vSphere HA クラスタのパフォーマンスを最適化するには、特定のベスト プラクティスに従う必要があります。このトピックでは特に、vSphere HA クラスタの主要なベスト プラクティスをいくつか取り上げます。詳細については、発行ドキュメント『vSphere High Availability Deployment Best Practices』を参照することもできます。

アラームの設定によるクラスタ変化の監視

vSphere HA または Fault Tolerance が、仮想マシンのフェイルオーバーなど可用性維持のための動作を行うときは、その変化に関する通知を受けられます。このような動作が行われたときに起動されるアラームを vCenter Server で構成し、指定された管理者グループにメールなどでアラートを送信させることができます。

デフォルトで、いくつかの vSphere HA アラームが利用できます。

  • フェイルオーバー リソース不足 (クラスタのアラーム)

  • マスターが見つかりません (クラスタのアラーム)

  • フェイルオーバー処理中 (クラスタのアラーム)

  • ホスト HA ステータス (ホストのアラーム)

  • VM 監視エラー (仮想マシンのアラーム)

  • VM 監視アクション (仮想マシンのアラーム)

  • フェイルオーバー失敗 (仮想マシンのアラーム)

注:

デフォルトのアラームには、vSphere HAの機能名が含まれています。

クラスタの妥当性の監視

有効なクラスタとは、アドミッション コントロール ポリシーに違反していないクラスタです。

vSphere HA が有効に設定されているクラスタが無効になるのは、パワーオンされた仮想マシンの数がフェイルオーバー要件を超えた場合、つまり、現在のフェイルオーバー キャパシティが、構成されたフェイルオーバー キャパシティよりも小さい場合です。アドミッション コントロールが無効な場合は、クラスタが無効になることがありません。

vSphere Web Client で、クラスタの 監視 タブから vSphere HA を選択し、構成の問題 を選択します。vSphere HA の現在の問題が一覧で表示されます。

vSphere HA の問題でクラスタが赤になっても、DRS の動作に影響はありません。

混在クラスタにおける vSphere HA および Storage vMotion の相互運用性

ESXi 5.x ホストと ESX/ESXi 4.1 以前のホストが存在するクラスタ、および Storage vMotion が広範に使用されるか ストレージ DRS が有効になっているクラスタの場合、vSphere HA をデプロイしないでください。vSphere HA がホストの障害に応答し、障害が発生する前に仮想マシンが実行されていたときと ESXi バージョンが異なるホストで仮想マシンを再起動する可能性があります。障害発生時に、仮想マシンが ESXi 5.x ホスト上での Storage vMotion アクションに関連していて、vSphere HA が ESXi 5.0 より前のバージョンのホストで仮想マシンを再起動した場合、問題が生じることがあります。仮想マシンはパワーオンする可能性がありますが、続くスナップショット処理で試みられる操作が vdisk 状態を破損し、仮想マシンが利用できないままになる恐れがあります。

アドミッション コントロールのベスト プラクティス

次に推奨するのは、vSphere HA アドミッション コントロールのベスト プラクティスです。

  • 予約されたクラスタ リソースの割合アドミッション コントロール ポリシーを選択します。このポリシーは、ホストと仮想マシンのサイズについて最も柔軟です。このポリシーを構成する場合、サポートするホスト障害の回数を反映した CPU とメモリの割合を選択してください。たとえば、vSphere HA で 2 つのホスト障害に対してリソースを取っておいて、クラスタ内に同等のキャパシティのホストが 10 個ある場合には、20% (2/10) と指定します。

  • 確実にすべてのクラスタ ホストが同じサイズになるように調節します。クラスタで許容するホスト障害ポリシーについては、クラスタのサイズが異なっていると、vSphere HA で最大のホストのためにキャパシティが予約されるため、障害を処理するために予約されているキャパシティを超過する原因になります。クラスタ リソースの割合ポリシーについては、クラスタのサイズが異なっていると、予期されるホスト障害の回数に対して十分なキャパシティを予約するために、クラスタのサイズが同じ場合よりも多くの割合を指定する必要があります。

  • クラスタで許容するホスト障害ポリシーの使用を検討している場合、仮想マシンのサイズ要件が、構成された仮想マシン全体にわたってできるだけ同じになるようにしてください。このポリシーは、スロット サイズを使用して各仮想マシン用に予約する必要のあるキャパシティを計算します。スロット サイズは、仮想マシンに必要な最大予約メモリと CPU に基づいています。CPU とメモリ要件の異なる仮想マシンが混在する場合、スロット サイズ計算のデフォルトは可能な最大値になり、統合の制約になります。

  • フェイルオーバー ホストの指定ポリシーの使用を検討している場合、何個のホスト障害をサポートするかを決めて、ホストのこの数値をフェイルオーバー ホストとして指定します。クラスタのサイズが異なっている場合、指定されたフェイルオーバー ホストは少なくともクラスタ内の非フェイルオーバー ホストと同じサイズである必要があります。これにより、障害が発生した場合でも十分なキャパシティが確保されます。

vSphere HA を使用した Auto Deploy の使用

vSphere HA と Auto Deploy を合わせて使用し、仮想マシンの可用性を向上させることができます。Auto Deploy はホストがパワーオンする際にホストをプロビジョニングします。また、ブート時にそのようなホスト上の vSphere HA エージェントをインストールするように構成することも可能です。詳細については、『vSphere Installation and Setup』 に含まれている Auto Deploy ドキュメントを参照してください。

Virtual SAN を使用したクラスタ内のホストのアップグレード

vSphere HA クラスタ内の ESXi ホストをバージョン 5.5 以上にアップグレードし、さらに Virtual SAN も使用したい場合は、次のプロセスに従います。

  1. すべてのホストをアップグレードします。

  2. vSphere HA を無効にします。

  3. Virtual SAN を有効にします。

  4. vSphere HA を再度有効にします。