vCenter Server 5.5 アップデート 3.x では、vCenter Server に可用性を提供するためのオプションとして、Microsoft Cluster Service (MSCS) がサポートされます。

1 つの MSCS クラスタには複数の vCenter Server インスタンスが存在しますが、同時にアクティブになるのは 1 つのインスタンスのみです。このソリューションを使用すると、vCenter Server へのパッチの適用やアップグレードを行うことなく、オペレーティング システムへのパッチの適用やアップグレードなどのメンテナンスを実行できます。クラスタ内の 1 つのノードに対するメンテナンスを、vCenter Server データベースを停止することなく実行できます。

この方法のもう 1 つの利点は、MSCS が「シェアードナッシング」クラスタ アーキテクチャを使用することです。このクラスタでは、複数ノードからの同時ディスク アクセスは行われません。つまり、クラスタには分散ロック マネージャは必要ありません。MSCS クラスタは通常 2 つのノードのみを含み、そのノード間で共有 SCSI 接続を使用します。どんな場合でも、1 つのサーバのみがディスクを必要とするため、同時データ アクセスが発生することはありません。この共有により、ノードで障害が発生した場合の影響が最小限になります。

vSphere HA クラスタ オプションとは異なり、MSCS オプションが機能するのは Windows 仮想マシンのみです。MSCS オプションでは、vCenter Server Appliance はサポートされません。

注: この構成がサポートされるのは、 vCenter Server が物理ホスト上で実行されるのではなく、仮想マシンとして実行中のときだけです。