ミニオン ワークスペースは、ミニオンの詳細の表示、ID などのプロパティによるミニオンの検索または並べ替え、アドホック ジョブまたはコマンドの実行、新しいターゲットの作成に使用されます。また、このワークスペースを使用して、接続されたピラー、ジョブの実行、キーの受け入れまたは拒否などのターゲット設定を調整したり、ターゲットにロールやピラーを割り当てたりすることもできます。詳細については、「ミニオン」を参照してください。
ミニオンとターゲットの管理
ミニオン ワークスペースには、ミニオン サービスを実行しているすべての Salt ミニオンと、現在 SaltStack Config で管理されているすべての Salt ミニオンのリストが含まれています。ミニオンは minion サービスが実行されるノードであり、Salt マスターからのコマンドをリッスンして、要求されたタスクを実行できます。Salt マスター自体がミニオン サービスを実行できるため、必要に応じて Salt Contoller サービスを実行するノードを構成および管理することが可能です。
ワークスペースのサイド パネルには、ターゲットのリストが含まれています。ターゲットは 1 つ以上の Salt マスター上に構成されるミニオンのグループで、これに対してジョブの Salt コマンドが適用されます。Salt マスターもミニオンのように管理でき、ミニオン サービスを実行している場合はターゲットにすることができます。ジョブや処理のターゲットを定義することで、実行する必要のないノードで処理が実行されるのを防ぐこともできます。ターゲットには、環境内の Salt マスターに接続されているミニオンを含めることができます。ピラー データはさまざまなターゲットに適用できます。ピラーは、Salt マスターで定義されるデータの構造であり、ターゲットを使用して 1 台以上のミニオンに渡されます。これにより、機密のターゲット データを関連するミニオンにのみ安全に送信できます。詳細については、ピラーを参照してください。
デフォルトでは、ワークスペースを開くと、[すべてのミニオン] ターゲットがアクティブになっています。[すべてのミニオン] ターゲットには、アクセス権限があるすべてのミニオンが一覧表示されます。
アドホック ジョブまたはコマンド
ミニオン ワークスペースには [コマンドを実行] コントロールも含まれており、再利用可能なジョブを作成することなく単一のアドホック コマンドを 1 台以上のミニオンで実行できます。この機能は、コマンドの迅速な実行のほか、トラブルシューティング時や初期構成時など、日常のワークフローに含まれない 1 回限りのジョブの実行に便利です。詳細については、コマンドの実行を参照してください。
ミニオン ワークスペースでは、アドホック ジョブまたはコマンドを以下に対して実行できます。
- 単一のミニオン
- ミニオンのリスト
- 1 台またはすべての Salt マスター(salt-run を使用)
- ターゲット
SaltStack Config の他のワークスペースと一緒にミニオン ワークスペースを使用し、構成管理用のジョブを作成および使用する方法の概要については、SaltStack Config ジョブのワークフローを参照してください。
ミニオン ワークスペースへのアクセス
ミニオン ワークスペースを使用するには、サイド メニューの [ターゲット] をクリックします。
ミニオンの詳細の表示
特定のミニオンの詳細を表示するには、次の手順に従います。
- ミニオン ワークスペースで、[ミニオン ID] 列からミニオン ID を選択し、ミニオンの詳細ページを開きます。
- ミニオンの詳細ページでは、グレインのリストや、ミニオンに関する情報を確認できます。また、単一のミニオンに対してアドホック ジョブを実行することもできます。
- [アクティビティ] タブを選択して、ミニオンのジョブ履歴を表示します。詳細については、ジョブを参照してください。
ミニオン データのダウンロード
すべてのミニオンのデータをダウンロードするには、次の手順に従います。
- ミニオン ワークスペースで、[その他のアクション] をクリックしてメニューを開きます。
- メニューの [テーブルのダウンロード] で、必要な形式を選択してダウンロードを開始します。
ミニオンの検索
特定のミニオンを検索するには、次の手順に従います。
- ミニオン ワークスペースで、検索する列のフィルタ ボタン をクリックします。
- 検索条件の入力を開始すると、すぐに行フィルタが表示されます。たとえば、[ミニオン] 列でミニオン ID を検索できます。
注:
列名を 1 回クリックすると、行を降順にソートできます。もう一度クリックすると、順序を反転できます。フィルタリングの詳細については、テーブルの列のフィルタリングと並べ替えを参照してください。
テーブルの列のフィルタリングと並べ替え
各列をフィルタリングするには、そのフィルタ アイコン を選択し、フィルタ条件を選択または入力します。フィルタをクリアするには、ミニオン テーブルの上にある [フィルタのクリア] ボタンをクリックします。
列名を選択して列を並べ替えることもできます。テーブルに表示される列をカスタマイズするには、ミニオン テーブルの下の隅にある [列の表示] ボタン をクリックします。
[すべてのミニオン] ターゲットに対してフィルタを設定すると、そのフィルタがすべてのターゲットで維持されます。
フィルタ、列の並べ替え、列の可視性の各設定は、ログインに使用するデバイスに関係なくユーザーごとに保持されます。つまり、ユーザーがログインしたときは、フィルタをクリアしたり並べ替えと可視性の設定を変更しない限り、次回のログイン時にも同じフィルタリング、並べ替え、可視性の設定が表示されます。
列名を選択して列を並べ替えることもできます。
アドホック ジョブの実行
ミニオン ワークスペースでは、アドホック ジョブまたはコマンドを以下に対して実行できます。
- 単一のミニオン
- ミニオンのリスト
- 1 台またはすべての Salt マスター(salt-run を使用)
- ターゲット
ターゲットは動的で、新しいミニオンは一致するターゲット定義に自動的に追加されます。ジョブを実行する前に、ターゲットに含まれるミニオンを必ず確認してください。
SaltStack Config の他のワークスペースと一緒にミニオン ワークスペースを使用し、構成管理用のジョブを作成および使用する方法の概要については、SaltStack Config ジョブのワークフローを参照してください。
アドホック ジョブを実行するには、次の手順に従います。
- ミニオン ワークスペースで、ジョブの実行対象とするミニオン、ターゲット、またはミニオンのリストを選択します。
- 単一のミニオンやミニオンのリストを選択するには、テーブル内のミニオンの横にあるチェックボックスをオンにします。
- ターゲットを選択するには、[ターゲット] サイド パネルでターゲットの名前をクリックします。現在選択されているターゲットの名前が、ミニオン リストの上に表示されます。
- [ジョブの実行] をクリックしてジョブを実行します。
- 確認ダイアログで実行するジョブを選択し、正しいターゲットまたはミニオンが選択されていることを確認します。
- 必要に応じて追加オプションを選択し、[今すぐ実行] をクリックします。
ジョブの詳細と、ジョブの実行時に使用できるさまざまなオプションについては、ジョブを参照してください。
ミニオンの [ミニオン ID] を選択してミニオンの詳細ページを表示することで、単一のミニオンでジョブを実行することもできます。
コマンドの実行
ミニオン ワークスペースでは、アドホック ジョブまたはコマンドを以下に対して実行できます。
- 単一のミニオン
- ミニオンのリスト
- 1 台またはすべての Salt マスター(salt-run を使用)
- ターゲット
ターゲットは動的で、新しいミニオンは一致するターゲット定義に自動的に追加されます。ジョブを実行する前に、ターゲットに含まれるミニオンを必ず確認してください。
SaltStack Config の他のワークスペースと一緒にミニオン ワークスペースを使用し、構成管理用のジョブを作成および使用する方法の概要については、SaltStack Config ジョブのワークフローを参照してください。
1 台以上のミニオンに対してコマンドを実行するには、次の手順に従います。
- ミニオン ワークスペースで、ジョブの実行対象とするミニオン、ターゲット、またはミニオンのリストを選択します。
- 単一のミニオンやミニオンのリストを選択するには、テーブル内のミニオンの横にあるチェックボックスをオンにします。
- ターゲットを選択するには、[ターゲット] サイド パネルでターゲットの名前をクリックします。現在選択されているターゲットの名前が、ミニオン リストの上に表示されます。
- [コマンドを実行] をクリックします。
- [コマンドを実行] ダイアログで、正しいコマンドとターゲットが選択されていることを確認し、関数を選択します。
注:
salt-run
コマンドを選択した場合は、コマンドをすべての Salt マスターで実行するか、または特定の Salt マスターで実行するかを選択できます。これは Salt ランナーと呼ばれています。詳細については、Salt ランナーを参照してください。必要に応じて引数を含めます。Salt コマンドおよび関数の詳細については、ジョブを参照してください。
- [コマンドを実行] をクリックします。
コマンドはジョブとして実行されます。進捗状況と結果は、SaltStack Config の他のジョブと同様に追跡できます。ジョブの戻り値を参照してください。
新しいターゲットの作成
SaltStack Config の各ターゲットには名前、Salt マスター、ターゲット基準が含まれています。1 台以上のミニオンを含む新しいターゲットを定義するには、次の手順に従います。
- ミニオン ワークスペースで、[ターゲット] サイド パネルの [すべてのミニオン] をクリックします。
- [ターゲットの作成] ボタンをクリックします。
- [ターゲットの作成] ダイアログの [名前] フィールドに、新しいターゲットのわかりやすい名前を入力します。
- デフォルトでは、[すべてのマスター] 設定が有効なため、すべての Salt マスターで管理されているミニオンをターゲットに含めることができます。このボタンをクリックして、このターゲットを 1 台以上の Salt マスターに関連付けられた一部のミニオンのみに適用します。
この設定を無効にすると、ターゲットを適用する Salt マスターの選択に使用できるメニューが表示されます。詳細については、ターゲット設定を参照してください。
- [グレイン] メニューをクリックし、使用するターゲットのタイプを選択します。グレイン、グロブ、リスト、または複合を使用して、ミニオンをターゲットにできます。これらのターゲット設定オプションの詳細については、ターゲット設定を参照してください。Salt ターゲットに関する一般的な背景情報の詳細については、Targeting Minionsを参照してください。
- 前の手順で選択したターゲットのタイプに応じて、さまざまなターゲット設定および基準を使用できます。これらの設定の詳細については、ターゲット設定を参照してください。
注:
最初の基準として複合を選択する場合は、Salt のターゲット設定に関するリファレンスに含まれるターゲット設定構文を使用する必要があります。また、複合ターゲット定義に 2 番目の基準を含める必要があります。SaltStack Config では、ターゲット エディタに他の基準を追加することはできません。複合ターゲット設定の詳細については、ターゲット設定を参照してください。
- 完了したら、[保存] をクリックします。
簡単なリスト ターゲットの定義
簡単なリストを使用して新しいターゲットを作成するには、次の手順に従います。
- ミニオン ワークスペースで、[ターゲット] サイド パネルの [すべてのミニオン] をクリックします。
- リストに含めるミニオンの横にあるチェックボックスをクリックし、[ターゲットの作成] をクリックします。
注:
リストを定義する際は、ミニオンのフィルタリングや並べ替えが役に立ちます。テーブルの列のフィルタリングと並べ替えを参照してください。
選択したリストが基準として含まれます。
- ターゲット名を入力し、追加のターゲット設定を定義します。ターゲット設定を参照してください。
- 完了したら、[保存] をクリックします。
ターゲットへのピラーの割り当て
ミニオンの特定のターゲットにピラー データを割り当てる手順は、以下のとおりです。
- ミニオン ワークスペースで、[ターゲット] サイド パネルからターゲットを選択します。
- [その他のアクション] をクリックします。
- メニューで、[ピラーの適用] をクリックします。
- ダイアログで、ターゲットに適用するピラーを選択します。
ピラーの選択に加え、[ピラーの更新] を選択して、そのピラーを選択したターゲットですぐに使用できるようにします。
- [ターゲットの更新] をクリックします。
これで、選択したピラー データをターゲット内のすべてのミニオンで使用できます。
注:ピラー ワークスペースでもターゲットにピラーを割り当てることができます。ピラーを参照してください。
ミニオンの存在
[存在] 列には、raas_presence_expiration
という定義された直近の時間内に SaltStack Config がミニオンからジョブ データを受信したかどうかが示されます。デフォルトでは、この時間は 3,600 秒に設定されています。[存在] には、ミニオンにインストールされた存在ビーコンを使用して、マシンの健全性を示すインジケータを表示できます。
存在ビーコンが配置されている場合は、ミニオンが Salt マスターに定期的なステータス ペイロードを送信し、これを SaltStack Config が取得して、[存在] 列に表示されるステータスに影響します。
ビーコンは、Salt 以外のプロセスの監視に使用されます。監視対象のアクティビティが発生すると、リアクタをトリガするように構成できるイベントが送信されます。ビーコンの詳細については、Salt のビーコンに関するリファレンスを参照してください。
beacons.list
を使用してジョブを実行することで、ミニオンにインストールされ、アクティブになっているビーコンを確認できます。詳細については、
ジョブを参照してください。
SaltStack Config には、以下の存在ステータスが表示されます。
ステータス | 説明 |
---|---|
不明 | SaltStack Config では、このミニオンからの応答が一度も確認されていません。これは、新しく接続されたミニオンのデフォルト ステータスです。ミニオンがコマンドを受信すると、ステータスが [存在] に更新されます。 |
存在 | SaltStack Config では、デフォルトで 3,600 秒に設定されている最後の raas_presence_expiration 期間内にミニオンからの応答が確認されました。 |
切断済み | SaltStack Config でミニオンからの応答が確認されましたが、最後の raas_presence_expiration 期間外でした。 |
ターゲット設定
SaltStack Config でのターゲット設定はオープン ソース Salt と同様ですが、SaltStack Config のターゲットの定義では簡素化されたインターフェイスがあるため、ターゲット定義を保存して再利用することもできます。Salt でのターゲット設定の詳細については、Salt のターゲット設定に関するリファレンスを参照してください。
SaltStack Config の各ターゲットには名前、Salt マスター、ターゲット基準が含まれています。詳細は以下のとおりです。
[名前]
ターゲット名を入力します。ターゲット名を一意にする必要はありません。そのため、異なるアイテムが同じ名前で SaltStack Config ユーザー インターフェイスに表示されることがあります。
[すべての Salt マスター]
デフォルトでは、ターゲットにはすべての Salt マスターが含まれます。ただし、特定の Salt マスターのみに属するミニオンをターゲットにすることもできます。たとえば、環境内に特定のアプリケーションを実行する複数のマシンがあり、それらのマシンがすべて単一の Salt マスターに接続されるように Salt インフラストラクチャをパーティション分割している場合は、その Salt マスターのみを選択することにより、ミニオンのサブセット全体を含むターゲットを作成できます。
Salt マスター別のターゲット設定を有効にするには、このラジオ ボタンをクリックしてこの設定を無効にします。新しい設定グループが表示されます。
[マスター] フィールドで、ターゲットとするミニオンの Salt マスターを選択します。追加のターゲット基準はすべて、選択した Salt マスターに関連付けられているミニオンのサブセットのみに適用されます。
[ターゲット基準]
ターゲット基準を使用し、以下のフィールドの説明を参照してミニオンのグループを指定します。
ターゲットは動的で、新しいミニオンは一致するターゲット定義に自動的に追加されます。ターゲットをリストとして保存すると、動的ターゲット設定に一致する新しいミニオンが自動的にターゲットに追加されるのを防ぐことができます。
ターゲット タイプ | 説明 |
---|---|
グレイン | 特定のグレイン値を照合します。たとえば、 グレインの詳細については、Salt のグレインに関するリファレンスを参照してください。
注: グレインを使用して複合ターゲットを作成する場合は、グレイン名にスペースが含まれていると、RaaS からミニオンが返されません。そのため、スペースは自動的に
? に変換されます。
|
グロブ | ミニオン ID を使用したワイルドカード照合。たとえば、webserver* と入力すれば、webserver01 、webserver02 、webserver03 という名前の複数のミニオンを選択できます。 |
リスト | ターゲットに含めるミニオンのリストを指定します。たとえば、
注: ターゲットへのアクセスを動的に許可しない場合は、リストを指定すると便利です。これにより、動的ターゲット基準に一致する新しいミニオンが自動的にターゲットに追加されるのを防ぐことができます。
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複合 | 複数のターゲット インターフェイスを接続詞 and、or、not で区切って組み合わせます。 SaltStack Config の複合ターゲット設定を活用するには、まずSalt のターゲット設定に関するリファレンスで複合ターゲット設定について確認してください。
注: 基準として複合を選択する場合は、Salt の複合ターゲット設定構文を使用し、複合ターゲット定義に 2 番目の基準を含める必要があります。
SaltStack Config では、複合基準に加えて、他のタイプの基準を含めることはできません。
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