次の手順を使用して、Microsoft Cluster Service (MSCS) を vCenter Serverの可用性ソリューションとして設定します。

前提条件

  • 次のいずれかのゲスト オペレーティング システムで仮想マシン (VM) を作成します。
    • Windows 2008 R2 Datacenter
    • Windows 2012 R2 Datacenter
  • 2 つの Raw デバイス マッピング (RDM) ディスクをこの仮想マシンに追加します。これらのディスクは、追加時にマウントする必要があります。また、RDM ディスクは独立型通常ディスクである必要があります。
  • バス共有オプションが [物理] に設定されている個別の SCSI コントローラを作成します。
    注: この構成では、バス共有オプションが [物理] に設定された SCSI コントローラが使用されるため、バックアップとリストアはサポートされません。バックアップとリストアには、ホストベースのエージェントを使用する必要があります。
  • [仮想デバイス ノード] は、新たに作成した SCSI コントローラ 1 に設定します。
  • MSCS ドライブを開いて 2 つのフォルダを作成します(vCenter Server データ用と vCenter Server インストール用)。
  • vCenter Serverをインストールする前に Platform Services Controller インスタンスをインストールします。インストール中にその FQDN を指定してください。
図 1. vCenter Serverの高可用性を確保するための MSCS クラスタ
vCenter Server の可用性を確保するための MSCS クラスタ
注: vCenter Serverの可用性ソリューションとしての MSCS は、 vCenter Server の管理ノード(M ノード)にのみ提供されます。インフラストラクチャ ノードの場合、顧客は複数の N ノードをデプロイして高可用性を確保する必要があります。MSCS の保護のために M ノードと N ノードを同じ仮想マシンに設定することはできません。

手順

  1. 仮想マシンをパワーオンします。
  2. 2 つの RDM ディスクをフォーマットして、ドライブ文字を割り当て、MBR に変換します。
  3. [Windows] > [サーバー マネージャー] > [機能] を使用して、.net をインストールします。
  4. いずれかの RDM ディスクに vCenter Serverをインストールし、起動オプションを手動に設定します。
  5. 仮想マシンをパワーオフします。
  6. RDM ディスクを分離します。
    RDM ディスクの分離は、完全な削除ではありません。 [ディスクから削除] を選択したり、vmdk ファイルを削除したりしないでください。
  7. 仮想マシンのクローンを作成します。[オペレーティング システムのカスタマイズ] オプションを選択しないでください。
    クローン内に同一の SID を維持できるようにデフォルトまたはカスタムの sysprep ファイルを使用しないでください。
    注: 仮想マシンのクローンをクラスタのセカンダリ ノードとして作成するときには、sysprep による標準化は使用できません。sysprep による標準化を使用すると、サービスのセカンダリ ノードへのフェイル オーバーが失敗します。ホストが 1 つのドメイン内にあり、ドメイン ユーザー アカウントのみが使用される場合、SID が重複していても問題が発生することはありません。クラスタ ノードに vCenter Server 以外のサード パーティ製ソフトウェアをインストールすることは推奨されません。
  8. 両方の仮想マシンに共有 RDM を接続し、パワーオンします。
  9. 最初の仮想マシン (VM1) のホスト名および IP アドレスを変更します。
    vCenter Serverを VM1 にインストールしたときに使用した元の IP アドレスおよびホスト名を書き留めます。この情報は、クラスタ ロール IP アドレスを割り当てるために使用されます。
  10. フェールオーバー クラスタリング を両方のノードにインストールします。
  11. MSCS クラスタを VM1 に作成するために、両方のノードをクラスタに追加します。また、新しいクラスタの検証オプションも選択します。
  12. ロールの構成を開始するために、[汎用サービス] を選択し、[次へ] をクリックします。
  13. サービスの一覧から [VMware Service Lifecycle Manager] を選択し、[次へ] をクリックします。
  14. VM1 に使用するホスト名と IP アドレスを入力します。その後ロールに RDM を割り当てます。
  15. レジストリ設定のレプリケート ウィザードで、レジストリ キー SYSTEM\CurrentControlSet\Services\VMwareDirectoryService を追加し、[次へ] をクリックします。
  16. [リソースの追加] を使用し、VMware AFD サービスと VMware vCenter Configuration サービスをロールに追加します。
  17. ロールを停止してから再起動します。

結果

vCenter Serverの可用性をサポートできる MSCS クラスタを作成しました。

次のタスク

MSCS クラスタの作成後、フェイルオーバーが実行されることを確認するために、仮想マシンのホストとなっている vCenter Server(VM1) をパワーオフします。数分以内に、もう一方の仮想マシン (VM2) でサービスが実行されることを確認してください。