更新日:2019 年 3 月 7 日

VMware vSAN 6.7 Update 1 | 2018 年 10 月 16 日 | ISO ビルド 10302608

リリース ノートに追加または更新された内容をご確認ください。

リリース ノートの概要

このリリース ノートには、次のトピックが含まれています。

新機能

vSAN 6.7 Update 1 には、次の新機能および機能強化が含まれています。 

ガイド付きクラスタの作成と拡張。vSAN 6.7 Update 1 では、vSphere Client にクイックスタート ウィザードが導入されました。クイックスタート ワークフローでは、vSAN クラスタと vSAN 以外のクラスタの展開プロセスを示します。このワークフローは、ホスト、ネットワーク、および vSphere の設定など、初期構成のあらゆる側面をカバーしています。また、クイックスタートでは、ユーザーはクラスタに追加のホストを追加することもできるため、vSAN クラスタの継続的な拡張にも役立ちます。

VUM による HBA ファームウェアのアップデート。vSAN ホストのストレージの I/O コントローラ ファームウェアは、vSphere Update Manager の修正ワークフローの一部として含まれるようになりました。この機能は、これまで構成アシストという vSAN ユーティリティで提供されていました。また、VUM は、インターネットに接続されていない特定の OEM ベンダーや vCenter Server によって提供されるカスタム ISO もサポートしています。

メンテナンス モードの拡張。vSAN は、データ退避のシミュレーションを実行して、操作が開始する前に成功するか失敗するかを判断するようになりました。退避に失敗する場合は、vSAN は再同期処理が開始される前に操作を停止します。また、vSphere Client を使用すると、コンポーネントの修復遅延タイマーを変更できるため、この設定を調整できます。 

履歴容量および使用可能な容量のレポート。vSAN 6.7 Update 1 では、重複排除比率に対する過去の変更など、一定期間の使用状況をレポートする履歴容量ダッシュボードが導入されています。また、このリリースには、使用可能な容量見積もりツールも含まれています。これにより、選択したストレージ ポリシーに基づいて使用可能なデータストアの容量を確認できます。 

ストレージの効率化のための TRIM/UNMAP。  vSAN 6.7 Update 1 では、ゲスト OS から送信された TRIM/UNMAP コマンドを完全に認識し、以前に割り当てられたブロックを基盤となる vSAN オブジェクト内の空き容量として再利用するようになりました。TRIM/UNMAP は、ゲスト OS 内で設定される自動モードまたはオフライン モードで設定できます。 

監視トラフィックの分離のための混合 MTU。vSAN は、監視トラフィック用の VMkernel インターフェイスと vSAN データ ネットワーク用の VMkernel インターフェイスに対して異なる MTU 設定をサポートするようになりました。この機能により、監視トラフィックの分離を利用するストレッチ クラスタと 2 ノード クラスタのネットワークの柔軟性が向上します。 

健全性チェックの強化。ストレージ コントローラのファームウェアの健全性チェックでは、複数の承認済みファームウェア レベルをサポートすることで、柔軟性を向上させました。ユーザー インターフェイスから健全性チェックを無効にすることができます。不要になったアクセスできないスワップ オブジェクトを消去できます。健全性チェック「すべてのホストでサブネットが一致」は非推奨となりました。  

ユニキャスト ネットワーク パフォーマンス テスト。ユニキャストに基づく新しいプロアクティブ ネットワーク パフォーマンス テストでは、クラスタ内のすべてのホストが適切な接続性を備え、帯域幅の推奨値を満たしているかどうかを判断します。

vCenter Server 内の vRealize Operations の強化。vCenter Server に組み込まれているネイティブの vROps ダッシュボードでは、vSAN ストレッチ クラスタのインテリジェンスを表示できます。さらに、展開プロセスで分散仮想スイッチおよび vROps 7.0 との完全な互換性がサポートされるようになりました。 

製品内サポート診断。vSAN 6.7 Update 1 では、製品診断を導入することにより、VMware グローバル サポートがお客様のサポート案件をより迅速に解決できるようになりました。vCenter Server の専用のパフォーマンス ダッシュボードと、オンデマンド ネットワーク診断テストにより、サポート バンドルを生成して VMware サポートにアップロードする必要がなくなり、サポート ケースの解決までの時間が短縮されました。さらに、健全性チェック履歴はサポート担当者が参照できるようにログ ファイルに保存されます。   

更新された詳細設定。vSphere Client には [詳細設定] ダイアログ ボックス([設定] > [vSAN] > [サービス] > [詳細オプション])があります。コンポーネント修復遅延タイマーを調整することができます。シン スワップ ファイルおよびサイト読み取りのローカリティーも有効化/無効化できます。 

VMware vSAN コミュニティ

vSAN コミュニティ Web サイトを使用して、vSAN の使用中に見つかった問題に対してフィードバックを提供したり、サポートを依頼します。  

このリリースのアップグレード

vSAN のアップグレードの詳細については、VMware vSAN 6.7 のドキュメントを参照してください。 

vSAN 6.7 Update 1 は、vSphere 6.7 Update 1 への完全アップグレードを必要とする新しいリリースです。アップグレードを完了するには、次のタスクを実行します。

1.vCenter Server 6.7 Update 1 にアップグレードします。詳細については、「VMware vSphere 6.7 リリース ノート」を参照してください。 
2.ホストを ESXi 6.7 Update 1 にアップグレードします。詳細については、「VMware vSphere 6.7 リリース ノート」を参照してください。 
3.vSAN のオンディスク フォーマットをバージョン 7.0 にアップグレードします。オンディスク フォーマット バージョン 5.0 以降からアップグレードする場合、データの退避は必要ありません(メタデータの更新のみ)。

容量の少ないホストのオンディスク フォーマットのアップグレード

vSAN オンディスク フォーマットのアップグレード中に、ディスク グループの退避が実行されます。ディスク グループが削除されて、オンディスク フォーマット バージョン 7.0 にアップグレードされてから、ディスク グループが再びクラスタに追加されます。2 ノードまたは 3 ノード クラスタの場合、または各ディスク グループを退避させるための十分なキャパシティのないクラスタの場合は、vSphere Client から [冗長性の低下を許可] を選択します。次の RVC コマンドを使用して、オンディスク フォーマットをアップグレードすることもできます:vsan.ondisk_upgrade --allow-reduced-redundancy

冗長性の低下を許可する場合、この方法ではデータがクラスタ内の他のホストに退避されないため、アップグレードの間、仮想マシンが保護されません。この方法では、各ディスク グループが削除されて、オンディスク フォーマットがアップグレードされ、ディスク グループが再びクラスタに追加されます。すべてのオブジェクトを引き続き使用できますが、冗長性は低下します。

vSAN 6.7 へのアップグレード中に重複排除(デデュープ)および圧縮を有効にすると、vSphere Client から [冗長性の低下を許可] を選択できます。

アップグレード中の健全性チェック エラーの確認

vSAN オンディスク フォーマットのアップグレード中に、物理ディスクの健全性チェック(メタデータの健全性チェック)が断続的に失敗することがあります。主に vSAN でストレージ デバイスに物理ブロックを割り当てる必要があることが原因で、ステージング解除プロセスが遅れている場合、これらのエラーが発生する可能性があります。複数の仮想マシンの展開などのアクティビティの多い期間が終了した後は、この健全性チェックのステータスを確認してからアクションを実行します。健全性チェックが赤のままである場合、警告が有効になっています。健全性チェックが緑の場合、以前の警告を無視できます。詳細については、ナレッジベースの記事 2108690 を参照してください。

制限

vSAN 6.7 Update 1 では、構成アシストおよびアップデートは、Flex ベースの vSphere Web Client でのみ使用可能です。 

vSAN 6.7 リリースにおける構成の上限については、『構成の上限』ドキュメントを参照してください。 

既知の問題

  • ホストをメンテナンス モードに切り替えるとタイムアウトとなる

    vSAN クラスタが多数のオブジェクトを再同期中にホストをメンテナンス モードにするとタイムアウトになります。この問題は、以下のデータ退避モードのいずれかを使用する際に発生する場合があります。別のホストからのデータ アクセスの確保またはすべてのデータを別のホストへ退避する

    回避策:クラスタの再同期が完了するまで待機してから、ホストをメンテナンス モードに切り替えてください。

  • ディスクのリバランスを行ったときに、vSAN 健全性サービスによって表示される移動対象のデータ量が、RVC によって表示されるデータ量と一致しない

    RVC は、ディスクをリバランスするときに移動するデータ量を決定するために、概算を試算します。vSAN 健全性サービスではさらに正確な値が表示されます。

    ディスクのリバランスを行う場合は、vSAN 健全性サービスを参照して、移動するデータ量を確認してください。

    回避策:なし。

  • ゲスト OS からの TRIM/UNMAP コマンドが失敗する

    オンライン スナップショットの統合中にゲスト OS が容量の再利用を実行すると、TRIM/UNMAP コマンドは失敗します。この障害により、容量が再利用されなくなります。

    回避策:オンライン スナップショットの操作が完了してから、容量の再利用を実行します。後続の TRIM/UNMAP 操作が失敗する場合は、ディスクを再マウントしてください。

  • オンライン スナップショット統合を実行すると、SCSI TRIM/UNMAP で得られた容量の再利用が失われる

    SCSI TRIM/UNMAP コマンドで得られた容量の再利用は、オンライン スナップショット統合を行うと、失われてしまいます。オフライン スナップショット統合は、SCSI UNMAP 操作に影響しません。

    回避策:オンライン スナップショット統合が完了してから、容量の再利用を実行します。

  • データ ホストを監視ホストに変換するときに、ホストに障害が発生する

    vSAN クラスタをストレッチ クラスタに変換する場合は、監視ホストを指定する必要があります。データ ホストは監視ホストに変換できますが、処理中にメンテナンス モードを使用して完全なデータ移行を行う必要があります。[アクセシビリティの確保] オプションを使用してこのホストをメンテナンス モードにしてから、監視ホストとして設定すると、ホストに障害が発生してパープル スクリーンが表示されることがあります。

    回避策:監視ホストのディスク グループを削除してから、ディスク グループを再作成します。

  • vSAN 6.6.1 以前のバージョンからアップグレード中にメンテナンス モードに切り替えると、ホストがタイムアウトになる

    アップグレード中、[データのアクセシビリティの確保] オプションを使用すると、各ホストはメンテナンス モードに切り替わります。FTT = 0 のオブジェクトがクラスタにある場合、vSphere 6.0 Update 2 以前のバージョンを実行しているホストはタイムアウトになることがあります。この問題は、クラスタに多数のオブジェクトがあり、一部のオブジェクトに FTT = 0 が含まれる場合に発生します。

    回避策:クラスタをアップグレードする前に、すべてのオブジェクトの FTT 値を 0 から 1 に増やすことができます。また、60 分待ってからアップグレードを再試行することもできます。

  • データストアの移行中に常駐ホストに障害が発生すると、vCenter Server で同じ名前の仮想マシンが複製される

    Storage vMotion で、vSAN から別のデータストア(NFS など)に仮想マシンを移行しているときに、仮想マシンが属するホストで vSAN ネットワークの障害が発生して仮想マシンの HA フェイルオーバーが実行されると、仮想マシンが vCenter Server で複製されることがあります。 

    回避策:無効な仮想マシンをパワーオフして、vCenter Server から登録解除します。 

  • vSphere Client を使用して重複排除または暗号化を無効にすると、冗長性の低下が許可されない

    HTML ベースの vSphere Client では、重複排除と圧縮を無効にした場合、
    または vSAN 6.7 クラスタで暗号化を無効にした場合、冗長性の低下が許可されません。vSAN は、全データの退避で処理を実行します。
    クラスタ構成の問題が発生するか、クラスタがいっぱいであるというエラー メッセージが表示されることがあります。

    回避策:vSphere Web Client を使用して、重複排除または暗号化を無効にします。 

    この問題が発生した場合は、健全性サービスを使用してクラスタ構成を修正します。 

    1. vSAN クラスタに移動します。
    2. [監視] > [健全性] > [vSAN クラスタ構成の一貫性] の順にクリックします。
    3. [一貫性のない構成の修正] をクリックします。
    4. [冗長性の低下を許可] を選択し、[OK] をクリックします。 

     

  • 重複排除と圧縮を許可した後、vSAN キャパシティの概要に不正な情報が表示される

    重複排除と圧縮を有効にした後、HTML5 ベースの vSphere Client の [容量の概要] に不正な情報が表示されることがあります。容量を示すバーが次の行まで折り返して表示されることがあります。この問題は、重複排除と圧縮を有効にした後に短時間発生します。 

    回避策:重複排除と圧縮のタスクが完了したら、vSphere Client の画面が更新されるまでしばらく待機します。 

  • 仮想マシンのストレージ ポリシーを変更すると、次のようなエラー メッセージが表示される。ストレージ ポリシーの変更に失敗しました:12(メモリを割り当てることができません)

    [Flash Read Cache の予約] が 0 より大きい値に設定されているポリシーを変更するか、任意の仮想マシンに割り当てることができます。仮想マシンがオールフラッシュの vSAN データストアにある場合、ストレージ ポリシーが失敗し、次のエラー メッセージが表示されます。 

    ストレージ ポリシーの変更に失敗しました:12(メモリを割り当てることができません)

    回避策:仮想マシンに別のストレージ ポリシーを割り当てます。 

  • 仮想マシンのコンプライアンスが不明として表示される

    ESXi 6.0 Update 1 より前の ESXi ホストでは、ストレージのコンプライアンス チェックはサポートされません。ストレージのコンプライアンスは [不明] として表示されます。 

    次のメッセージが表示される場合があります: 
    StorageFault
    "StorageFault"

    回避策:なし。

  • カスタム ISO イメージが Update Manager の vSAN のビルドに関する推奨事項でサポートされない

    vSAN 6.7 は、vSphere Update Manager のビルドに関する推奨事項でカスタム ISO をサポートしていません。カスタム ISO は、vSAN システムのベースラインの一部として使用できません。カスタム ISO を使用するベースラインは、「非準拠」と見なされます。

    回避策:なし。 

  • 新しい vCenter Server で既存のストレッチ クラスタを再構成すると、vSAN が健全性チェックの警告を表示する
    新しい vCenter Server で既存のストレッチ クラスタを再構築すると、vSAN クラスタの健全性チェックが赤になります。次のメッセージが表示されます:vSphere クラスタ メンバーと vSAN クラスタ メンバーが一致

    回避策:次の手順を使用してストレッチ クラスタを構成します。

    1. SSH を使用して、監視ホストにログインします。
    2. 監視ホスト上のディスクを廃止します。次のコマンドを実行します:esxcli vsan storage remove -s "<SSD UUID>"
    3. 監視ホストをクラスタから強制的に離脱させます。次のコマンドを実行します:esxcli vsan cluster leave
    4. 新しい vCenter Server から [構成] > [vSAN] > [ストレッチ クラスタおよびフォールト ドメイン] の順に進んでストレッチ クラスタを再構成します。 

     

  • vCenter Server の置き換え中に「esxcli vsan health cluster list」コマンドを使用すると健全性の問題が表示される
    vCenter Server の置き換え中に、コマンド「esxcli vsan health cluster list」を使用すると、健全性の問題が誤って表示されます。報告される問題は、ネットワーク接続、物理ディスクの健全性の取得、vSAN CLOMD の稼動状態などについてです。vCenter Server では、問題がないと報告されます。

    回避策:vCenter Server の置き換えの完了後、[クラスタ] > [監視] > [vSAN] > [健全性] の順に移動します。[クラスタ] > [vCenter Server の状態は信頼できます] の順に選択し、[ESXi 設定の更新] をクリックします。

  • 暗号化された vSAN クラスタで、失敗した浅い再キー化を vSAN 健全性サービスが修正すると、ディスク フォーマット変換 (DFC) が発生する
    暗号化された vSAN クラスタで浅い再キー化操作に失敗すると、クラスタに新しい KEK を使用するホストと古い KEK を使用するホストが共存する不整合な状態が発生することがあります。vSAN 健全性サービスはこの不整合の検出と修正を試みます。修正中、vSAN はディスク フォーマット変換 (DFC) を実行します。vSAN クラスタに大量のデータがある場合、DFC に長い時間がかかることがあります。

    浅い再キー化操作の失敗と中断の可能性は低減することができます。

    • クラスタ内のすべてのホストが接続されていて、稼動中であることを確認します。また、ホストが切断されていないこと、メンテナンスモードでないこと、パワーオフ状態でもないことを確認します。
    • 浅い再キー化の開始前に、KMS 接続の健全性チェックが緑色で表示されていることを確認します。

    回避策:なし。

  • vSAN がサイズの大きいオブジェクトを再同期しているときに、ディスク フォーマットのアップグレードが失敗する
    vSAN クラスタにサイズの非常に大きなオブジェクトが含まれている場合、オブジェクトの再同期中にディスク フォーマットのアップグレードに失敗することがあります。次のエラー メッセージが表示されることがあります:vSAN のオブジェクトの変換に失敗しました。

    オブジェクトが再同期されるまで、vSAN はアップグレードを実行できません。プロセスが完了する時間を確認するには、[監視] > [vSAN] > [コンポーネントの再同期] の順に選択して、再同期のステータスを確認します。

    回避策:保留中の再同期がなくなるまで待機してから、ディスク フォーマットのアップグレードを再試行します。

  • vCenter Server で、デデュープおよび圧縮がサポートされていないと表示される
    リンク モードで vCenter Server 6.5 以前を実行していると、重複排除(デデュープ)および圧縮の機能が [サポートされていません] と表示されます。vCenter Server からこれらの機能を有効にすることはできません。クラスタの構成中には、次のエラー メッセージが表示されることもあります。

    一部の要素を表示できなかったか、または要素の情報を時間内に取得できませんでした。

    これは、vCenter Server のインターフェイスの問題で、vSAN クラスタの操作には影響しませんが、デデュープおよび圧縮を設定する機能には影響します。

    回避策:デデュープおよび圧縮を設定するには、vCenter Server を最新のソフトウェア リリースにアップグレードするか、または PowerCLI などの別のインターフェイスを使用します。

  • クラスタ一貫性の健全性チェックが深い再キー化操作の実行中に失敗する
    暗号化された vSAN クラスタ上で深い再キー化操作を実行すると、完了するまで数時間かかる場合があります。再キー化の実行中に、次の健全性チェックで障害が検出される場合があります:クラスタ構成の一貫性。クラスタ一貫性チェックでは深い再キー化操作が検出されず、実際は問題が発生していない可能性があります。

    回避策:深い再キー化操作が完了した後で、vSAN クラスタ一貫性の健全性チェックを再テストします。

  • DRS が無効の場合、仮想マシン OVF のデプロイが失敗する
    vSAN クラスタに OVF テンプレートをデプロイする場合、vSAN クラスタ上で DRS が無効になっていると操作は失敗します。次のようなメッセージが表示されます:The operation is not allowed in the current state

    回避策:OVF テンプレートをデプロイする前に、vSAN クラスタ上で DRS を有効にします。

  • クラスタ上で vSAN を無効にした後で vSAN ストレッチ クラスタの構成が失われる
    ストレッチ クラスタ上で vSAN を無効にすると、ストレッチ クラスタの構成は保持されません。ストレッチ クラスタ、監視ホストおよびフォールト ドメインの構成は失われます。

    回避策:vSAN クラスタを再度有効にするときに、ストレッチ クラスタのパラメータを再設定してください。

  • 監視ホストのオンディスク フォーマットのバージョンがデータ ホストのバージョンよりも新しい
    vSAN 6.6 以降へのアップグレード中に監視ホストを変更すると、新しい監視ホストは最新のオンディスク フォーマット バージョンを受け取ります。監視ホストのオンディスク フォーマット バージョンが、データ ホストのオンディスク フォーマット バージョンよりも新しくなる場合があります。その場合、監視ホストはコンポーネントを格納することができません。

    回避策:次の手順を実行して、オンディスク フォーマットを以前のバージョンに変更します。

    1. 新しい監視ホスト上のディスク グループを削除します。
    2. 詳細なパラメータを設定し、以前のオンディスク フォーマットによるディスク グループのフォーマットを有効にします。詳細については、ナレッジベースの記事 KB2146221 を参照してください。
    3. データ ホストに一致するバージョンの vSAN オンディスク フォーマットを使用して、監視ホストに新しいディスク グループを再作成します。 

     

  • パワーオフされた仮想マシンが、監視ホストの交換中にアクセス不能として表示される

    ストレッチ クラスタの監視ホストを変更するときに、パワーオフされた仮想マシンがアクセス不能として vSphere Web Client に短時間表示されます。プロセスが完了すると、パワーオフされた仮想マシンがアクセス可能と表示されます。すべての実行中の仮想マシンはプロセスを通じてアクセス可能として表示されます。

    回避策:なし。 

  • 障害のあるブート メディアがホストにあるとメンテナンス モードにすることができない
    vSAN がブート メディアに障害のあるホストをメンテナンス モードにすることができません。設定の変更を保存することができないため、メンテナンス モードに移行するタスクは内部 vSAN エラーで失敗することがあります。次のようなログ イベントが表示されます:Lost Connectivity to the device xxx backing the boot filesystem

    回避策:データの完全退避オプションを使用して、各ホストからディスク グループを手動で削除します。それからホストをメンテナンス モードにします。

  • ホストに障害が発生すると、健全性チェックがタイムアウトになる

    クラスタ内の 1 台のホストに障害が発生すると、健全性チェックがタイムアウトになることがあります。次のメッセージが表示される場合があります:a back-end task took more than 120 seconds。vSAN 健全性サービスがホストに障害が発生したことを検出すると、ホストが再起動されます。健全性チェックは、10 分後に自動的に再開します。

    回避策:なし。 

  • vSAN クラスタに vSphere 6.0 Update 1 以前の ESXi ホストがある場合、健全性サービスが動作しない
    クラスタに vSphere 6.0 Update 1 以前のリリースを実行する ESXi ホストがある場合、vSAN 6.6 以降の健全性サービスは動作しません。

    回避策:vSphere 6.0 Update 1 以前のソフトウェアを実行している ESXi ホストを、vSAN 6.6 以降のクラスタに追加しないでください。

  • ストレッチ クラスタのフェイルオーバーの後、優先サイト上の仮想マシンが次のアラートを登録する:Failed to failover

    ストレッチ クラスタのセカンダリ サイトが失敗すると、仮想マシンは優先サイトにフェイルオーバーします。すでに優先サイトにある仮想マシンは次のアラートを登録する場合があります:Failed to failover。このアラートは無視してかまいません。これはフェイルオーバーの動作には影響しません。

    回避策:なし。 

  • ネットワークのパーティショニング中に、アクティブなサイトのコンポーネントに一時的な障害が発生したと表示される
    vSAN 2 ホストまたはストレッチ クラスタでのネットワークのパーティショニング中に、vSphere Web Client は、非アクティブ サイトの観点からクラスタのビューを表示することがあります。プライマリ サイトのアクティブ コンポーネントに一時的な障害が発生したと表示されることがあります。

    回避策:RVC コマンドを使用して、クラスタ内のオブジェクトの状態をクエリします。例:vsan.vm_object_info

  • vCenter Server Appliance インストーラが、80 文字を超えるクラスタ名を許可してしまう
    80 文字を超える vSAN クラスタ名を入力すると、vCenter Server Appliance インストーラはその名前を受け入れますが、構成は無効になります。vCenter Server Appliance は起動時に失敗します。

    回避策:80 文字以下の vSAN クラスタ名を入力します。

  • vCenter Server Appliance インストーラが、フラッシュ ドライブと磁気ドライブの混在するキャパシティ層を許可してしまう
    vCenter Server Appliance インストーラでは、新しい vSAN クラスタのディスク グループのキャパシティ層について、フラッシュ デバイスと磁気ディスクを混在させるよう選択できます。実際には、各ディスク グループのキャパシティ層は、すべてフラッシュ デバイスか、またはすべて磁気ディスクとする必要があります。

    回避策:vSAN クラスタのキャパシティ層にフラッシュ メモリと磁気ディスクを混在させないようにします。

  • vSAN 暗号化構成を変更するときにホストを切断すると、構成の更新タスクが一時的に実行される

    暗号化された vSAN クラスタの構成に暗号化をオンまたはオフにする、あるいは KMS キーを変更するなどの変更を行うと、すべてのホストが再接続するか、5 分が経過するまで、vSAN 構成の更新タスクが各ホスト上で 3 秒間隔で実行されます。このタスクにより発生する問題はありません。また、パフォーマンスにもほとんど影響しません。

    回避策:なし。 

  • 強制的な修復後、一部のオブジェクトが非準拠になる
    強制的な修復後、一部のオブジェクトが修復されないままになることがあります。これは、オブジェクトの所有権が処理中に別のノードに転送されたためです。これらのオブジェクトに対する強制的な修復は遅延することがあります。

    回避策:他のすべてのオブジェクトが修復され再同期された後で、強制的な修復を実行します。vSAN がオブジェクトを修復するまで待機することができます。

  • ある暗号化クラスタから別の暗号化クラスタに移動したホストを元のクラスタに戻すと、タスクが失敗する
    ある暗号化 vSAN クラスタから別の暗号化 vSAN クラスタにホストを移動し、そのホストを元の暗号化クラスタに戻すと、タスクが失敗する場合があります。次のメッセージが表示される場合があります:一般的なシステム エラーが発生しました:無効な障害です。このエラーは、vSAN が元の暗号化キーを使用してホスト上のデータを再暗号化できないことが原因で発生します。しばらくすると、vCenter Server がホスト上で元のキーをリストアし、vSAN クラスタ内のマウント解除されていたディスクがすべてマウントされます。

    回避策:ホストを再起動し、すべてのディスクがマウントされるまで待ちます。

  • サイトの復元後、ストレッチ クラスタのバランスが失われる
    ストレッチ クラスタの障害のあるサイトを復元する場合、そのサイトのホストが長い時間をかけて連続的に戻されることがあります。vSAN は、不完全なコンポーネントの修復を開始するときに一部のホストを過度に使用する可能性があります。

    回避策:障害のあるサイトのすべてのホストを、短時間で一括して復元します。

  • ストレッチ クラスタでの HA マスターの問題が原因で、仮想マシン操作が失敗する
    ストレッチ クラスタでの特定の障害シナリオで、vMotion や仮想マシンのパワーオンなどの特定の仮想マシン操作が影響を受ける場合があります。該当する障害シナリオには、サイトの一部または全体の障害や、サイト間の高速ネットワークの障害などがあります。この問題は、ストレッチ クラスタ サイトの通常操作に使用される VMware HA への依存性が原因です。

    回避策:vMotion、仮想マシンの作成、または仮想マシンのパワーオンを実行する前に、vSphere HA を無効にします。その後、vSphere HA を再び有効にします。

  • ディスク グループがアンマウントされている場合、深い再キー化を実行することができない
    vSAN は、深い再キー化を実行する前に浅い再キー化を実行します。アンマウントされたディスク グループがある場合、浅い再キー化は失敗します。そのため、深い再キー化を開始することができません。

    回避策:アンマウントされたディスク グループを再マウントするか削除します。

  • ログ エントリにファイアウォール構成が変更されたことが示されている
    vSAN 暗号化を有効にすると、次の新しいファイアウォール エントリがセキュリティ プロファイルに表示されます:vsanEncryption。このルールは、ホストが KMS とどのように直接通信するかを制御します。ルールが適用されると、ログ エントリが /var/log/vobd.log に追加されます。次のメッセージが表示される場合があります:

    Firewall configuration has changed.Operation 'addIP4' for rule set vsanEncryption succeeded.
    Firewall configuration has changed.Operation 'removeIP4' for rule set vsanEncryption succeeded.

    これらのメッセージは無視することができます。

    回避策:なし。 

  • vSAN データストアでの First Class Disks に対するサポートに制限がある
    vSAN 6.6 以降では、vSAN データストア内の First Class Disks は完全にはサポートされていません。vSAN データストア内で First Class Disks を使用すると、次の問題が発生することがあります。

    • vSAN 健全性サービスで、First Class Disks の健全性が正しく表示されない。
    • [使用済み容量の内訳] で、First Class Disks に対する使用済み容量が次のカテゴリに含まれる:その他
    • First Class Disks を使用する仮想マシンの健全性ステータスが正しく計算されない。

    回避策:なし。 

  • vmknic 上で監視トラフィックをサポートするトラフィック タイプ オプションを設定した後、HA フェイルオーバーが発生しない
    vmknic 上で監視トラフィックをサポートするトラフィック タイプ オプションを設定すると、vSphere HA は自動的に新しい設定を検出しません。HA を一度手動で無効にしてから再度有効にして vmknic を検出できるようにする必要があります。vmknic および vSAN クラスタを最初に構成し、次にクラスタ上で HA を有効にすれば、vmknic が検出されます。

    回避策:クラスタ上で vSphere HA を手動で無効にしてから再度有効にします。

  • iSCSI MCS がサポートされていない

    vSAN iSCSI ターゲット サービスでは、Multiple Connections per Session (MCS) がサポートされていません。

    回避策:なし。 

  • すべての iSCSI イニシエータで iSCSI ターゲットが検出される
    vSAN iSCSI ターゲット サービスでは、ネットワーク上のすべてのイニシエータで iSCSI ターゲットが検出されます。

    回避策:ESXi ホストを個別の VLAN に配置することによって、それらのホストを iSCSI イニシエータから隔離します。

  • ネットワーク パーティションの解決後、リンク クローン仮想マシンでの一部の仮想マシン操作が失敗することがある
    ゲスト OS 内に I/O が発生していないリンク クローン仮想マシン上での一部の仮想マシン操作が失敗することがあります。失敗する可能性がある操作には、スナップショットの作成や仮想マシンのサスペンドが含まれます。この問題は、ネットワーク パーティションが解決された後、親ベース仮想マシンのネームスペースにまだアクセスできない場合に発生する可能性があります。親仮想マシンのネームスペースがアクセス可能になった場合、HA には仮想マシンをパワーオンするように通知されません。

    回避策:I/O 操作がアクティブに実行されていない仮想マシンの電源を入れ直します。

  • [vSAN を構成] ウィザードを使用した後、Web Client からログアウトすると、一部の構成タスクが失敗することがある
    [vSAN を構成] ウィザードでは、構成タスクを完了するのに最大数時間かかる場合があります。ウィザードが構成を完了するまで、Web Client にログインしたままにする必要があります。通常この問題は、多くのホストやディスク グループが含まれるクラスタ内で発生します。

    回避策:一部の構成タスクが失敗した場合は、その構成を再度実行します。

  • 古い ESXi ソフトウェア バージョンのホストで新しいポリシー ルールが無視される

    この問題は、複数の vSAN クラスタがあり、一方のクラスタで最新のソフトウェアが実行されていて、他方のクラスタで古いバージョンのソフトウェアが実行されている場合に発生することがあります。vSphere Web Client には、最新の vSAN ソフトウェアのポリシー ルールが表示されますが、それらの新しいポリシーは古いホストではサポートされません。たとえば、「RAID-5/6(イレージャ コーディング) – 容量」は、6.0U1 以前のソフトウェアが実行されているホストではサポートされません。新しいポリシー ルールを構成して、任意の仮想マシンおよびオブジェクトに適用できますが、古いソフトウェア バージョンが実行されているホストでは無視されます。

    回避策:なし。 

  • vSAN キャパシティ モニターの [使用済み容量の内訳] にスナップショット メモリ オブジェクトが表示されない
    ハードウェア バージョンが 10 より前の仮想マシンの場合、スナップショット メモリは [使用済み容量の内訳] の [vmem オブジェクト] に含まれます。

    回避策:[使用済み容量の内訳] でスナップショット メモリ オブジェクトを表示するには、ハードウェア バージョン 10 以降で仮想マシンを作成します。

  • vSAN 6.5 以降にアップグレードすると、仮想マシンの [サマリ] ページに表示されるストレージ使用量が増えているように見えることがある

    vSAN の以前のリリースでは、仮想マシンのストレージ使用量の値は、データの単一のコピーで使用されている容量でした。たとえば、ゲストが 1 GB を 2 つのミラーがあるシンプロビジョニング オブジェクトに書き込んだ場合、ストレージ使用量は 1 GB として表示されていました。vSAN 6.5 以降の [ストレージ使用量] フィールドには、データのすべてのコピーを含む実際の使用量が表示されます。そのため、ゲストが 1 GB を 2 つのミラーがあるシンプロビジョニング オブジェクトに書き込んだ場合、ストレージ使用量は 2 GB として表示されます。アップグレードすると、一部の仮想マシンで表示されるストレージ使用量が増えているように見えることがありますが、実際の使用量は増加していません。

    回避策:なし。 

  • 監視ホストをメンテナンス モードに切り替えることができない
    監視ホストをメンテナンス モードに切り替えようとしても、ホストの状態は変わらず、次の通知が表示されます。指定されたパラメータが正しくありませんでした。

    回避策:監視ホストをメンテナンス モードに切り替える場合、[データの移行なし] オプションを選択します。

  • 監視ホストを拡張クラスタ内に移動し、その監視ホストを拡張クラスタの外に移動すると、クラスタの構成が誤った状態のままになる
    vSAN 対応の vCenter Server クラスタに監視ホストを配置すると、監視ホストをクラスタに配置できないことがアラームで通知されます。ただし、監視ホストをクラスタから移動しても、クラスタの構成が誤った状態のままになります。

    回避策:監視ホストを vSAN ストレッチ クラスタから移動し、ストレッチ クラスタを再構成します。詳細については、ナレッジベースの記事 2130587 を参照してください。

  • HA ハートビート データストアのあるクラスタ内でネットワークのパーティション分割が発生した場合に、他のデータ サイト上で仮想マシンが再起動されない
    vSAN クラスタ内の優先サイトまたはセカンダリ サイトで他のサイトへのネットワーク接続が失われた場合、ネットワーク接続を失ったサイト上で実行中の仮想マシンが他のデータ サイト上で再起動されず、次の内容のエラーが表示される場合があります:vSphere HA 仮想マシンの HA フェイルオーバーに失敗しました

    これは、vSAN クラスタにおいて想定されている動作です。

    回避策:クラスタで vSphere HA を構成中は、HA ハートビート データストアを選択しないでください。

  • アンマウントされた vSAN ディスクおよびディスク グループが、vSphere Web Client の [動作ステータス] フィールドで [マウント済み] として表示される

    ディスクの待ち時間が継続的に長くなっている場合に、esxcli vsan storage disk group unmount コマンドまたは vSAN のデバイス監視サービスを実行して vSAN ディスクまたはディスク グループをアンマウントした後で、vSphere Web Client の [動作ステータス] フィールドに [マウント済み] として誤って表示されます。

    回避策:[動作ステータス] フィールドの代わりに、[健全性] フィールドを使用してディスク ステータスを確認します。

  • vSphere Update Manager の事前チェック修正で、失敗した vSAN の健全性の問題が英語のみで表示される

    Update Manager の事前チェック修正中に必要な vSAN の健全性チェックが失敗した場合、失敗した健全性チェックは英語のみで表示されます。このリリースでは、これらのメッセージのローカライズ サポートは利用できません。

    回避策:vSphere Client の vSAN 健全性サービスを使用して、健全性の問題を確認し解決します。

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