vSphere 5.1 以降のリリースでは、SR-IOV (Single Root I/O Virtualization) がサポートされます。遅延の影響を受けたり CPU リソースをさらに必要とする仮想マシンのネットワーク用に SR-IOV を使用できます。
SR-IOV の概要
SR-IOV は、単一のルート ポートにある単一の PCIe (Peripheral Component Interconnect Express) 物理デバイスを、ハイパーバイザーやゲスト OS に対して、複数の別個の物理デバイスとして認識されるようにする仕様です。
SR-IOV は、物理機能 (PF) と仮想機能 (VF) を使用して、SR-IOV デバイスのグローバル機能を管理します。PF は、SR-IOV 機能を構成および管理できる完全な PCIe 機能です。PF を使用して PCIe デバイスを構成または制御することが可能であり、PF では、デバイスへの、およびデバイスからのデータの移動を行うことができます。VF は、データ フローをサポートしていても構成リソースのセットが制限されている軽量の PCIe 機能です。
ハイパーバイザーまたはゲスト OS に提供される仮想機能の数は、デバイスによって異なります。SR-IOV 対応の PCIe デバイスには、適切な BIOS とハードウェアのサポート、およびゲスト OS ドライバ またはハイパーバイザーのインスタンスでの SR-IOV サポートが必要です。SR-IOV サポート を参照してください。
vSphere での SR-IOV の使用
vSphere では、仮想マシンで SR-IOV 仮想機能をネットワーク用に使用できます。仮想マシンと物理アダプタは、VMkernel を中継せずにデータを直接交換します。ネットワーク用に VMkernel をバイパスすることで、遅延が削減され CPU の効率が向上します。
vSphere 5.5 以降では、スイッチに接続されている SR-IOV 対応の仮想マシンのネットワーク トラフィックは仮想スイッチ (標準スイッチまたは Distributed Switch) では処理されませんが、ポート グループまたはポート レベルでのスイッチ構成ポリシーを使用して、割り当てられた仮想機能を制御できます。