vCenter High Availability (vCenter HA) は、ホストとハードウェアの障害に加え、vCenter Server アプリケーションの障害からの保護にも対応します。vCenter HA は、アクティブからパッシブへの自動フェイルオーバーを使用することで、ダウンタイムを最小限に抑えた高可用性に対応します。

vCenter HA は、ご利用の vCenter Server Appliance を保護します。ただし、 vCenter Server Appliance の認証、証明書の管理、ライセンス提供は、 Platform Services Controller によって行われます。そのため、 Platform Services Controller の高可用性は、ご自身で確保する必要があります。次のオプションがあります。
  • Platform Services Controllerが組み込まれたアクティブ ノードをデプロイします。クローン作成プロセスの一環として、Platform Services Controller とそのすべてのサービスのクローンも作成されます。アクティブ ノードからパッシブ ノードへの同期の過程で、パッシブ ノード上の Platform Services Controller が更新されます。

    アクティブ ノードからパッシブ ノードへのフェイルオーバーが発生すると、パッシブ ノード上の Platform Services Controller が利用可能な状態になって、環境全体が利用可能な状態になります。

  • Platform Services Controllerインスタンスを複数デプロイし、ロード バランサーの内側に配置します。

    アクティブ ノードからパッシブ ノードへのフェイルオーバーが発生したとき、そのロード バランサーをパッシブ ノードは参照し続けます。いずれかの Platform Services Controller インスタンスが使用できない状態になると、ロード バランサーは別の Platform Services Controller インスタンスに要求をリダイレクトします。

vCenter HA の構成は、 vSphere Client から行います。構成ウィザードには、次のオプションが用意されています。
オプション 説明
自動 [自動] を選択した場合、パッシブ ノードと監視ノードにアクティブ ノードのクローンが作成され、それらのノードが自動的に構成されます。

ご利用の環境が次のいずれかの要件を満たしている場合に、このオプションを選択できます。

  • アクティブ ノードになる vCenter Server Appliance が、それ自身の ESXi ホストと仮想マシンを管理している。この構成は、自己管理型の vCenter Server と呼ばれることがあります。
  • vCenter Server Appliance が別の vCenter Server によって管理されている。どちらでも外部 Platform Services Controller が使用されていて、どちらでも vSphere 6.5 以降が実行されている必要があります。
手動 [手動] を選択した場合は、より柔軟な構成が可能になります。ご利用の環境がハードウェアとソフトウェアの要件を満たしていれば、このオプションを選択できます。

このオプションを選択した場合、パッシブ ノードと監視ノードに対し、手動でアクティブ ノードのクローンを作成する必要があります。一部のネットワーク構成についても自分で行う必要があります。

詳細については、 GUID-C169A6AD-FBE1-4A06-BDB2-87BA2C80B5AE.html#GUID-C169A6AD-FBE1-4A06-BDB2-87BA2C80B5AEを参照してください。