成に追加されていることを確認します。
    EWSUrl キーの構成の詳細については、『E メール通知サービス 2 (ENS2)』ドキュメントの「ENS2 アプリケーション構成キー」トピックを参照してください。
  • 委任元と委任先が同じ Active Directory にあることを確認します。
  • 委任アカウントと共有アカウントを Workspace ONE Boxer で使用するには、委任元が委任先のアカウントに権限を付与する必要があります。
    これらの権限を付与するには、Exchange 管理センター (EAC)、Exchange 管理シェル、デスクトップまたは Web 用の Outlook メールを使用できます。Exchange 管理センター (EAC) を使用することをお勧めします。EAC は、Exchange Server 2013 以降でサポートされている Web ベースの管理コンソールです。Exchange Management Console (EMC) または Exchange Control Panel (ECP) は、以前のバージョンの Exchange Server で使用できます。

Workspace ONE Boxer でのカレンダーの委任

カレンダーの委任を使用すると、カレンダー画面を使用して、別の従業員の代わりに会議招待を処理するための権限を従業員に付与できます。

カレンダーの委任を構成する場合は、委任先と委任元を特定する必要があります。委任元は、元のカレンダーの所有者です。委任先は、カレンダーを管理するために追加されたユーザーです。たとえば、幹部が委任元で、幹部のアシスタントが委任先である場合が考えられます。

委任先は、以下を実行できます。

  • 委任されたカレンダーを追加し、委任元のカレンダーを管理します。
  • 委任元の代わりに会議招待を受信して返信します。

注:Workspace ONE Boxer では、複数の個別カレンダーの共有はサポートされていません。

次の考慮事項に注意してください。

  • Workspace ONE Boxer は、連絡先の委任をサポートしていません。
  • 委任元がアクセスを付与しない限り、委任先は委任元のプライベート イベントにアクセスできません。
  • EAS プロトコルの制限により、委任先は定期的なイベントを除いて添付ファイルを変更できません。
  • Android 向け Workspace ONE Boxer では、現在、共有カレンダーと委任カレンダーは手動でのみ同期できます。

カレンダーの委任

カレンダーを委任する場合、委任元は委任先が自分の(委任元の)カレンダーに対して必要とするアクセス レベルを決定できます。これらの権限に基づいて、委任先は委任元の代わりにさまざまなアクションを実行できます。

カレンダーの委任の権限の構成は、委任元の環境に存在する Exchange 設定によって異なります。権限の構成の詳細については、関連する Microsoft のドキュメントを参照することができます。

Workspace ONE Boxer を使用した委任カレンダーの管理

委任アクセス権があれば、委任先は委任元のカレンダーの読み取り、作成、変更、会議要求の送信、応答を代わりに行うことができます。

注: 委任元のカレンダーを管理する前に、委任元は委任先にアクセス権を付与する必要があります。

委任先は、次の手順を実行する必要があります。

  1. [Boxer 設定] > [アカウントを追加] > [共有アカウントを追加] > [アカウントを選択] の順に選択し、委任元のメール アカウントを追加します。

  2. [カレンダー] タブで委任されたカレンダーが同期されるまで待ちます。

注:委任先が Office 365 アカウントを使用している場合、委任先のカレンダー画面に重複するカレンダーが表示されることがあります。

Workspace ONE Boxer でのメールボックスの委任

メールボックスの委任機能を使用して、ある従業員の Exchange フォルダをその従業員に代わって処理するアクセス権を、別の従業員に付与することができます。たとえば、幹部のメールボックスを、幹部が設定した権限に基づいて幹部のアシスタントが管理することができます。

メールボックスの委任を有効にする場合は、委任先と委任元を特定する必要があります。委任元はメールボックスの実際の所有者であり、委任先はメールボックスを管理するために追加されたユーザーです。たとえば、幹部が委任元で、幹部のアシスタントが委任先である場合が考えられます。

E メール分類は、共有アカウントと委任アカウントでサポートされている機能です。委任元は、委任先がメールボックスにアクセスするためのさまざまな権限レベルを設定できます。権限は次のとおりです。

  • フル アクセス - 委任先は委任元の E メールを読んだり、トリアージしたりすることができます。
  • 代理送信 - 委任先は委任元の代わりに E メールを送信できます。
    たとえば、委任先が E メールを書いて委任元のメールボックスから直接送信できます。

委任元は、Workspace ONE Boxer の連絡先は委任できません。

注:Exchange 管理センターでカレンダーの委任を有効にして Exchange Server 2013 以降を使用している場合、メールボックスの委任に構成を追加する必要はありません。

Workspace ONE Boxer での別のユーザーのメールボックスの管理

委任先に委任権限が付与されたら、委任先は委任元の Exchange フォルダを作成、更新、削除、およびコピーできます。委任先は、委任元の代わりに E メールを読んで応答することもできます。これを実現するには、委任先は委任元のアカウントを Workspace ONE Boxer に追加する必要があります。

委任元は、委任先が委任元のメールボックスを使用できるように、委任先にアクセス権を付与する必要があります。委任元のメールボックスを管理するには、委任先が次の手順を実行する必要があります。

  1. [Boxer 設定] > [アカウントを追加] > [共有アカウントを追加] > [アカウントを選択] の順に選択し、委任元のメール アカウントを追加します。

  2. 委任元のメール アドレスを入力します。
    構成済みの委任カレンダーがすでに存在する場合、委任先はアカウントを削除して再度追加する必要があります。

    注:大規模な E メールアカウントの初期同期には、時間がかかることがあります。このプロセスを加速するには、Workspace ONE Boxer アプリケーションを開いたままにする必要があります。現在 Workspace ONE Boxer の、共有アカウントまたは委任アカウントの同期ウィンドウは、プライマリ アカウントの同期ウィンドウと同じです。

共有メールボックスとカレンダーを Workspace ONE Boxer に追加する

iOS と Android の両方に対応する Workspace ONE Boxer により、ユーザーがアクセス権を持つ共有アカウントを追加し、割り当てられた権限に基づいて、そのアカウントで共同作業を実行することができます。

共有アカウントは、複数のユーザーが共通のメール アドレスを使用して E メールを送受信できるアカウントです。この機能は、一般的なメールボックスを管理してお客様の問い合わせに対処するチームとって便利な機能となります。管理者が設定した権限に基づいて、エンド ユーザーは、E メール メッセージやカレンダーの招待状を含む共有アカウントにアクセスし、イベントや E メールをアカウントとして送信できます。共有アカウントには共通のカレンダーも用意されており、メンバーはイベントを作成、読み取り、更新、削除したり、空き時間を確認したりできます。

エンド ユーザーが共有アカウントを追加するには、[Boxer 設定] > [アカウントを追加] > [共有アカウントを追加] の順に移動します。共有アカウントにはパスワードが設定されていないため、ユーザーは直接ログインすることができません。ユーザーは共有アカウントにメンバーを追加し、Exchange 管理センターを使用して次の権限を付与できます。

  • フル アクセス:ユーザーは共有アカウントにアクセスできます。ユーザーは、カレンダー項目の作成や E メール メッセージの読み取り、表示、削除、変更に加え、タスクやカレンダーの連絡先の作成を実行できます。ユーザーは、代理送信の権限を使用して共有アカウントから E メールを送信できます。

  • 代理送信:ユーザーは E メールを送信するときに、共有メールボックスになりすことができます。
    たとえば、共有メールボックスに送信されたメッセージに返信すると、自分のメール アドレスではなく、共有メールボックスからのメールとして表示されます。

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