vSphere 6.0 以降では、ESXi ホストはデフォルトで VMCA によって証明書を使用してプロビジョニングされます。代わりに、カスタム証明書モードまたは従来のサムプリント モード(デバッグ用)を使用することもできます。ほとんどの場合、モードの切り替えは無停止で行うことはできず、切り替える必要もありません。モードの切り替えが必要な場合、開始する前に潜在的な影響を確認してください。
証明書モード | 説明 |
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VMware 認証局(デフォルト) | デフォルトでは、VMware 認証局が ESXi ホスト証明書の CA として使用されます。デフォルトでは VMCA がルート CA ですが、別の CA への中間 CA として設定できます。このモードでは、ユーザーは vSphere Web Client から証明書を管理できます。これは、VMCA が従属証明書の場合も使用されます。 |
カスタム認証局 | 各自の外部認証局を管理する方が都合が良い場合もあります。このモードでは顧客が証明書を管理するため、vSphere Web Client から管理することはできません。 |
サムプリント モード | vSphere 5.5 ではサムプリント モードが使用されており、このモードは、vSphere 6.0 のフォールバック オプションとして引き続き使用することができます。このモードは、他の 2 つのモードで解決できない問題が発生した場合にのみ使用してください。vCenter 6.0 以降の一部のサービスは、サムプリント モードで正常に動作しない可能性があります。 |
カスタム ESXi 証明書の使用
会社のポリシーで、VMCA とは異なるルート CA が求められる場合、綿密に計画した上で使用環境の証明書モードを切り替えることができます。推奨ワークフローは次のとおりです。
- 使用する証明書を取得します。
- ホストをメンテナンス モードにして、vCenter Server から切断します。
- カスタム CA のルート証明書を VECS に追加します。
- カスタム CA 証明書を各ホストにデプロイし、そのホストでサービスを再起動します。
- カスタム CA モードに切り替えます。証明書モードの変更を参照してください。
- ホストを vCenter Server システムに接続します。
カスタム CA モードから VMCA モードへの切り替え
カスタム CA モードを使用していて、使用環境では VMCA を使用する方が適切だと判断した場合、綿密に計画してからモードの切り替えを実行できます。推奨ワークフローは次のとおりです。
- vCenter Server システムからすべてのホストを削除します。
- vCenter Server システムで、VECS からサードパーティ CA のルート証明書を削除します。
- VMCA モードに切り替えます。証明書モードの変更を参照してください。
- ホストを vCenter Server システムに追加します。
アップグレード時のサムプリント モードの証明書の取得
VMCA 証明書に問題が発生した場合、VMCA モードからサムプリント モードへの切り替えが必要になることがあります。サムプリント モードでは、vCenter Server システムにより、証明書が存在していて、正しい形式であるかどうかのみがチェックされ、証明書が有効であるかどうかはチェックされません。構成方法については、証明書モードの変更 を参照してください。
サムプリント モードから VMCA モードへの切り替え
サムプリント モードを使用していて、VMCA 署名付き証明書の使用を開始する場合、計画を立てた上で切り替えを行う必要があります。推奨ワークフローは次のとおりです。
- vCenter Server システムからすべてのホストを削除します。
- VMCA 証明書モードに切り替えます。証明書モードの変更を参照してください。
- ホストを vCenter Server システムに追加します。
カスタム CA モードからサムプリント モードへの切り替え
カスタム CA に問題が発生した場合、一時的にサムプリント モードに切り替えることを検討してください。証明書モードの変更の指示に従えば、切り替えをシームレスに行うことができます。モードを切り替えると、vCenter Server システムにより証明書の形式のみがチェックされ、証明書自体の有効性はチェックされなくなります。
サムプリント モードからカスタム CA モードへの切り替え
トラブルシューティング時に使用環境をサムプリント モードに設定していて、カスタム CA モードの使用を開始する場合、まず必要な証明書を生成する必要があります。推奨ワークフローは次のとおりです。
- vCenter Server システムからすべてのホストを削除します。
- カスタム CA ルート証明書を vCenter Server システムの VECS の TRUSTED_ROOTS ストアに追加します。vCenter Server TRUSTED_ROOTS ストア(カスタム証明書)の更新を参照してください。
- 各 ESXi ホストで、次の操作を実行します。
- カスタム CA 証明書およびキーをデプロイします。
- ホストのサービスを再起動します。
- カスタム モードに切り替えます。証明書モードの変更を参照してください。
- ホストを vCenter Server システムに追加します。