vCenter Server によって生成された重複した MAC アドレスが仮想マシンにあると、パケットや接続が失われます。
問題
同じブロードキャスト ドメインまたは IP サブネット上の仮想マシンの MAC アドレスが競合しているか、新しく作成された仮想マシンの重複する MAC アドレスが vCenter Server によって生成されます。
仮想マシンはパワーオンし、正常に機能しますが、別の仮想マシンと MAC アドレスを共有しています。このような状況では、パケット ロスや他の問題が生じる場合があります。
原因
仮想マシンに重複する MAC アドレスが生成されるには、いくつかの原因があります。
解決方法
- 仮想マシン ネットワーク アダプタの MAC アドレスを手動で変更します。
競合する MAC アドレスを持つ既存の仮想マシンがある場合、
[仮想ハードウェア] 設定に一意の MAC アドレスを指定する必要があります。
- 仮想マシンをパワーオフにし、手動で設定した MAC アドレスを使用するようにアダプタを構成して、新しいアドレスを入力します。
- 構成を行うために仮想マシンをパワーオフできない場合、手動で設定した有効な MAC アドレス割り当てと競合しているネットワーク アダプタを再作成して、新しいアドレスを入力します。ゲスト OS で、再度追加されたアダプタに以前と同じ固定 ID アドレスを設定します。
仮想マシンのネットワーク アダプタの構成については、vSphere のネットワークおよび vSphere の仮想マシン管理 ドキュメントを参照してください。
- vCenter Server インスタンスによってデフォルトの割り当てである VMware OUI 割り当てに従って仮想マシンの MAC アドレスが生成される場合、vCenter Server インスタンス ID を変更するか、別の割り当て方法を使用して競合を解決します。
注:
vCenter Server インスタンス ID を変更したり、別の割り当て方法に切り替えたりしても、既存の仮想マシンで MAC アドレスの競合は解決されません。変更の後に作成された仮想マシン、または追加されたネットワーク アダプタのみが新しい方法に従ってアドレスを受け取ります。
MAC アドレスの割り当て方法とセットアップの詳細については、vSphere のネットワークドキュメントを参照してください。
解決方法 |
説明 |
vCenter Server ID の変更 |
デプロイに少数の vCenter Server インスタンスしか含まれていない場合、VMware OUI 割り当て方法をそのまま使用できます。この方法に従って、MAC アドレスには次の形式を使用できます。 00:50:56:XX:YY:ZZ 00:50:56 は VMware OUI を表し、XX は (80 + vCenter Server ID) として計算され、YY:ZZ はランダムな数字です。 vCenter Server ID を変更するには、vCenter Server インスタンスの [全般] 設定から [ランタイム設定] セクションにある [vCenter Server の一意 ID] オプションを構成し、それを再起動します。 VMware OUI 割り当ては最大 64 個の vCenter Server インスタンスで機能し、小規模なデプロイに適しています。 |
プリフィックス ベースの割り当てへの切り替え |
カスタム OUI を使用できます。たとえば、02:12:34 のようなローカルで管理されているアドレス範囲の場合、MAC アドレスの形式は 02:12:34:XX:YY:ZZ です。4 番目のオクテット XX を使用して、vCenter Server インスタンスの間に OUI アドレス スペースを分散できます。この構造を使用すると、vCenter Server あたり約 65,000 個の MAC アドレスで、255 個のアドレス クラスタがそれぞれ別個に vCenter Server インスタンスによって管理されるようになります。たとえば、vCenter Server A は 02:12:34:01:YY:ZZ で、vCenter Server B は 02:12:34:02:YY:ZZ のようにします。 より大規模なデプロイにはプリフィックス ベースの割り当てが適しています。 グローバルで一意な MAC アドレスについては、OUI を IEEE で登録する必要があります。 |
- MAC アドレスの割り当てを構成します。
- 新しい MAC アドレスの割り当て方法を、[仮想ハードウェア] 設定の既存の仮想マシンに適用します。
- 仮想マシンをパワーオフにし、手動で設定した MAC アドレスを使用するようにアダプタを構成して、自動 MAC アドレスの割り当てに戻し、仮想マシンをパワーオンにします。
- 仮想マシンが本番環境にあり、構成を行うためにマシンをパワーオフできない場合は、vCenter Server ID またはアドレスの割り当て方法を変更した後に、有効な自動 MAC アドレス割り当てと競合しているネットワーク アダプタを再作成します。ゲスト OS で、再度追加されたアダプタに以前と同じ固定 ID アドレスを設定します。
- データストアから仮想マシンファイルを使用して、vCenter Server インスタンス間で仮想マシンを転送するときに MAC アドレスの再生成を強制します。
- 仮想マシンをパワーオフし、それをインベントリから削除して、構成ファイル (.vmx) で ethernetX.addressType パラメータを generated に設定します。
ethernet
の横にある
X
は、仮想マシンの仮想 NIC のシーケンス番号を表します。
- ターゲット vCenter Server のデータストアから仮想マシンを登録することで、ある vCenter Server システムから別の vCenter Server に仮想マシンをインポートします。
仮想マシン ファイルは、2 つの
vCenter Server インスタンス間で共有されているデータストアに配置することも、ターゲット
vCenter Server システムでのみアクセスできるデータストアにアップロードすることもできます。
データストアからの仮想マシンの登録の詳細については、vSphere の仮想マシン管理を参照してください。
- 初めて仮想マシンをパワーオンにします。
仮想マシンは起動していますが、
vSphere Client の仮想マシンに情報アイコンが表示されます。
- 仮想マシンを右クリックして、 を選択します。
- [コピーしました] オプションを選択します。
ターゲット
vCenter Server によって、仮想マシンの MAC アドレスが再生成されます。新しい MAC アドレスは VMware OUI
00:0c:29
で開始し、仮想マシンの BIOS UUID に基づいています。仮想マシンの BIOS UUID はホストの BIOS UUID から計算されます。
- vCenter Server およびホストのバージョンが 6.0 以降であり、vCenter Server インスタンスが強化されたリンク モードで接続している場合、vMotion を使用して vCenter Server システム間で仮想マシンを移行します。
vCenter Server システム間で仮想マシンが移行される場合、ソースの
vCenter Server は仮想マシンの MAC アドレスを拒否リストに追加し、それらの MAC アドレスを別の仮想マシンに割り当てません。