ESXi は、不揮発性メモリ (NVM) デバイスとも呼ばれる次世代の永続的なメモリ デバイスをサポートします。これらのデバイスは、メモリのパフォーマンスと速度を従来のストレージの永続性と組み合わせたものです。再起動や電源障害が発生しても、これらのデバイスに格納されたデータは保持されます。

高バンド幅、低遅延、および永続性を必要とする仮想マシンは、このテクノロジーを利用できます。たとえば、アクセラレーション データベースや分析ワークロードがある仮想マシンが該当します。

ESXi ホストで永続的なメモリを使用するには、次の概念に精通している必要があります。

PMEM データストア
ESXi ホストに永続的なメモリを追加すると、ホストは、そのハードウェアを検出し、フォーマットしてローカル PMEM データストアとしてマウントします。 ESXi では、ファイル システムのフォーマットとして VMFS-L が使用されます。ホストごとに 1 つのローカル PMEM データストアのみがサポートされます。
注: 永続的な物理メモリを管理する場合は、すべての仮想マシンをホストから退避し、ホストをメンテナンス モードにしてください。
管理オーバーヘッドを軽減するために、PMEM データストアは、簡素化された管理モデルを提供します。一般に、従来のデータストア タスクはデータストアに適用されません。これは、必要なすべての操作がホストによって自動的にバックグラウンドで実行されるためです。管理者は、vSphere Client のデータストア ビューにデータストアを表示することも、他の通常のデータストア操作を実行することもできません。管理者が実行できる唯一の操作は、PMEM データストアの統計情報を監視することです。
PMEM データストアは、仮想 NVDIMM デバイスおよび仮想マシンの従来型の仮想ディスクを格納するために使用します。 vmx および vmware.log ファイルを含む仮想マシンのホーム ディレクトリを PMEM データストアに配置することはできません。
PMEM アクセス モード
ESXi では、2 つの異なるモードで永続的なメモリが仮想マシンに公開されます。PMEM に対応する仮想マシンは、永続的なメモリに直接アクセスすることができます。従来型の仮想マシンは、PMEM データストアに格納されている高速仮想ディスクを使用できます。
直接アクセス モード
このモードでは、PMEM 領域を仮想の不揮発性デュアル インライン メモリ モジュール (NVDIMM) として仮想マシンに提示できます。仮想マシンは、NVDIMM モジュールを、電源サイクル間で維持できる標準のバイト アドレス指定可能なメモリとして使用します。
仮想マシンをプロビジョニングするときに、1 つまたは複数の NVDIMM モジュールを追加できます。
仮想マシンは、ハードウェア バージョン ESXi 6.7 以降で、PMEM に対応したゲスト OS を使用する必要があります。NVDIMM デバイスは、Windows 2016 のような、永続的なメモリをサポートする最新のゲスト OS に対応しています。
各 NVDIMM デバイスは、PMEM データストアに自動的に保存されます。
仮想ディスク モード
このモードは、従来型のすべての仮想マシンで使用可能であり、すべてのレガシー バージョンを含む、すべてのハードウェア バージョンをサポートしています。仮想マシンは、PMEM に対応している必要はありません。このモードを使用する場合は、通常の SCSI 仮想ディスクを作成し、PMEM 仮想マシン ストレージ ポリシーをディスクに適用します。ポリシーにより、ディスクが PMEM データストアに自動的に配置されます。
PMEM ストレージ ポリシー
PMEM データストアに仮想ディスクを配置するには、ホストのローカル PMEM のデフォルト ストレージ ポリシーをディスクに適用する必要があります。このポリシーは編集できません。
このポリシーは、仮想ディスクにのみ適用できます。仮想マシンのホーム ディレクトリは PMEM データストア上にないため、任意の標準データストアに配置してください。
PMEM ストレージ ポリシーを仮想ディスクに割り当てた後は、 [仮想マシンの編集設定] ダイアログ ボックスでポリシーを変更することはできません。ポリシーを変更するには、仮想マシンを移行するかクローンを作成します。

次の図は、永続的なメモリのコンポーネントがどのように相互作用するかを示しています。

NVDIMM または仮想の永続的なメモリ ディスクを使用する仮想マシンを構成および管理する方法については、『vSphere のリソース管理』ドキュメントを参照してください。