Virtual Volumes は、仮想マシンのファイル、仮想ディスク、およびその派生物をカプセル化したものです。

Virtual Volumes は、イーサネットまたは SAN を介して ESXi ホストに接続されているストレージ システムの内部にネイティブに格納されます。準拠ストレージ システムによってオブジェクトとしてエクスポートされ、ストレージ側のハードウェアによって全体的に管理されます。通常、Virtual Volumes は一意の GUID によって識別されます。Virtual Volumes は事前にプロビジョニングされませんが、仮想マシンの管理操作を実行するときに自動的に作成されます。これらの操作には、VM 作成、クローン作成、およびスナップショットの作成などがあります。ESXiおよび vCenter Server は、1 つ以上の Virtual Volumes を 1 つの仮想マシンに関連付けます。

Virtual Volumes のタイプ

システムは、仮想マシンを構成するコア要素として、次のタイプの Virtual Volumes を作成します。
data-VVol
各仮想ディスクの .vmdk ファイルに直接対応するデータ Virtual Volumes。仮想ディスク ファイルは従来のデータストア上にあるため、Virtual Volumes は仮想マシンに対して SCSI ディスクとして示されます。data-VVol は、シック プロビジョニングすることも、シン プロビジョニングすることもできます。
config-VVol
構成 Virtual Volumes またはホーム ディレクトリは、仮想マシンのメタデータ ファイルに含まれる小さいディレクトリを表します。ファイルには .vmx ファイル、仮想ディスクの記述子ファイル、ログ ファイルなどがあります。構成 Virtual Volumes は、ファイル システムでフォーマットされます。 ESXiが SCSI プロトコルを使用してストレージに接続されている場合、構成 Virtual Volumes は VMFS でフォーマットされます。NFS プロトコルを持つ構成 Virtual Volumes は、NFS ディレクトリとして表示されます。通常はシン プロビジョニングされます。
swap-VVol
仮想マシンを最初にパワーオンしたときに作成されます。これは、メモリに保持できない仮想マシン メモリ ページのコピーを保持する Virtual Volumes です。そのサイズは、仮想マシンのメモリ サイズによって決まります。デフォルトでは、シック プロ-ビジョニングされます。
snapshot-VVol
スナップショットのために仮想マシンのメモリ内容を保持する仮想メモリ ボリューム。シック プロビジョニングされます。
その他
特定の機能用の Virtual Volumes。たとえば、CBRC (Content-Based Read Cache) 用には、ダイジェスト Virtual Volumes が作成されます。

通常、仮想マシンでは、最低限、data-VVol、config-VVol、および swap-VVol という 3 つの Virtual Volumes が作成されます。作成される Virtual Volumes の最大数は、仮想マシンに存在している仮想ディスクおよびスナップショットの数によって決まります。

たとえば、次の SQL サーバには、6 つの Virtual Volumes があります。

  • config-VVol
  • オペレーティング システム用の data-VVol
  • データベース用の data-VVol
  • ログ用の data-VVol
  • パワーオン時の swap-VVol
  • snapshot-VVol

異なる仮想マシン コンポーネントに対して異なる Virtual Volumes を使用することにより、最大限に細分化された精度レベルでストレージ ポリシーを適用および操作できます。たとえば、仮想ディスクを含む Virtual Volumes には、仮想マシン起動ディスクの Virtual Volumes よりも豊富なサービスを含めることができます。同様に、スナップショット Virtual Volumes では、現在の Virtual Volumes と異なるストレージ階層を使用できます。

Virtual Volumes とディスク プロビジョニング

Virtual Volumes 機能では、仮想ディスクのシン プロビジョニングとシック プロビジョニングの両方の概念がサポートされます。ただし、I/O の観点からは、アレイによるシン プロビジョニングまたはシック プロビジョニングの実装と管理は ESXi ホストに対して透過的です。ESXiは、シン プロビジョニングに関連するすべての機能をストレージ アレイにオフロードします。データ パスでは、ESXi によるシン Virtual Volumesとシック Virtual Volumes の取り扱いに違いはありません。

仮想マシンの作成時に、仮想ディスクのタイプがシンかシックかを選択します。ディスクがシンで VVols データストア上にある場合、後からディスクを拡張することによってタイプを変更することはできません。

Virtual Volumes と MSCS のサポート

共有ディスクは、VVols に対する SCSI の永続的な予約をサポートする Virtual Volumes ストレージ上に配置できます。このディスクをクォーラム ディスクとして使用して、MSCS クラスタから RDM を排除することができます。詳細については、『vSphere のリソース管理』ドキュメントを参照してください。