CLI インストーラを使用して vCenter Server 環境をアプライアンスに移行する場合、移行の詳細に関する値をパラメータで指定する必要があります。
ここでは、移行元となる vCenter Server の入力データを指定するための構成パラメータを表形式で列挙しています。
バックスラッシュ (\) または引用符 (") を含む値を設定するには、バックスラッシュ (\) でその文字をエスケープする必要があります。たとえば、"password":"my\"password"
とするとパスワードに my"password が設定され、"image":"C:\\vmware\\vcsa"
とするとパスに C:\vmware\vcsa が設定されます。
ブール値は小文字のみ許容されます。値は true
か false
のいずれかになります。たとえば、"ssh_enable":false
です。
JSON 移行テンプレートに含まれる構成パラメータのセクションとサブセクション
JSON 移行テンプレートでは、構成パラメータがセクションとサブセクションで体系化されています。
セクション | サブセクション | 説明 |
---|---|---|
new_vcsa - 移行先のアプライアンスを表します。 |
esxi |
ESXi ホストにアプライアンスを直接デプロイする場合のみ使用します。
ターゲット
ESXi ホストに関する構成パラメータが含まれます。
注:
esxi サブセクションまたは
vc サブセクションのいずれかに記述する必要があります。
|
vc |
vCenter Server インスタンスのインベントリにアプライアンスをデプロイする場合のみ使用します。 ターゲット ESXi ホストまたは vCenter Server インベントリの DRS クラスタに関する構成パラメータを含みます。
注:
vc サブセクションまたは
esxi サブセクションのいずれかに記述する必要があります。
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|
appliance |
アプライアンスに関する構成パラメータが含まれます。 | |
os |
アプライアンスのオペレーティング システム設定について記述する構成パラメータが含まれます。 | |
ovftool_arguments |
インストーラが生成する OVF ツール コマンドに、任意の引数と値を追加するためのオプションのサブセクション。
重要:
vCenter Server Appliance インストーラは、
ovftool_arguments サブセクションの構成パラメータを検証しません。OVF ツールが認識しない引数を設定した場合、デプロイが失敗する可能性があります。
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|
temporary_network |
移行元から新しい(移行先)アプライアンスにデータを移すための一時ネットワークについての構成パラメータが含まれています。 | |
user-options |
移行元が vCenter Server インスタンスであるときにのみ使用します。特定のコンポーネントについて移行プロセスの特性を制御するための構成パラメータが含まれています。 | |
source_vc - 移行元の Platform Services Controller について記述します |
vc_win |
移行元となる vCenter Server または Platform Services Controller の Windows 環境を表す構成パラメータが含まれています。 |
run_migration_assistant |
移行元の Windows 環境が仮想マシンとして動作中であり、なおかつ移行アシスタントの呼び出しを自動化したい場合にのみ使用します。移行元の Windows 環境が物理マシン上で稼動している場合や、移行元の Windows マシン上で移行アシスタントを手動実行する場合は、移行元マシンで移行アシスタントのコンソール出力からサムプリント値をコピーして vc_win サブセクションの migration_ssl_thumbprint キーに貼り付け、run_migration_assistant セクションを削除します。 |
|
ceip - VMware カスタマ エクスペリエンス改善プログラム (CEIP) への参加について記述します。 |
settings |
VMware カスタマ エクスペリエンス改善プログラム (CEIP) に参加するかどうかを設定する ceip_enabled 構成パラメータのみが含まれます。 Platform Services Controller が組み込まれた vCenter Server Appliance または Platform Services Controller アプライアンスをデプロイする場合のみ必要です。
注:
true に設定されている場合は、CLI のデプロイ コマンドに
--acknowledge-ceip 引数を付けて実行する必要があります。
CEIP の詳細については、『vCenter Server およびホストの管理』の「カスタマ エクスペリエンス改善プログラムの構成」セクションを参照してください。 |
new_vcsa
セクションの構成パラメータ
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
hostname |
文字列 | アプライアンスをデプロイするターゲット ESXi ホストの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名 (FQDN)。 |
username |
文字列 | root など、ターゲット ESXi ホストの 管理権限を持つユーザー名。 |
password |
文字列 | ターゲット ESXi ホストの管理権限を持つユーザーのパスワード。 |
deployment_network |
文字列 | アプライアンスを接続するネットワーク名。
注: ネットワークは、ターゲット
ESXi ホストからアクセスできる必要があります。
ターゲット ESXi ホストが 1 つしかネットワークを持たない場合、無視されます。 |
datastore |
文字列 | アプライアンスの仮想マシンの構成ファイルおよび仮想ディスクのすべてを格納するデータストアの名前。
注: データストアは、
ESXi ホストからアクセスできる必要があります。
データストアには、十分な空き容量が必要です。 |
port |
整数型 | ESXi ホストのポート番号。デフォルトのポートは 443 です。 |
ssl_certificate_verification |
文字列 | CLI は、サーバのセキュリティ証明書に認証局 (CA) の署名が付いていることを検証して、セキュアな接続を確立します。証明書が自己署名証明書の場合、CLI は次の SSL 証明書構成オプションのいずれかが指定されている場合を除いて、アップグレードを停止します。 Secure Hash Algorithm 1 (SHA-1) の証明書サムプリントを指定します。証明書サムプリントは、証明書を一意に識別する 16 進数の文字列です。サムプリントは、サムプリント アルゴリズムを使用して証明書の内容から計算されます。 "thumbprint": "certificate SHA-1 thumbprint"
"verification_mode": "NONE" 自己署名証明書を持つサーバに接続しているときに、SHA-1 証明書サムプリントの指定に失敗するか、または検証モードを vcsa-deploy upgrade コマンド パラメータ |
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
hostname |
文字列 | アプライアンスをデプロイするターゲット vCenter Server インスタンスの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名 (FQDN)。 |
username |
文字列 | ターゲット vCenter Server インスタンスの vCenter Single Sign-On 管理者ユーザー名。例: [email protected]。 |
password |
文字列 | ターゲットの vCenter Server インスタンスの vCenter Single Sign-On 管理者ユーザーのパスワード。 |
deployment_network |
文字列 | アプライアンスを接続するネットワーク名。
注: ネットワークは、アプライアンスをデプロイするターゲットの
ESXi ホストまたは DRS クラスタからアクセスできる必要があります。
ターゲットの ESXi ホストまたは DRS クラスタが 1 つしかネットワークを持たない場合は、無視されます。 |
datacenter |
文字列または配列 | アプライアンスをデプロイするターゲットの ESXi ホストまたは DRS クラスタを含む vCenter Server データセンター。
データセンターがフォルダまたはフォルダ構造の中に配置されている場合、値は複数の文字列をカンマ区切りで入力するか、カンマ区切りの複数の文字列を単一の文字列として入力します。次に例を示します。
["parent_folder", "child_folder", "datacenter_name"]または "parent_folder, child_folder, datacenter_name" データセンターのフォルダ パスがない場合は、データセンターの名前のみを使用します。次に例を示します。 ["datacenter_name"]または "datacenter_name"
注: 値は大文字と小文字を区別します。
|
datastore |
文字列 | アプライアンスの仮想マシンの構成ファイルおよび仮想ディスクのすべてを格納するデータストアの名前。
注: データストアは、ターゲットの
ESXi ホストまたは DRS クラスタからアクセスできる必要があります。
データストアには、25 GB 以上の空き容量が必要です。 |
port |
整数 | vCenter Server のポート番号。デフォルトのポートは 443 です。 |
target |
文字列または配列 | 新しいアプライアンスをデプロイするターゲット クラスタ、ESXi ホスト、またはリソース プール。これは、
重要:
vCenter Server インベントリに表示される名前を指定する必要があります。例えば、ターゲット
ESXi ホストの名前が
vCenter Server インベントリ内の IP アドレスである場合、FQDN を指定することはできません。
注: すべての値は大文字と小文字を区別します。
デプロイされたアプライアンスを、データセンターの階層内の別の場所に表示する場合は、次に示す vm_folder パラメータを使用します。
ターゲット クラスタ、
ESXi ホスト、またはリソース プールがフォルダまたはフォルダ構造の中に配置される場合、値は文字列のカンマ区切りのリストであるか、単一の文字列としてのカンマ区切りのリストである必要があります。次に例を示します。
["parent_folder", "child_folder", "esxi-host.domain.com"]または "parent_folder, child_folder, esxi-host.domain.com"
ターゲット
ESXi ホストがクラスタの一部である場合にパスを指定するには、文字列のカンマ区切りのリストか単一の文字列としてのカンマ区切りのリストを使用します。次に例を示します。
["cluster_name", "esxi-host.domain.com"]または "cluster_name, esxi-host.domain.com" リソース プールにデプロイする場合は、リソース プール名の前にラベル Resources を追加します。例: ["cluster_name", "Resources", "resource_pool_name"]
注: 事前チェックでは、リソース プールのメモリのみが検証されます。
|
vm_folder |
文字列 | オプション。アプライアンスを追加する仮想マシン フォルダ名。 |
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
thin_disk_mode |
Boolean | シン仮想ディスクを搭載するアプライアンスをデプロイするには、true に設定します。 |
deployment_option |
文字列 | アプライアンスのサイズ。
|
image |
文字列 | オプション。vCenter Server Appliance インストール パッケージへのローカル ファイル パスまたは URL デフォルトでは、インストーラは、vcsa フォルダの ISO ファイルに含まれるインストール パッケージを使用します。 |
name |
文字列 | アプライアンスの仮想マシン名。 パーセント記号 (%)、バックスラッシュ (\)、スラッシュ (/) 以外の ASCII 文字しか含めることはできません。また、80 文字未満である必要があります。 |
ovftool_path |
文字列 | オプション。OVF ツール実行ファイルへのローカル ファイル パス デフォルトでは、インストーラは、vcsa/ovftool フォルダの ISO ファイルに含まれる OVF ツール インスタンスを使用します。 |
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
password |
文字列 | アプライアンスのオペレーティング システムの root ユーザーのパスワード。 パスワードは 8~20 文字で入力し、1 つ以上の大文字、1 つ以上の小文字、1 つ以上の数字、および 1 つ以上の特殊文字(ドル記号 ($)、ハッシュ キー (#)、アット記号 (@)、ピリオド (.)、感嘆符 (!) など)が含まれている必要があります。すべての文字は、スペース以外の下位 ASCII 文字にする必要があります。 |
ssh_enable |
Boolean | アプライアンスへの SSH 管理者ログインを有効にするには、true に設定します。 |
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
ip_family |
文字列 | アプライアンスのネットワークの IP アドレスのバージョン。
|
mode |
文字列 | アプライアンスのネットワークの IP アドレスの割り当て。
|
ip |
文字列 | アプライアンスの IP アドレス。 固定割り当てを使用する場合、つまり、 ネットワークの IP アドレスのバージョン、つまり、 IPv4 アドレスは、RFC 790 ガイドラインに準拠する必要があります。 IPv6 アドレスは、RFC 2373 ガイドラインに準拠する必要があります。 |
dns_servers |
文字列値または配列値 | 1 つ以上の DNS サーバの IP アドレス。
複数の DNS サーバを設定するには、文字列のカンマ区切りのリストか単一の文字列としてのカンマ区切りのリストを使用します。次に例を示します。
["x.y.z.a", "x.y.z.b"]または "x.y.z.a, x.y.z.b" 固定割り当てを使用する場合、つまり、 |
prefix |
文字列 | ネットワーク プリフィックス長。 割り当てを使用する場合、つまり、 IPv4 バージョンの場合、値は、 IPv6 バージョンの場合、値は、 |
gateway |
文字列 | デフォルト ゲートウェイの IP アドレス。 IPv6 バージョンの場合、値を |
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
vcdb_migrateSet |
文字列 | 古いアプライアンスから新しいアプライアンスに移行するデータのタイプを選択します。データは、ソース vCenter Server からターゲット サーバにコピーされます。データの移行元は変更されません。
注: 新しい vCenter Server アプライアンスで必要となる移行時間およびストレージ量を最小限に抑えるには、
core 値を使用します。
既存の vCenter Server から新しい vCenter Server に転送できるデータ タイプの詳細については、既存の vCenter Server Appliance からのデータ転送を参照してください。 |
移行アシスタントの自動呼び出しの要件
移行アシスタントの呼び出しを自動化するには、run_migration_assistant
サブセクションを使用します。自動呼び出しが機能するのは、移行元の Windows 環境が仮想マシンとして実行されている場合に限られます。
os_username
パラメータまたは
vum_os_username
パラメータで指定されたユーザー アカウントを使用するには、管理者権限に昇格する必要があります。例:
- 組み込みの Windows 管理者アカウント
- ユーザー名が Administrator 以外で、かつローカル Windows Administrators グループに属しているユーザーのアカウント
- ユーザー名が Administrator で、かつローカル Windows Administrators グループに属しているドメイン システム管理者アカウント
- ユーザー名の ID は、your_domain_name\\user_ID または user_ID@your_domain_name の形式にする必要があります。
vc_win
サブセクションの
migration_ssl_thumbprint
キーに貼り付け、
run_migration_assistant
セクションを削除します。
source_vc
セクションの構成パラメータ
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
hostname |
文字列 | 移行する vCenter Server または Platform Services Controller の移行元 Windows 環境のホスト名または IP アドレス。 |
username |
文字列 | 移行する vCenter Server Platform Services Controller インスタンスに対する管理者権限を持つ vCenter Single Sign-On ユーザー名。 |
password |
文字列 | 移行する vCenter Server または Platform Services Controller の各インスタンスのパスワード。 |
migration_port |
文字列 | 移行アシスタントのコンソールに表示される移行アシスタントのポート番号。デフォルトのポートは 9123 です。 |
active_directory_domain |
文字列 | 移行元の vCenter Server インスタンスが参加している Active Directory ドメインの名前。 |
active_directory_username |
文字列 | 移行元の vCenter Server インスタンスが参加している Active Directory ドメインの管理者のユーザー名。 |
active_directory_password |
文字列 | 移行元の vCenter Server インスタンスが参加している Active Directory ドメインの管理者のパスワード。
注: 入力した認証情報はインストーラによって検証されますが、移行先のマシンを Active Directory ドメインに追加するうえで必要な権限まではチェックされません。Active Directory ドメインにマシンを追加するために必要なすべての権限をユーザーの認証情報が満たしていることを確認してください。
|
migration_ssl_thumbprint |
文字列 | 移行アシスタントの SSL サムプリント。 |
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
esxi_hostname |
文字列 | 移行元の vCenter Server Platform Services Controller インスタンスが存在する ESXi の FQDN または IP アドレス。 |
esxi_username |
文字列 | ESXi ホストの管理者権限を持つユーザーの名前。 |
esxi_password |
文字列 | ESXi ホスト ユーザーのパスワード。空欄に(省略)した場合、テンプレートの検証時にコマンド コンソールからパスワードを入力するように求められます。 |
esxi_port |
文字列 | ESXi ホストのポート番号。デフォルトのポートは 443 です。 |
os_username |
文字列 | 移行元 Windows マシンの管理者のユーザー名。 |
os_password |
文字列 | 移行元 Windows マシンの管理者ユーザーのパスワード。空欄に(省略)した場合、テンプレートの検証時にコマンド コンソールから入力するように求められます。 |
migration_ip |
文字列 | 移行対象となるネットワーク アダプタの IP アドレス。 |
migration_port |
文字列 | 移行アシスタントのコンソールに表示される移行アシスタントのポート番号。デフォルトのポートは 9123 です。 |
export_dir |
文字列 | ソースの構成とデータをエクスポートするディレクトリ。 |
sa_password |
文字列 | ネットワーク vCenter Server サービス アカウント ユーザーのパスワードの IP アドレス。LocalSystem 以外のアカウントで vCenter Server サービスが実行されている場合、このオプションは必須です。空欄に(省略)した場合、テンプレートの検証時にコマンド コンソールから入力するように求められます。 |
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
esxi_hostname |
文字列 | 移行元の vCenter Server Platform Services Controller インスタンスが存在する ESXi の FQDN または IP アドレス。 |
esxi_username |
文字列 | ESXi ホストの管理者権限を持つユーザーの名前。 |
esxi_password |
文字列 | ESXi ホスト ユーザーのパスワード。空欄に(省略)した場合、テンプレートの検証時にコマンド コンソールからパスワードを入力するように求められます。 |
esxi_port |
文字列 | ESXi ホストのポート番号。デフォルトのポートは 443 です。 |
vum_hostname |
文字列 | 移行元の Update Manager インスタンスが存在する ESXi の FQDN または IP アドレス。 |
vum_os_username |
文字列 | 移行元 Windows マシンの管理者のユーザー名。 |
vum_os_password |
文字列 | Update Manager の移行元 Windows マシンの管理者ユーザーのパスワード。空欄に(省略)した場合、テンプレートの検証時にコマンド コンソールから入力するように求められます。 |
migration_port |
文字列 | 移行アシスタントのコンソールに表示される移行アシスタントのポート番号。デフォルトのポートは 9123 です。 |
export_dir |
文字列 | ソースの構成とデータをエクスポートするディレクトリ。 |
ceip
セクションの構成パラメータ
名前 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
ceip_enabled |
Boolean | このアプライアンスの CEIP に参加するには、true に設定します。 |