ESXi ホストをマルチパスおよびフェイルオーバー用に設定する場合、複数の iSCSI HBA を使用するか、または複数の NIC とソフトウェア iSCSI アダプタとを組み合わせることができます。

さまざまなタイプの iSCSI アダプタの詳細については、iSCSI イニシエータを参照してください。

マルチパスを使用する場合は、特定の考慮事項が適用されます。
  • 同じホストで独立型ハードウェア アダプタをソフトウェア iSCSI アダプタまたは依存型 iSCSI アダプタと結合する場合は、ESXi はマルチパスをサポートしません。
  • 同じホスト内のソフトウェア アダプタと依存型アダプタ間のマルチパスはサポートされます。
  • 異なるホストで、依存型アダプタと独立型アダプタの両方をミックスできます。
次の図は、さまざまなタイプの iSCSI イニシエータで使用可能なマルチパスの設定を示しています。
図 1. ホスト ベースのパス フェイルオーバー
この図は、さまざまなタイプの iSCSI イニシエータで使用可能なマルチパスの設定を示しています。

ハードウェア iSCSI とフェイルオーバー

ハードウェア iSCSI を備えているホストは通常、複数のハードウェア iSCSI アダプタも備えています。ホストは、これらのアダプタを使用し、1 台以上のスイッチを介してストレージ システムにアクセスすることができます。または、アダプタを 1 つ、ストレージ プロセッサを 2 つ設定し、アダプタが異なるパスを使用してストレージ システムにアクセスできるようにします。

図のホスト 1 には HBA1 と HBA2 の 2 つのハードウェア iSCSI アダプタがあり、ストレージ システムへの物理パスが 2 つ提供されます。VMkernel NMP であるかサードパーティ製の MPP であるかにかかわらず、ホストのマルチパス プラグインはデフォルトでパスにアクセスできます。このプラグインで、各物理パスの健全性を監視できます。たとえば、HBA1 自体、または HBA1 とネットワークとの間のリンクに障害が発生した場合、マルチパス プラグインでパスを HBA2 に切り替えることができます。

ソフトウェア iSCSI とフェイルオーバー

図のホスト 2 に示すように、ソフトウェア iSCSI を使用すると複数の NIC を使用でき、iSCSI 接続にフェイルオーバー機能とロード バランシング機能が提供されます。

マルチパス プラグインはホストの物理 NIC に直接アクセスすることができません。したがって、この設定では最初に各物理 NIC を個別の VMkernel ポートに接続する必要があります。その後、ポートのバインド技術を使用して、すべての VMkernel ポートとソフトウェア iSCSI イニシエータを関連付けます。別個の NIC に接続された各 VMkernel ポートは別々のパスになり、iSCSI ストレージ スタックと iSCSI ストレージ対応のマルチパス プラグインで使用できるようになります。

ソフトウェア iSCSI でのマルチパスの構成については、iSCSI および iSER 用ネットワークの設定を参照してください。