実行中の仮想マシンは、仮想ハード ディスクの内容に矛盾が生じないようにロック ファイルを作成します。ロック ファイルがないと、複数の仮想マシンがディスクの読み取りや書き込みを行うことができるため、データが失われる恐れがあります。

ロック ファイルのサフィックスは .lck です。ロック ファイルは、仮想ディスク(.vmdk)ファイルと同じディレクトリのサブディレクトリに作成されます。ロック サブディレクトリとロック ファイルは、.vmdk ファイル、.vmx ファイル、および .vmem ファイルに対して作成されます。

すべてのホスト OS で使用されるロック方法が統一されたため、各ホスト OS 間にまたがって共有されるファイルは完全に保護されるようになりました。たとえば、他のユーザーが Windows ホストですでにパワーオンしている仮想マシンを、Linux ホストのユーザーがパワーオンしようとした場合、ロック ファイルによって、Linux ホストのユーザーがその仮想マシンをパワーオンすることが防止されます。

仮想マシンをパワーオフすると、ロック サブディレクトリとロック ファイルは削除されます。仮想マシンがこれらのロック制御を削除できない場合、古いロック ファイルが残ります。たとえば、仮想マシンによってロック制御が削除される前にホスト システムで問題が発生すると、古いロック ファイルが残ります。

仮想マシンは、再起動した際に、ロック サブディレクトリに古いロック ファイルがないかどうかを検索し、可能な場合はそれらのファイルを削除します。仮想マシンを実行中のホスト システムにロック ファイルが作成され、かつロックを作成したプロセスが終了している場合に、ロック ファイルは古くなったとみなされます。どちらかの条件が満たされていない場合は、仮想マシンをオンにすることができないことを告げる警告画面が表示されます。ロック ディレクトリとそのロック ファイルは手動で削除できます。

また、ロックによって物理ディスク パーティションも保護されます。ホスト OS はこのロック規定を認識しないため、ロックを無視してしまいます。このため、仮想マシンの物理ディスクをホスト OS と同じ物理ディスクにインストールしてください。