vSphere 5.1 以降では、特定の構成の環境のみで SR-IOV がサポートされます。SR-IOV を有効にすると、vSphere の一部の機能が使用できません。

サポートされる構成

vSphere 6.0 で SR-IOV を使用するには、使用している環境がいくつかの構成要件を満たす必要があります。

表 1. SR-IOV の使用でサポートされる構成
コンポーネント 要件
vSphere
  • Intel プロセッサ搭載のホストには ESXi 5.1 以降が必須です。
  • AMD プロセッサ搭載のホストは、ESXi 5.5 以降の SR-IOV でサポートされます。
物理ホスト
  • ESXi リリースとの互換性が必要です。
  • ESXi 5.1 を実行している場合は Intel プロセッサ、ESXi 5.5 以降を実行している場合は Intel または AMD プロセッサを搭載している必要があります。
  • IOMMU (入出力メモリ管理ユニット) をサポートし、IOMMU が BIOS で有効化されている必要があります。
  • SR-IOV をサポートし、SR-IOV が BIOS で有効化されている必要があります。サーバのベンダーに連絡し、ホストが SR-IOV をサポートしているかどうかを確認します。
物理 NIC
  • ESXi リリースとの互換性が必要です。
  • サーバ ベンダーの技術ドキュメントに記載されているようにホストと SR-IOV での使用がサポートされている必要があります。
  • SR-IOV がファームウェアで有効化されている必要があります。
  • MSI-X 割り込みを使用する必要があります。
物理 NIC 用の ESXi の PF ドライバ
  • VMware により認定されている必要があります。
  • ESXiホストにインストールされている必要があります。ESXiリリースには特定の NIC のデフォルト ドライバが装備されていますが、それ以外のドライバは手動でダウンロードし、インストールする必要があります。
ゲスト OS NIC ベンダーの技術ドキュメントに従い、インストールされている ESXiリリースの NIC によってサポートされている必要があります。
ゲスト OS の VF ドライバ
  • NIC との互換性が必要です。
  • NIC ベンダーの技術ドキュメントに記載されているようにゲスト OS リリースでサポートされている必要があります。
  • Windows 仮想マシン用に Microsoft WLK または WHCK により認定されている必要があります。
  • オペレーティング システムにインストールされている必要があります。オペレーティング システム リリースには特定の NIC のデフォルト ドライバが装備されていますが、それ以外では NIC またはホストのベンダーが指定した場所からドライバをダウンロードし、インストールする必要があります。

物理ホストおよび NIC が ESXiリリースと互換性があることを確認するには、『VMware 互換性ガイド』を参照してください。

機能の可用性

SR-IOV で構成されている仮想マシンでは、次の機能は使用できません。

  • vSphere vMotion
  • Storage vMotion
  • vShield
  • NetFlow
  • VXLAN 仮想ワイヤ
  • vSphere High Availability
  • vSphere Fault Tolerance
  • vSphere DRS
  • vSphere DPM
  • 仮想マシンのサスペンドおよびレジューム
  • 仮想マシンのスナップショット
  • パススルー仮想機能の MAC ベースの VLAN
  • 仮想デバイス、メモリ、および vCPU のホット アドおよび削除
  • クラスタ環境への参加
  • SR-IOV パススルーを使用した仮想マシン NIC のネットワーク統計情報
注: vSphere Web Clientで SR-IOV がサポートしていない機能を有効化または構成しようとすると、環境で予期せぬ動作が発生します。

サポートされる NIC

すべての NIC には、SR-IOV をサポートするドライバとファームウェアがある必要があります。一部の NIC では、ファームウェアで SR-IOV を有効にする必要があります。SR-IOV で構成された仮想マシンでサポートされる NIC については、VMware 互換性ガイドを参照してください。

vSphere 5.0 以前からのアップグレード

vSphere のバージョンを 5.0 以前から 5.5 以降にアップグレードすると、SR-IOV のサポートは、vSphere リリースの NIC ドライバの更新後に使用可能になります。SR-IOV 機能が動作するために、SR-IOV をサポートするファームウェアとドライバが NIC で有効化されている必要があります。

vSphere 5.1 からのアップグレード

SR-IOV は要件を満たしている ESXi 5.1 ホストでサポートされますが、vSphere Web Client を使用してそれらのホストで SR-IOV を構成することはできません。それらのホストで SR-IOV を有効化するには、NIC ドライバ モジュールの max_vfs パラメータを使用します。ホスト プロファイルまたは ESXCLI コマンドの使用による SR-IOV の有効化を参照してください。

また、そのようなホスト上の仮想マシンに SR-IOV パススルー アダプタを割り当てることはできません。アダプタは、ESXi 5.5 以降と互換性のある仮想マシンで使用できます。vCenter Server 5.5 リリースは、ESXi 5.1 ホストを管理している可能性がありますが、その構成はリリース 5.1 と同じです。PCI デバイスを仮想マシン ハードウェアに追加し、デバイス用の VF を手動で選択する必要があります。