vSphere Web Client には、選択できる設定オプションとして [基本] と [詳細] の 2 つがあります。[基本] オプションを選択した場合は、vCenter HA の設定の一環としてパッシブ ノードと監視ノードが自動的に作成されます。[詳細] オプションを選択した場合は、アクティブ ノードのクローンを手動で作成してパッシブ ノードと監視ノードを作成する必要があります。

選択するオプションは環境によって異なります。vSphere Web Client の基本設定の要件は詳細オプションよりも厳格ですが、設定の大部分が自動化されています。vSphere Web Client の [詳細] 設定はハードウェアとソフトウェアの要件を満たしていれば選択でき、より柔軟に設定できます。ただし、[詳細] 設定を選択する場合は、アクティブ ノードのクローンを作成して設定する必要があります。

vSphere Web Client の基本設定ワークフロー

[基本] 設定ではアクティブ ノードのクローン作成が自動的に行われます。[基本] 設定を実行するには、次のいずれかの要件を満たしている必要があります。
  • アクティブ ノードになる vCenter Server Appliance が、それ自身の ESXi ホストと仮想マシンを管理している。この構成は、自己管理型の vCenter Server と呼ばれることがあります。
  • または、vCenter Server Appliance が別の vCenter Server(管理 vCenter Server)によって管理され、両方の vCenter Server インスタンスが同じ vCenter Single Sign-On ドメイン内に存在する。これは双方に外部 Platform Services Controller が使用されていて、なおかつどちらも vSphere 6.5 が実行されていることを意味します。
上記の要件を満たしている場合の [基本] ワークフローは次のようになります。
  1. ユーザーが、アクティブ ノードとなる最初の vCenter Server Appliance をデプロイします。
  2. ユーザーが各 ESXi ホストで vCenter HA トラフィック用の 2 つ目のネットワーク(ポート グループ)を追加します。
  3. ユーザーが vCenter HA の設定を開始します。[基本] を選択して、各クローンの IP アドレス、ターゲット ESXi ホストまたはクラスタ、およびデータストアを指定します。
  4. システムがアクティブ ノードのクローンを作成し、ホスト名を含めて完全に同じ設定を使用してパッシブ ノードを作成します。
  5. システムが再度アクティブ ノードのクローンを作成し、より軽量な監視ノードを作成します。
  6. 3 つのノードがハートビート情報の交換などの通信に使用する vCenter HA ネットワークがシステムによって設定されます。

詳細な手順については、vSphere Web Client での vCenter HA 基本オプションの設定を参照してください。

vSphere Web Client の詳細設定ワークフロー

[基本] オプションを選択できない場合、またはデプロイをより柔軟に制御する必要がある場合は、[詳細] 設定を実行できます。このオプションの場合、ユーザー自身が vCenter HA 設定の一環としてアクティブ ノードのクローンを作成する必要があります。また、このオプションを選択し、vCenter HA 設定を後で削除した場合、作成したノードを自分で削除する必要があります。

[詳細] オプションを選択した場合のワークフローは次のようになります。
  1. ユーザーが、アクティブ ノードとなる最初の vCenter Server Appliance をデプロイします。
  2. ユーザーが各 ESXi ホストで vCenter HA トラフィック用の 2 つ目のネットワーク(ポート グループ)を追加します。
  3. ユーザーがアクティブ ノードに 2 つ目のネットワーク アダプタ (NIC) を追加します。
  4. ユーザーが vSphere Web Client を使用して vCenter Server Appliance(アクティブ ノード)にログインします。
  5. ユーザーが vCenter HA の設定を開始し、[詳細] を選択し、パッシブ ノードと監視ノードの IP アドレスとサブネット情報を指定します。オプションで、フェイルオーバー管理用 IP アドレスをオーバーライドすることもできます。
  6. ユーザーが管理 vCenter Server にログインし、vCenter Server Appliance(アクティブ ノード)のクローンを 2 つ作成します。
  7. ユーザーは vCenter Server Appliance の設定ウィザードに戻って、設定プロセスを完了します。
  8. 3 つのノードがハートビート情報とレプリケーション情報を交換するために使用する vCenter HA ネットワークがシステムによって設定されます。
  9. vCenter Server Applianceは vCenter HA によって保護されます。

詳細については、vSphere Web Client での vCenter HA [詳細] オプションの設定を参照してください。