修正とは、スキャンが完了したあとに、ESXi ホスト、仮想マシン、または仮想アプライアンスに対して、Update Manager がパッチ、エクステンション、およびアップグレードを適用する処理のことです。

修正により、選択された vSphere オブジェクトは、パッチ、エクステンション、およびアップグレード ベースラインに準拠した状態になります。

スキャンと同様に、単一のホスト、仮想マシン、または仮想アプライアンスを修正できます。また、フォルダ、クラスタ、またはデータ センター レベルでの修正や、仮想インフラストラクチャ内のすべてのオブジェクトに対する修正を開始することも可能です。

Update Manager は、次のインベントリ オブジェクトの修正をサポートします。

  • VMware Tools と仮想マシン ハードウェアのアップグレードの場合は、パワーオン、サスペンド、またはパワーオフ状態の仮想マシンおよびテンプレート。
  • 仮想アプライアンスのアップグレードの場合は、VMware Studio 2.0 以降で作成された、パワーオン状態の仮想アプライアンス。
  • パッチ、エクステンション、およびアップグレードの修正の場合は、ESXi ホスト。

手動による修正またはスケジュール設定された修正を使用して、vSphere インベントリ内のオブジェクトを修正できます。手動およびスケジュール設定された修正についての詳細は、vSphere オブジェクトの修正 を参照してください。

ホストの修正

Update Manager 6.5 は、ESXi 5.5.x および ESXi 6.0.x から ESXi 6.5 へのアップグレードをサポートします。

重要: : [構成] タブの [ESX ホスト/クラスタ設定] ページ、または [修正] ウィザードから設定を有効にする場合は、PXE 起動の ESXi ホストにパッチを適用できます。

ESXi イメージのアップロード後は、ESXi ホストへのアップグレードは、ベースラインおよびベースライン グループ経由で管理されます。

通常、アップデートが必要な場合は、修正する前にホストがメンテナンス モードに切り替わります。ホストがメンテナンス モードのとき、仮想マシンは実行できません。ユーザー環境の一貫性を確保するために、vCenter Server は、ホストがメンテナンス モードに切り替わる前にクラスタ内のほかのホストに仮想マシンを移行します。vCenter Server が仮想マシンを移行することができるのは、クラスタが vMotion 用に構成されている場合と、VMware DRS (Distributed Resource Scheduler) および VMware EVC (Enhanced vMotion Compatibility) が有効になっている場合です。EVC は、vMotion では必須ではありません。EVC を有効にすると、ホストの CPU の互換性が保障されます。ほかのコンテナ、またはクラスタにない個々のホストでは、vMotion での移行は実行できません。

重要: : ホストを ESXi 6.5 にアップグレードすると、バージョン ESXi 5.5.x または ESXi 6.0.x のソフトウェアにロールバックできません。ホストのアップグレードを実行する前に、ホストの構成をバックアップしてください。アップグレードに失敗した場合は、アップグレード元の ESXi 5.5.x または ESXi 6.0.x ソフトウェアを再インストールし、ホスト構成をリストアできます。 ESXi 構成のバックアップとリストアの詳細については、『 vSphere のアップグレード』 を参照してください。

ESXi 5.5 および 6.0 ホストからそれぞれの ESXi アップデート リリースへの修正はパッチ処理、バージョン 5.5 または 6.0 からバージョン 6.5 への ESXi ホストへの修正はアップグレード処理です。

仮想マシンおよび仮想アプライアンスの修正

仮想アプライアンス、VMware Tools、および仮想マシンの仮想ハードウェアを新しいバージョンにアップグレードできます。仮想マシンのアップグレードは、Update Manager のデフォルトの仮想マシン アップグレード ベースラインで管理します。仮想アプライアンスのアップグレードは、Update Manager のデフォルトの仮想アプライアンス ベースラインと、ユーザーが作成するカスタムの仮想アプライアンス アップグレード ベースラインの両方で管理できます。

注: : Update Manager 6.5 は、仮想マシンのパッチ ベースラインをサポートしません。

組織的なアップグレード

Update Manager では、ホストおよび仮想マシンを組織的にアップグレードできます。組織的なアップグレードにより、ベースライン グループを使用して、vSphere インベントリ内のホストおよび仮想マシンをアップグレードできます。

単一のホスト アップグレード ベースラインと、複数のパッチ ベースラインまたはエクステンション ベースラインを含むベースライン グループを使用すると、ホストを組織的にアップグレードできます。Update Manager は、最初にホストをアップグレードして、そしてパッチ ベースラインおよびエクステンション ベースラインを適用します。

次のベースラインを含む仮想マシン ベースライン グループを使用して、仮想マシンの組織的なアップグレードを行えます。

  • ホストと整合するように仮想マシン ハードウェアをアップグレード
  • ホストと整合するように VMware Tools をアップグレード

組織的なアップグレードを使用して、仮想ハードウェアとインベントリ内の仮想マシンの VMware Tools を同時にアップグレードできます。VMware Tools のアップグレード ベースラインが最初に実行され、続いて仮想マシンのハードウェアのアップグレード ベースラインが実行されます。

組織的なアップグレードは、クラスタ、フォルダ、またはデータ センター レベルで実行できます。