ロールとは、事前に定義された権限セットです。オブジェクトにアクセス許可を追加すると、ユーザー(またはグループ)とロールのペアが形成されます。vCenter Server には、いくつかのシステム ロールが定義されています。ユーザーがシステム ロールを変更することはできません。
vCenter Server システム ロール
vCenter Server には、いくつかのデフォルト ロールが用意されています。デフォルト ロールに関連付けられた権限を変更することはできません。デフォルト ロールは階層のように編成され、各ロールは上位のロールの権限を継承します。たとえば、システム管理者ロールは読み取り専用ロールの権限を引き継ぎます。ユーザーが作成したロールは、どのシステム ロールの権限も継承しません。
- 管理者ロール
- オブジェクトの管理者ロールが割り当てられているユーザーは、オブジェクトのすべてのアクションを表示および実行できます。このロールには、読み取り専用ロールに与えられているすべての権限も含まれます。オブジェクトに対する管理者ロールを付与されたユーザーは、個々のユーザーおよびグループに権限を割り当てることができます。 vCenter Server で管理者ロールを持つユーザーは、デフォルトの vCenter Single Sign-On アイデンティティ ソース内のユーザーおよびグループに権限を割り当てることができます。サポートされている ID サービスには、Windows Active Directory や OpenLDAP 2.4 などがあります。
- 暗号化なし管理者ロール
- オブジェクトに対する暗号化なし管理者ロールが割り当てられているユーザーは、 暗号化操作権限を除き、管理者ロールが割り当てられているユーザーと同じ権限を持ちます。このロールにより、管理者は、仮想マシンの暗号化または復号化や暗号データへのアクセス以外のすべての管理タスクを実行できる他の管理者を指定できます。
- アクセスなしロール
- オブジェクトに対するアクセスなしロールが割り当てられているユーザーは、オブジェクトを表示または変更できません。新しいユーザーとグループには、デフォルトでこのロールが割り当てられます。ロールは、オブジェクトごとに変更できます。
- 読み取り専用ロール
- オブジェクトに対する読み取り専用ロールが割り当てられているユーザーは、オブジェクトの状態および詳細を表示できます。たとえば、このロールを持つユーザーは、仮想マシン、ホスト、およびリソース プールの属性を表示できますが、ホストのリモート コンソールを表示することはできません。メニューおよびツールバーのすべてのアクションは無効になります。
ベスト プラクティスは、ルート レベルにユーザーを作成し、このユーザーに管理者ロールを割り当てることです。管理者権限を持つ名前付きユーザーを作成した後は、root ユーザーを権限から削除することも、そのロールを「アクセスなし」に変更することもできます。