各ストレージ デバイスまたは LUN はいくつかの名前で識別されます。

デバイス識別子

ストレージのタイプによって、ESXi ホストは異なるアルゴリズムと規則を使用して、ストレージ デバイスごとに識別子を生成します。

SCSI INQUIRY 識別子。
ホストは SCSI INQUIRY コマンドを使用してストレージ デバイスを照会し、結果データ(特に 83 ページの情報)を使用して、一意の識別子を生成します。83 ページに基づくデバイス識別子はすべてのホストで一意かつ永続的で、次のいずれかの形式で指定されています。
  • naa.number
  • t10.number
  • eui.number

これらの形式は T10 技術委員会の規格に基いています。T10 技術委員会の Web サイトで SCSI-3 のドキュメントを参照してください。

パス ベースの識別子。
デバイスから 83 ページの情報が入手できない場合は、ホストで mpx.path 名が生成されます。 path は、 mpx.vmhba1:C0:T1:L3 のようにデバイスへの最初のパスを表します。この識別子は、SCSI INQUIRY が識別する方法と同じように使用できます。

mpx. 識別子は、パス名が一意であることを前提に、ローカル デバイス向けに作成されます。ただし、この識別子は一意でも永続的でもないため、システムを再起動した後に毎回変わる可能性があります。

通常、デバイスへのパスの形式は次の通りです。

vmhbaAdapter:CChannel:TTarget:LLUN

  • vmhbaAdapter はストレージ アダプタの名前です。この名前は、仮想マシンで使用される SCSI コントローラではなく、ホストの物理アダプタを表します。
  • CChannel はストレージ チャネルの番号です。

    ソフトウェア iSCSI アダプタと依存型ハードウェア アダプタは、チャネル番号を使用して、同じターゲットへの複数のパスを表示します。

  • TTarget はターゲットの番号です。ターゲットの番号はホストによって決定されますが、ホストに表示されるターゲットのマッピングが変わると、番号も変わることがあります。複数のホストが共有しているターゲットは、同じターゲット番号を持たないことがあります。
  • LLUN は、ターゲット内の LUN の場所を表す、LUN の番号です。LUN 番号は、ストレージ システムによって提供されます。ターゲットに 1 つの LUN しかない場合、LUN 番号は常にゼロ (0) になります。

たとえば vmhba1:C0:T3:L1 は、ストレージ アダプタ vmhba1 とチャネル 0 を介してアクセスするターゲット 3 上の LUN1 を表します。

レガシー識別子

ESXi は、SCSI INQUIRY または mpx. 識別子に加えて代替のレガシー名をデバイスごとに生成します。識別子の形式は次のとおりです。

vml.number

レガシー識別子には、デバイスに一意の一連の数字が含まれており、その一部は 83 ページの情報から派生する可能性があります。83 ページの情報をサポートしない非ローカル デバイスでは、vml. 名が唯一の使用可能な一意の識別子として使用されます。

vSphere CLI でデバイス名を表示

esxcli --server=server_name storage core device list コマンドを使用して、vSphere CLI ですべてのデバイス名を表示できます。出力例は次のとおりです。

# esxcli --server=server_name storage core device list
naa.number
	Display Name: DGC Fibre Channel Disk(naa.number)
	... 
	Other UIDs:vml.number