高い可用性を確保し、使用量の増大に対処できるように、ホストおよび管理ノード構成を設計します。

障害の許容に対応する vSAN クラスタのサイジング

仮想マシン ストレージ ポリシーで [許容されるプライマリ レベルの障害数] (PFTT) 属性を設定し、ホストの障害を処理します。クラスタに必要なホスト数は次のように計算されます: 2 * PFTT + 1。 クラスタが許容する障害の数が多いほど、容量の大きいホストが必要になります。

クラスタのホストがラック サーバに接続されている場合は、ホストをフォールト ドメインに編成し、トップオブラックのスイッチの障害やサーバ ラック電源の損失などの問題に対して回復性を向上することができます。vSAN フォルト ドメインの設計とサイジング を参照してください。

2 ホスト構成または 3 ホスト構成のクラスタの制限

3 台のホストで構成されるクラスタでは、許容する障害の数を 1 に設定することにより、ホスト障害を 1 つのみ許容することができます。vSAN は、仮想マシン データの 2 つのレプリカをそれぞれ異なるホストに保存します。監視オブジェクトは、3 つ目のホストに配置します。 クラスタのホスト数が少ないため、次の制限があります。

  • 1 台のホストに障害が発生した場合、vSAN は、新たな障害に備えるために別のホストにデータを再構築することができません。
  • ホストをメンテナンス モードに切り替える必要がある場合、vSAN はホストからデータを退避させてポリシーのコンプライアンスを維持することはできません。ホストがメンテナンス モードの場合、障害がさらに発生すると、データは潜在的な障害またはアクセス不可に対して無防備になります。

    [データのアクセシビリティの確保] のデータ退避オプションのみを使用できます。[データ アクセシビリティの確保] は、データの移行中でもオブジェクトが使用できるようにします。ただし、別の障害が発生した場合には、オブジェクトにリスクが発生する可能性があります。2 ホスト構成または 3 ホスト構成のクラスタの vSAN オブジェクトは、ポリシーに準拠しません。ホストがメンテナンス モードの場合は、オブジェクトが再構築され、ポリシーのコンプライアンスが確保されます。

    アクセスできないホストまたはディスク グループが 2 ホスト構成または 3 ホスト構成のクラスタに含まれていると、別の障害が発生した場合に vSAN オブジェクトがアクセス不能になるリスクがあります。

負荷分散と非負荷分散のクラスタ構成

vSAN は、ホストが同じ構成に統一されている環境で最適に機能します。

vSAN クラスタで構成が異なるホストを使用すると、次のようなデメリットがあります。

  • vSAN は各ホストに同数のコンポーネントを格納できないため、ストレージ パフォーマンスの予測性が低下します。
  • 各ホストのメンテナンス方法が異なります。
  • キャッシュ デバイスの数が少ないか、タイプが異なる場合、クラスタ内のホストのパフォーマンスが低下します。

vSAN への vCenter Server のデプロイ

vCenter Server が使用できない場合でも、vSAN は正常に動作を続け、仮想マシンは継続して稼動します。

vCenter ServervSAN データストアにデプロイされていて、vSAN クラスタに問題が発生した場合は、Web ブラウザを使用して各 ESXi ホストにアクセスし、vSphere Host Client 経由で vSAN を監視することができます。vSAN の健全性情報は、Host Client で、または esxcli コマンドを使用して表示できます。

注: vCenter Server を vSAN データストアに展開する場合は、vCenter vmdk のストレージ ポリシーをシック プロビジョニングに設定します。詳細については、『 VMware vSAN の管理』の「vSAN ポリシーについて」を参照してください。