高パフォーマンスを実現して必要なストレージ容量を確保し、将来的な拡張に対応できるように、vSAN キャッシュ デバイスおよびオールフラッシュ キャパシティ デバイスとして使用するフラッシュ デバイス構成を計画します。

PCIe または SSD フラッシュ デバイスの選択

vSAN ストレージのパフォーマンス、容量、書き込み耐久性、およびコストの要件に応じて、PCIe または SSD フラッシュ デバイスを選択します。

  • 互換性。 PCIe または SSD デバイスのモデルは、『VMware 互換性ガイド』の「vSAN」セクションのリストに含まれている必要があります。
  • パフォーマンス。 一般に、PCIe デバイスのパフォーマンスは SSD デバイスよりも高速です。
  • 容量。 PCIe デバイスで使用可能な最大容量は、『VMware 互換性ガイド』において現在 vSAN の互換 SSD デバイスとしてリストに含まれている最大容量よりも大きくなります。
  • 書き込み耐久性。 PCIe または SSD デバイスの書き込み耐久性は、容量、オールフラッシュ構成のキャッシュ、およびハイブリッド構成でのキャッシュの要件を満たす必要があります。

    オールフラッシュ構成とハイブリッド構成での書き込み耐久性要件の詳細については、『VMware vSAN 設計とサイジング ガイド』を参照してください。 PCIe および SSD デバイスの書き込み耐久性クラスの詳細については、『VMware 互換性ガイド』の「vSAN」セクションを参照してください。

  • コスト。 一般に、PCIe デバイスのコストは SSD デバイスの場合よりも高くなります。

vSAN キャッシュとしてのフラッシュ デバイス

これらの考慮事項に基づき、書き込み耐久性、パフォーマンス、および潜在的な拡張性について、vSAN 用のフラッシュ キャッシュの構成を設計します。

表 1. vSAN キャッシュのサイジング
ストレージ構成 考慮事項
オールフラッシュ構成とハイブリッド構成
  • キャッシュ対容量比を高くすれば、将来的に容量を拡張しやすくなります。キャッシュのサイズを大きめに設定することにより、キャッシュのサイズを増やさずに、既存のディスク グループに容量を追加することができます。
  • フラッシュ キャッシュ デバイスには、高い書き込み耐久性が必要です。
  • フラッシュ キャッシュ デバイスの置き換えは、ディスク グループ全体に影響が及ぶ操作であるため、キャパシティ デバイスの置き換えよりも複雑になります。
  • フラッシュ デバイスを追加してキャッシュのサイズを追加する場合は、ディスク グループをさらに作成する必要があります。フラッシュ キャッシュ デバイスとディスク グループの比率は、常に 1:1 です。

    複数のディスク グループを構成することには、次の利点があります。

    • 障害のリスクが低減されます。単一のキャッシュ デバイスに障害が発生した場合、影響を受けるキャパシティ デバイスの数が少なくなります。
    • 小サイズのフラッシュ キャッシュ デバイスを含むディスク グループを複数デプロイすれば、潜在的にパフォーマンスが向上します。

    ただし、複数のディスク グループを構成すると、ホストのメモリ消費量は増大します。

オールフラッシュ構成

オールフラッシュ構成の場合、vSAN は書き込みキャッシュでのみキャッシュ レイヤーを使用します。書き込みキャッシュには、大量の書き込み動作を処理する能力が必要です。このアプローチでは容量フラッシュの存続期間が延び、より廉価で、書き込み耐久性が低くなります。

ハイブリッド構成

フラッシュ キャッシュ デバイスは、仮想マシンの使用が想定される、予測されたストレージの少なくとも 10%(ミラーなどのレプリカを含まない)を提供する必要があります。仮想マシン ストレージ ポリシーの [許容されるプライマリ レベルの障害数] 属性は、キャッシュのサイズに影響しません。

アクティブな仮想マシン ストレージ ポリシーで読み取りキャッシュの予約が設定されている場合、vSAN クラスタのホストには、障害後の再構築またはメンテナンス操作の期間に予約の必要を満たす十分なキャッシュが必要です。

使用可能な読み取りキャッシュが予約の必要を満たすほど十分でない場合は、再構築またはメンテナンス操作に失敗します。読み取りキャッシュ予約は、特定のワークロードに対する明確で既知のパフォーマンス要件を満たす必要がある場合にのみ使用します。

スナップショットを使用する場合は、キャッシュ リソースが消費されます。いくつかのスナップショットを使用する場合は、キャッシュ対消費容量比 10 パーセントの従来量よりも多くのキャッシュを専用に使用することを考慮します。