ホストを vSphere HA クラスタに追加すると、そのホストにエージェントがアップロードされ、クラスタ内の他のエージェントと通信するように構成されます。クラスタ内の各ホストは、プライマリ ホストまたはセカンダリ ホストとして機能します。

クラスタ用に vSphere HA が有効にされると、アクティブなすべてのホスト(スタンバイでないか、メンテナンス モードでないか、切断されていないホスト)がクラスタのプライマリ ホスト候補になります。マウントしているデータストア数が最大のホストがマスタ候補として有利です。一般にクラスタごとにプライマリ ホストは 1 台だけで、残りはすべてセカンダリ ホストになります。プライマリ ホストは、障害が発生したり、シャットダウンされたり、スタンバイ モードになったり、クラスタから取り除かれたりした場合、選び直されます。

クラスタのプライマリ ホストには、いくつかの役割があります。

  • セカンダリ ホストの状態を監視する。セカンダリ ホストに障害が発生した場合や接続できなくなった場合、プライマリ ホストはどの仮想マシンを再起動する必要があるかを特定します。
  • 保護対象の仮想マシンの電源状態を監視する。ある仮想マシンに障害が発生した場合、プライマリ ホストはその仮想マシンを確実に再起動させます。ローカルの配置エンジンを使用して、どのホストで再起動するかもプライマリ ホストが決定します。
  • クラスタ ホストと保護対象の仮想マシンのリストの管理。
  • vCenter Server の管理インターフェイスとして機能し、クラスタの健全性状態をレポートします。

セカンダリ ホストは、主として仮想マシンをローカルに実行し、ランタイム状態を監視し、状態の更新をプライマリ ホストにレポートすることでクラスタに貢献します。プライマリ ホストも仮想マシンを実行し、監視できます。セカンダリ ホストとプライマリ ホストの両方とも、仮想マシンとアプリケーションの監視機能を実装しています。

プライマリ ホストにより実行される機能の 1 つは、保護された仮想マシンの組織的な再起動です。ユーザー アクションに対応して vCenter Server によって仮想マシンのパワー状態がパワーオフからパワーオンに変わったことが確認されると、仮想マシンはプライマリ ホストによって保護されます。プライマリ ホストは保護された仮想マシンのリストをクラスタのデータストアに保持します。新しく選択されたプライマリ ホストは、この情報を使用してどの仮想マシンを保護するか決定します。

注: ホストをクラスタから切断する場合、そのホストに登録されている仮想マシンは、vSphere HA の保護対象ではなくなります。