vSphere HA クラスタの動作を指定する詳細オプションを設定できます。

表 1. vSphere HA の詳細オプション
オプション 説明
das.isolationaddress[...] ホストがネットワークから隔離されているかどうかを判断するため、ping を送信するアドレスを設定します。クラスタ内でほかのどのホストからもハートビートが受信されない場合にのみ、このアドレスに ping が送信されます。このアドレスが指定されていない場合は、管理ネットワークのデフォルト ゲートウェイが使用されます。このデフォルト ゲートウェイには、利用可能で信頼性の高いアドレスを指定します。これにより、ネットワークから隔離されているかどうかをホスト自身で判断することができます。クラスタには複数の隔離アドレス(10 個まで)を指定できます: das.isolationAddressX(X は 0 ~ 9)。通常は、管理ネットワークごとに 1 つ指定する必要があります。複数のアドレスを指定すると、隔離の検出に時間がかかります。
das.usedefaultisolationaddress デフォルトでは、vSphere HA はコンソール ネットワークのデフォルト ゲートウェイを隔離アドレスとして使用します。デフォルトが使用されるかどうかをこのオプションで指定します(true または false)。
das.isolationshutdowntimeout システムがパワーオフする前に、仮想マシンがシャットダウンするまで待機する時間を設定します。これはホストの隔離時の対応が、仮想マシンのシャットダウンの場合のみ適用されます。デフォルト値は 300 秒です。
das.slotmeminmb メモリ スロット サイズの上限を定義します。このオプションが使用されると、スロット サイズは、この値、またはクラスタ内でパワーオン状態になっているあらゆる仮想マシンの最大メモリ予約にメモリ オーバーヘッドを加えた値よりも小さくなります。
das.slotcpuinmhz CPU スロット サイズの上限を定義します。このオプションが使用されると、スロット サイズは、この値、またはクラスタ内でパワーオン状態になっているあらゆる仮想マシンの最大 CPU 予約よりも小さくなります。
das.vmmemoryminmb メモリ予約が指定されていない、またはゼロの場合に、仮想マシンに割り当てるデフォルトのメモリ リソース値を定義します。これは、クラスタで許容するホスト障害アドミッション コントロール ポリシーで使用されます。値が指定されていない場合、デフォルトは 0 MB になります。
das.vmcpuminmhz CPU 予約が指定されていない、またはゼロの場合に、仮想マシンに割り当てるデフォルトの CPU リソース値を定義します。これは、クラスタで許容するホスト障害アドミッション コントロール ポリシーで使用されます。値が指定されていない場合、デフォルトは 32MHz になります。
das.iostatsinterval 仮想マシンの監視感度に対するデフォルトの I/O 統計間隔を変更します。デフォルトは 120 (秒) です。0 以上の任意の値を設定できます。0 を設定すると、チェックが無効になります。
注: 50 未満の値は推奨されません。より小さい値を指定すると、vSphere HA が予期せずに仮想マシンをリセットする可能性があるためです。
das.ignoreinsufficienthbdatastore ホストに vSphere HA 用の十分なハートビート データストアがない場合、作成された構成の問題を無効にします。デフォルト値は false です。
das.heartbeatdsperhost

データストアが必要とするハートビート数を変更します。有効な値は 2~5 の範囲で、デフォルトは 2 です。

das.config.fdm.isolationPolicyDelaySec ホストが隔離されていると判断された場合に、隔離ポリシーを実行する前にシステムが待機する秒数。最小値は 30 です。30 未満の値に設定しても、遅延時間は 30 秒になります。
das.respectvmvmantiaffinityrules

vSphere HA によって、仮想マシン間の非アフィニティ ルールが強制されるかどうかを決定します。デフォルト値は「true」で、vSphere DRS が有効でない場合でもルールが適用されます。この場合、vSphere HA は仮想マシンをフェイルオーバーするとルールに反する場合はフェイルオーバーを実行しませんが、フェイルオーバーを実行するためのリソースが不足していることをレポートするイベントを発行します。このオプションは「false」にも設定でき、その場合ルールは適用されません。

非アフィニティ ルールの詳細については、『vSphere リソース管理ガイド』 を参照してください。

das.maxresets VMCP が行うリセット試行回数の最大値です。APD (All Paths Down) 状態の影響を受ける仮想マシンでリセット操作が失敗すると、VMCP は処理を終了するまでにこの回数のリセットを試行します。
das.maxterminates VMCP が行う仮想マシン終了の最大再試行回数です。
das.terminateretryintervalsec VMCP が仮想マシンを終了できない場合に、システムが終了を再試行するまでに待機する時間(秒)です。
das.config.fdm.reportfailoverfailevent 1 に設定すると、vSphere HA が仮想マシンを再起動しようとして失敗したときに、仮想マシンごとの詳細なイベントを生成できます。デフォルト値は 0 です。vSphere 6.0 より前のバージョンでは、このイベントはデフォルトで生成されます。
vpxd.das.completemetadataupdateintervalsec 仮想マシンとホスト間のアフィニティ ルールが設定されてから、DRS が無効なクラスタで vSphere HA がルールを無視して仮想マシンを再起動できる時間(秒)。デフォルト値は 300 秒です。
das.config.fdm.memReservationMB
デフォルトで vSphere HA エージェントは、メモリの上限 250 MB が構成された状態で実行されます。予約可能なキャパシティが不足している場合、ホストはこの予約を割り当てられないことがあります。この詳細オプションを使用してメモリの上限を減らすことで、この問題を回避できます。100 より大きい整数(最小値)のみを指定できます。反対に、(6,000 から 8,000 台の仮想マシンを含む)大規模なクラスタでプライマリ エージェントの選択中に発生する問題を回避するには、この制限を 325 MB に増やします。
注: この上限が変更されると、クラスタ内のすべてのホストに対して HA の再構成タスクを実行する必要があります。また、新しいホストがクラスタに追加されたり、既存のホストが再起動されるときに、そのホストに対してこのタスクを実行して、このメモリ設定を更新する必要があります。
das.reregisterrestartdisabledvms
vSphere HA が特定の仮想マシンで無効になっている場合、このオプションを使用することで、この仮想マシンが障害後に別のホストに登録されるようにします。これにより、この仮想マシンを手動で再登録せずにパワーオンできます。
注: このオプションを使用した場合、vSphere HA は、仮想マシンを登録するのみで、パワーオンは行いません。
das.respectvmhostsoftaffinityrules 同じ仮想マシン ホスト グループに属しているホスト上の各仮想マシンを vSphere HA が再起動するかどうかを決定します。そのような使用可能なホストがない場合、またはこのオプションの値が "false" に設定されている場合、vSphere HA はクラスタで使用可能なすべてのホスト上の仮想マシンを再起動します。vSphere 6.5 では、デフォルト値は「true」です。この値は、クラスタの詳細 HA オプションでは視覚的に定義されていない可能性があります。このオプションを無効にする場合は、クラスタの詳細 HA オプションで手動で「false」に設定する必要があります。
注: 次の詳細オプションのいずれかの値を変更する場合、変更を有効にするには vSphere HA を無効にしてから再度有効にする必要があります。
  • das.isolationaddress[...]
  • das.usedefaultisolationaddress
  • das.isolationshutdowntimeout