クラスタ内の ESXi ホストの修正プロセスは 1 台ずつ順番に実行することも、同時に実行することもできます。ただし、特定の機能によって修正が失敗する場合があります。VMware DPM、HA アドミッション コントロール、またはフォールト トレランスが有効になっている場合は、修正を正常に行えるように、これらの機能を一時的に無効にする必要があります。

注: : 複数のホストを同時に修正するとクラスタ全体の修正にかかる時間を節約できるため、パフォーマンスが大幅に向上します。Update Manager では、DRS で設定されたクラスタ リソースの制約に影響を与えずに複数のホストを同時に修正することができます。ただし、Virtual SAN クラスタに含まれるホストを同時に修正することは避けてください。これは、クラスタ内の一部のホストがメンテナンス モードになっている間は、残りのホストをメンテナンス モードに切り替えることができないという Virtual SAN クラスタの特性による制約です。

前提条件

必須権限:VMware vSphere Update Manager.構成

手順

  1. vSphere Web Client のホーム ビューで Update Manager アイコンを選択します。
  2. [オブジェクト] タブから、Update Manager インスタンスを選択します。
    また [オブジェクト] タブには、 Update Manager インスタンスの接続先の vCenter Server システムがすべて表示されます。
  3. [管理] タブをクリックします。
  4. [設定] をクリックし、[ホスト/クラスタ設定] を選択します。
  5. [編集] をクリックします。
    [ホスト/クラスタ設定の編集] ダイアログが開きます。
  6. [クラスタ設定] のチェック ボックスでオプションを選択します。
    オプション 説明
    DPM (Distributed Power Management)

    VMware DPM は、クラスタ内で実行中の仮想マシンのリソース使用状況を監視します。十分なキャパシティがある場合、VMware DPM は仮想マシンをクラスタ内の他のホストに移動し、元のホストをスタンバイ モードにして節電することを推奨します。キャパシティが不足している場合、VMware DPM はスタンバイ モードのホストをパワーオン状態に戻すことを推奨します。

    DPM を無効にしなかった場合、Update Manager は VMware DPM が有効になっているクラスタをスキップします。VMware DPM を一時的に無効にした場合、Update Manager はクラスタ全体で DPM を無効にしてクラスタ内のホストを修正し、修正が完了した後で VMware DPM を再度有効にします。

    High Availability(HA)アドミッション コントロール

    アドミッション コントロールは vSphere HA が使用するポリシーです。これにより、クラスタ内のフェイルオーバーのキャパシティが確保されます。修正時に HA のアドミッション コントロールが有効になっている場合、クラスタ内の仮想マシンが vMotion で移行されない場合があります。

    HA アドミッション コントロールを無効にしなかった場合、Update Manager は HA アドミッション コントロールが有効になっているクラスタをスキップします。HA アドミッション コントロールを一時的に無行にした場合、Update Manager は HA アドミッション コントロールを無効にしてクラスタを修正し、修正が完了した後に HA アドミッション コントロールを再度有効にします。

    フォールト トレランス (FT)

    FT を有効にするとプライマリ仮想マシンとまったく同じセカンダリ仮想マシンの作成と管理が自動的に行われ、仮想マシンの継続的な可用性が確保されます。ホストで仮想マシンの FT を無効にしなかった場合、Update Manager はそのホストの修正を行いません。

    クラスタ内のホストの同時修正を有効にする

    Update Manager では、クラスタ内にある複数のホストを同時に修正できます。Update Manager は、DRS 設定に影響を与えずに同時に修正できるホストの最大数を継続的に評価します。このオプションを選択しなかった場合、Update Manager はクラスタ内のホストを 1 台ずつ順番に修正します。

    設計上、Virtual SAN クラスタの 1 台のホストのみをいつでもメンテナンス モードにすることができます。並行して修正するオプションを選択した場合でも、Update Manager は、Virtual SAN クラスタの一部であるホストを順次修正します。

    ホストをメンテナンス モードにする必要がある場合は、パワーオフおよびサスペンド状態の仮想マシンをクラスタ内の他のホストに移行します。

    Update Manager は、サスペンド状態およびパワーオフ状態の仮想マシンを、メンテナンス モードに切り替える必要があるホストから、クラスタ内の他のホストに移行します。修正を行う前に、[メンテナンス モードの設定] ペインで仮想マシンをパワーオフまたはサスペンドするように選択できます。

  7. [OK] をクリックします。

結果

これがデフォルトの障害応答の設定になります。個々の修正タスクに、異なる設定を指定することができます。