ストレージ デバイスに HPP を使用する場合は、I/O が I/O スケジューラを回避できるように、遅延感度しきい値を設定します。
デフォルトでは、ESXi はすべての I/O を I/O スケジューラを介して渡します。ただし、I/O スケジューラを使用すると内部キューイングが発生する可能性があるため、高速のストレージ デバイスの場合は効率的ではありません。
遅延感度しきい値を設定することにより、直接送信メカニズムを有効にして I/O がスケジューラを迂回するようにできます。このメカニズムを有効にすると、I/O は HPP を介して PSA からデバイス ドライバに直接渡されます。
直接送信が適切に機能するためには、観測される I/O の遅延の平均が、指定した遅延のしきい値よりも短い必要があります。I/O の遅延が遅延感度しきい値を超えると、システムは直接送信を停止し、I/O スケジューラの使用に一時的に戻ります。I/O 遅延の平均が遅延感度しきい値を再び下回ると、直接送信が再開されます。
手順
- デバイスの遅延感度しきい値は、次のコマンドを実行して設定します。
esxcli storage core device latencythreshold set --device=device name --latency-sensitive-threshold=value in milliseconds
- 遅延感度しきい値が設定されていることを確認します。
esxcli storage core device latencythreshold list
Device Latency Sensitive Threshold
-------------------- ---------------------------
naa.55cd2e404c1728aa 0 milliseconds
naa.500056b34036cdfd 0 milliseconds
naa.55cd2e404c172bd6 50 milliseconds
- 遅延感度しきい値のステータスを監視します。次のエントリの VMkernel ログを確認します。
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Latency Sensitive Gatekeeper turned on for device device. Threshold of XX msec is larger than max completion time of YYY msec
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Latency Sensitive Gatekeeper turned off for device device. Threshold of XX msec is exceeded by command completed in YYY msec