Update Manager ベースラインには、ホスト ベースラインと仮想マシン ベースラインの 2 つのタイプがあります。vSphere インベントリ内のオブジェクトをアップデートするには、事前定義済みのベースライン、システム管理のベースライン、または自作のカスタム ベースラインを使用できます。

ホストと仮想マシンをスキャンする際には、これらのベースラインおよびベースライン グループを基準に評価して、その仮想マシンのコンプライアンス レベルを判断します。

vSphere Client では、ベースラインおよびベースライン グループが、Update Manager のホーム ビューの [ベースライン] タブに表示されます。

これらを使用する目的に応じて、ホスト ベースラインには 1 つまたは複数のパッチ、拡張機能、またはアップグレードの集合を含めることができます。そのため、ホスト ベースラインはアップグレード、拡張機能、またはパッチのベースラインです。ホストをアップデートまたはアップグレードするには、Update Manager のデフォルト ベースラインまたは自作のカスタム ベースラインを使用できます。

仮想マシン ベースラインは事前定義済みです。カスタムの仮想マシン ベースラインを作成することはできません。

デフォルト ベースラインは、事前定義済みおよびシステム管理のベースラインです。

システム管理のベースライン

Update Manager には、vSAN によって生成されたシステム管理のベースラインが表示されます。これらのベースラインは、VMware ESXi 6.0 Update 2 バージョン以降を使用する ESXi ホストで vSAN クラスタを使用する場合、vSphere インベントリにデフォルトで表示されます。vSphere 環境に vSAN クラスタが含まれていない場合は、システム管理のベースラインは作成されません。

システム管理ベースラインでは、コンテンツが定期的に更新されるため、Update Manager に常時インターネット アクセスが必要になります。vSAN システム ベースラインは通常 24 時間ごとに更新されます。

システム管理のベースラインを使用して、推奨される重要なパッチ、ドライバ、アップデート、vSAN でサポートされる最新の ESXi ホスト バージョンに vSAN クラスタをアップデートします。

システム管理のベースラインは編集または削除することができません。システム管理のベースラインは、vSphere 環境内のインベントリ オブジェクトに添付されません。複数のシステムの管理ベースラインのベースライン グループを作成することはできますが、そのグループに他のタイプのベースラインを追加することはできません。同様に、システム管理のベースラインは、アップグレード、パッチ、拡張機能ベースラインを含むベースライン グループに追加することができません。

事前定義済みのベースライン

事前定義済みのベースラインは、編集も削除もできません。各インベントリ オブジェクトに接続または分離することのみ可能です。

Update Manager ホーム ビューの [ベースライン] タブに、次の事前定義済みベースラインが表示されます。

重要度の高いホスト パッチ (事前定義済み)
重要度の高いパッチすべてに対して、 ESXi ホストのコンプライアンス状態をチェックします。
重要度の低いホスト パッチ (事前定義済み)
オプションのパッチすべてに対して、 ESXi ホストのコンプライアンス状態をチェックします。
Update Manager ホーム ビューの [仮想マシン ベースライン] タブに、次の事前定義済みベースラインが表示されます。
ホストと整合するように VMware Tools をアップグレード (事前定義済み)
ホスト上の最新バージョンの VMware Tools に対する仮想マシンのコンプライアンス状態を確認します。 Update Manager は、 ESXi 6.0.x 以降を実行しているホスト上の仮想マシンに対する VMware Tools のアップグレードをサポートします。
ホストと整合するように仮想マシン ハードウェアをアップグレード (事前定義済み)
ホストがサポートする最新バージョンに対する仮想マシンの仮想ハードウェアのコンプライアンス状態をチェックします。 Update Manager は、 ESXi 6.7 を実行しているホスト上での、仮想ハードウェア バージョン vmx-15 へのアップグレードをサポートします。

カスタム ベースライン

カスタム ベースラインは、ユーザーが作成するベースラインです。

vCenter Server システムが共通の vCenter Single Sign-On ドメインによって他の vCenter Server システムに接続され、グループ内の各 vCenter Server システム用に Update Manager インスタンスがある場合、作成および管理するベースラインおよびベースライン グループは、選択した Update Manager インスタンスが実行される vCenter Server システムが管理するインベントリ オブジェクトにのみ適用されます。

ベースライン グループ

既存のベースラインを組み合わせて、ベースライン グループを作成します。1 つのベースライン グループには、1 つのアップグレード ベースラインと、1 つ以上のパッチおよび拡張機能のベースラインが含まれる場合や、複数のパッチおよび拡張機能ベースラインの組み合わせが含まれる場合があります。

ベースラインおよびベースライン グループを作成、編集、または削除するには、ベースラインの管理権限が必要です。ベースラインおよびベースライン グループをターゲットのインベントリ オブジェクトに接続するには、ベースラインの接続権限が必要です。権限は、Update Manager が実行されている vCenter Server システムで割り当てられている必要があります。ユーザー、グループ、ロール、および権限の管理の詳細については、『vCenter Server およびホストの管理』 を参照してください。すべての Update Manager の権限とその説明のリストについては、Update Manager の権限 を参照してください。