ストレージ デバイスが ESXiホストで永続的に使用できなくなると、そのストレージ デバイスは永続的なデバイス損失 (PDL) 状態であるとみなされます。

通常、デバイスが誤って削除された場合、一意の ID が変更された場合、デバイスに修復不可能なハードウェア エラーが発生した場合に、PDL 状態が発生します。

ストレージ アレイによりデバイスが永続的に使用できないと判断されると、SCSI 認識コードがESXiホストに送信されます。認識コードを受け取ると、ホストはデバイスを障害発生として認識し、デバイスの状態を PDL として登録します。デバイスが永続的に失われたと見なされるには、そのすべてのパスで認識コードを受信する必要があります。

デバイスの PDL 状態の登録後は、ホストは接続の再構築を停止し、デバイスへのコマンドの送信を停止します。

vSphere Clientにはデバイスに関する次の情報が表示されます。
  • デバイスの動作状態が Lost Communicationに変わります。
  • すべてのパスが Deadと表示されます。
  • デバイス上のデータストアは使用できません。

デバイスへの開かれた接続がない場合、または最新の接続が閉じた後は、ホストは PDL デバイスと、デバイスに対するすべてのパスを削除します。パスの自動削除は、ホストの詳細パラメータ Disk.AutoremoveOnPDLを 0 に設定することで無効にできます。

デバイスが PDL 状態から復帰した場合、ホストによって検出されても新しいデバイスと見なされます。リカバリされたデバイス上に存在する仮想マシンのデータの整合性は保証されません。

注: 適切な SCSI 認識コードまたは iSCSI のログイン拒否を送信することなく、デバイスに障害が発生すると、ホストは PDL 状態を検出できません。この場合、デバイスに永続的な障害が発生した場合でも、ホストはデバイス接続の問題を APD として処理し続けます。

永続的なデバイス損失と SCSI 認識コード

次の VMkernel ログは、デバイスが PDL 状態になったことを表す SCSI 認識コードの例です。
H:0x0 D:0x2 P:0x0 Valid sense data: 0x5 0x25 0x0 or Logical Unit Not Supported

永続的なデバイス損失と iSCSI

ターゲットごとに単一の LUN を持つ iSCSI アレイでは、iSCSI ログインの障害によって PDL が検出されます。iSCSI セッションを開始しようとするホストの試みは、iSCSI ストレージ アレイによってTarget Unavailableとの理由で拒否されます。認識コードを使用する場合は、この応答が、永続的な損失であるとみなされるデバイスへのすべてのパスで受信される必要があります。

永続的なデバイス損失と仮想マシン

デバイスの PDL 状態の登録後は、ホストは仮想マシンからのすべての I/O を閉じます。vSphere HA は PDL を検出し、障害の発生した仮想マシンを再起動できます。詳細については、デバイスの接続問題と高可用性を参照してください。